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猫耳パーカーとフーセンガム

1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 02:13:21.44 ID:OIe+ZWtGo

「ニャー」

「にゃーにゃー」

どこからか猫の声と、猫を真似た人の声がした。
河川敷の下、声のした方を覗き込んでみるが誰もいない。
ここの河川敷には大きな水道橋があり、死角はいくらでもある。
わざわざ河川敷を降りてまで声の主を探しているのは、僕が猫好きという事もあるし……

「にゃーにゃっ……」

先程の声が、僕の好みにどストライクだったのもある。



2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 02:13:37.14 ID:OIe+ZWtGo

「……もしゃもしゃ」

機嫌、直してもらえたかな……?

正座した僕の膝の上で猫が丸くなり、その猫の喉をゴロゴロと触る少女という不思議な構図。
少女は懐から取り出したフーセンガムを口の中でもしゃもしゃさせている。
どうやら、完全にご機嫌ナナメらしい。

「んーっ……」

少女が小さな体を大きく逸らせて口に力を込めると、ぷくーっとピンク色の球体が膨らんだ。
そのままの体勢でしばらく少女は固まっていたが、パンッと球体が弾けると同時にこちらを向いた。



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 02:14:14.21 ID:OIe+ZWtGo

口元に付いたガムをペロペロと舐めて口に戻し、再びそれを咀嚼しながら

「……あんた、誰?」

と、先程聞いた僕好みの声で尋ねてきた。
とりあえず僕は自分の通う学校と自分の名前少女に答えると、膝を崩して尻餅を付く。
猫が抗議のようにフニャーと鳴いて飛びき、そのまま少女の隣にぴょこんと着地した。
少女は「ふぅん」とあまり興味なさ気に呟くと、僕の鼻先まで顔を近づける。
思わずドキドキしてしまう僕。



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 02:15:06.57 ID:OIe+ZWtGo

「ここで見たこと、忘れろ」

鼻先まで近づいた顔が離れると同時に少女の手が伸びてきて、完全に不意を突かれた僕の顔を少女の爪が掠める。
すんでの所で躱せたか、と思った矢先に少女の隣の猫がコンビネーションアタックと言わんばかりに飛び上がり、僕の顔に一文字を作る。

い、いててっ!?

顔の痛みに思わず手を当てると、微かに血が滲んでいた。
いくらなんでもこの仕打ちは無いのではないか、と今度はこちらから抗議しようと顔を上げると



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 02:15:55.42 ID:OIe+ZWtGo

……あれ?

少女の姿も、猫の姿も無くなっていた。
まるで狐に……いや、猫に摘ままれたような顔で僕は茫然としていたが、ぴゅーっと一陣の風が吹いた所で平静を取り戻し

……帰ろう

と誰に言うでも無く呟くと、帰路に付いた。
それが僕と少女の、いいとも悪いとも言えないファーストコンタクト。



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 02:28:15.01 ID:OIe+ZWtGo

「……」

やぁ、元気?

また出会えるとは思っていなかったので、出来るだけ平静を装いながら声を掛ける僕。
もしかしたらもう一度会えるかも、と帰路をこちらメインにしてみたのだ。
昨日今日の事なので、警戒されて現れないかと思っていたら、あの声が聞こえたのだ。
正直、嬉しい。

「……また来たの、あんた」

「ニャー」

僕が胡坐をかいて座ると、猫がそこにぴょこんっと飛び乗る。
前回の件でてっきり嫌われていると思っていたが、少なくとも猫には好かれているらしい。

「……」

そんな猫を一瞥し、僕に恨めしそうな視線を向ける少女。
僕としては、そんな顔をされると実に悲しいので

こっち来て、撫でてあげたら?

昨日はそうしてたのに、と声を続けようかと思ったが、今の少女の機嫌を考えると藪蛇になりかねないので黙っておく。



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 02:54:26.67 ID:OIe+ZWtGo

「……むむむ」

唸りながら少女が僕の方へとにじり寄り、限界まで僕に近づかないようにしながら猫の方へと手を伸ばした。
猫は少女の手に頬を当て、気持ちよさそうにゴロゴロと喉を鳴らしている。
そんな仕草が可愛くて、僕もついつい手を伸ばしてしまい

「……っ!」

少女の手に僕の手が触れた瞬間、少女がバッとその場から飛んだ。
その直後、膝元にいた猫の奇襲で前回とは反対側に一文字が刻まれた。

いぎゃっ……!?

完全に不意を突かれた僕はゴチン、と頭を打ち付けのた打ち回る。
そんなこんなしているうちに、予想通りと言うかなんというか、少女と猫の姿は無くなっていた。

(……また、会えるかな?)



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 11:56:45.45 ID:OIe+ZWtGo

やぁ、元気?

「……ん」

「ニャーゴ」

もう何度目になるか分からない挨拶を、少女と交わす。
胡坐をかいて座った僕の膝上に猫がぴょこんと乗り、それに合わせて少女も僕の目の前に座る。

そうだ、今日はいいものを持ってきたんだ

「?」

僕の言葉に、少女がキョトンとした顔でこちらを見る。
万を持して、と言った感じで僕が取り出すのは、学校の近くで拾った猫じゃらしだ。



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 12:16:48.13 ID:OIe+ZWtGo

膝の上の猫に猫じゃらしをぴょこぴょこと振ると、猫もそれに合わせて足をぶんぶんと振る。
取られないように、だが興味を失わないように、絶妙な感覚で僕は猫じゃらしを振り続ける。

「……」

先程から気になっていたのは、少女の視線も猫じゃらしに合わせて揺れている事だ。
試しにくるくると回してみると、少女の眼球が所狭しとぐるぐる回る。
その様子が微笑ましくて、しばらく猫じゃらしを回しながらそれを眺めていたが

「……っ」

やがて僕の視線が自分に向いていることに気付くと、少女はぷいっとそっぽを向いてしまった。
前までならここで猫の爪が飛んできていただろうな、と僕は猫の頭を撫でる。
ゴロゴロと喉を鳴らす猫に、僕の頬が緩む。
少女の事も好きだが、それと同じぐらい猫も好きだ。
というか少女が猫の様だから好き、なのか?



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 12:30:58.25 ID:OIe+ZWtGo

あ、もうこんな時間か

河の色がほのかな紅色に変化したのを見て、僕はそう呟く。
少女と共にいると、時間が進むのが早くて仕方ない。
僕は猫じゃらしをしまうと、膝上の猫を持ち上げ地面に降ろす。

「ナーゴナーゴ」

猫が名残惜しそうにじたばたとしたが、ずっとここにいるわけにはいかない。
少女も少し不満げにこちらを見ていたのが僕の後ろ髪を引くが、名残惜しいのは僕も同じだ。
というか聞いていなかったが、少女は普段どこにいるのだろう?

ねぇ、キミって……どの辺りに住んでるの?

「……」

僕の質問に、少女が押し黙る。
少し困ったような、戸惑いを帯びた視線が僕の視線と重なる。
完全に虚を付かれる形で、そんな僕と少女の視線の間に黒い影。
その影が僕の顔に覆いかぶさり、シャッと僕の額に一文字が作られた。
初めてだった。
猫が少女の指示ではなく、自発的に飛びかかってきたのは。

……逃げられた、か

額の血を拭い、僕は夕焼けを見上げる。
まだ少し、踏み込むには早かったようだ。



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 12:59:36.04 ID:OIe+ZWtGo

や、やぁ……

「……」

次に少女と会えたのは、しばらく経ってからだった。
毎日通っていたのだがなかなか姿を見せてくれず、もう二度と会えないと思っていたので、やっと見つけた少女の背中に僕は慎重に声を掛ける。
そんな僕の心情を知ってか知らずか、少女のじっとりとした目とがこちらを向く。
いつものように胡坐をかいて座るってみるが、猫は少女の隣を離れなかった。
やはり、嫌われてしまったのだろうか……

「……何しにきたの」

言葉はいつもよりトゲトゲしいが、言葉の雰囲気は弱弱しい気がする。
何しに、と言われても困ったものだ。
答えは一つしかないのだから。

そりゃ、キミに会いに

当たり前じゃないかと言わんばかりの僕の言葉に、少女はパーカーの帽子をぐっと引いて顔を隠した。
その行動に何の意味があるのか、僕には分からなかったが……少なくとも嫌悪は感じないのでよしとしよう。



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 13:07:53.39 ID:OIe+ZWtGo

「ニャー」

猫が少女を心配するように一鳴きすると、少女はそれに答える様に猫の頭を撫で、そのまま手を下にずらして行って猫を持ち上げた。
少女が持ち上げると、猫は鳴き声一つ漏らさないらしい。
そのまま猫を運ぶと、少女は僕の目の前にポスンと腰を降ろした。
いつもの逆パターンと言った感じで、少女の膝の上に猫が乗り、その目の前に僕がいる。
これはつまり、そう言う事なのだろう。

……よしよし

僕は手を伸ばし、猫を撫でる。
猫を撫でていた、はずだったのに。

「……っ!」

「ナーゴ」

僕の手は真っ直ぐと、自分の思っていなかった場所へと伸びていた。
少女の頭を優しく撫でると、ふかふかの猫耳パーカーの感触。
これはやってしまったな、またしばらく会えないのかな、などと考えていた僕の想像と少女の反応は少し異なっていて、恥ずかしそうに上目使いにこちらを見ていた。
猫も今日は邪魔をする気は無いらしく、少女の膝上にごろんごろんと頭を擦り付けている。
しばらくそうして、時間が過ぎていった。



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 13:28:46.52 ID:OIe+ZWtGo

あんなことがあって、またしばらく間が開くかと思っていたのだが、案の定次の日も少女はいつもの場所にいた。
今日は珍しく、初めて出会った時に噛んでいたフーセンガムを膨らませている。
なんだか憂いを帯びたその佇まいに、僕は声を掛けられずにいた。

「……ん」

声を掛けられずにはいたのだが、比較的近くにいた僕に少女の方から気付いたようで、視線と共に少女がこちらへ近づいてきた。
僕の手前まで来て立ち止ると、少女は懐からガムを取り出してこちらへ差し出してきた。

「膨らませてみてよ、それ」

僕は少女の隣に座って、ガムをもしゃもしゃする。
そういえば今日は猫の姿が見えないが、どうしたのだろう?
少女に聞いて見ようかと思ったが、前回の事を考えるとまだ踏み入る勇気が無い。



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 13:35:49.67 ID:OIe+ZWtGo

「……あいつがさ、あたしを引っ掻きやがったんだ」

相手を責める口調で、少女が呟く。
だが僕はその言葉の端に感じた自責の念も見逃さない。

「だからさ、謝るまで許してやんないんだ」

弾けたフーセンガムを口の周りにつけたまま、少女が言う。
実を言うと僕はフーセンガムを膨らませるのがあまり得意ではないので、さっきからずっと噛んでいた。
だがものは試しだ、僕も膨らませてみる。

「あははっ、何それっ」

少女に笑われてしまった。
これでも相当真面目にやった方だったのだが。
少しムッとした表情をしていたのか、少女は笑いながら再び懐からガムを取り出した。
今度は箱ごと。

「あげるよ、それ。次会うときまでに練習しておいてね」

それだけ言い残し、少女はササッと走って行ってしまった。
残された僕は、しばらくガムを噛んでいた。



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 13:42:47.61 ID:OIe+ZWtGo

次の日、いつもの場所に少女の姿は無かった。
その代わりに、いつもの猫が少女の位置に座っている。
昨日は少女だけ、今日は猫だけか、と僕は胡坐をかいて座る。
その動きに合わせるように、猫がぴょんっと飛び乗ってきた。

「ナーナー」

僕に何か言いたげに、首をぐいーっと大きく逸らして鳴く猫。
残念ながら僕は猫語について詳しくないが、昨日の少女の会話から察するに少女への抗議なのだろうか?
フーセンガムをもしゃもしゃ噛みながら、猫の頭を撫でる。
ゴロゴロと言う小気味よい音を聞きながら、ガムを膨らませる練習をする僕。
昨日よりほんの少し上手くなったような気がするし、気のせいの様な気もする。



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 13:50:44.58 ID:OIe+ZWtGo

「ニャーオ」

猫の一鳴きで、僕は時間の流れに気付かされた。
ここはまるで時の流れが違うようで、いつも気付けばこんな時間だ。
今日は河の色が変わっていない、一雨来る前に急ごう。

キミは大丈夫なの?

僕は帰る前に猫に確認を取ると、猫は「ミャーゥ」と元気に返事を返してサッとどこかへ行ってしまった。
首輪も無いようだし、飼い猫でないのなら気にする必要はないだろうか。
ポッ、ポッ、とアスファルトに水滴の跡が浮かびだす。
こんな事をしている場合ではない、急いで帰らないと。



22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 13:51:42.73 ID:OIe+ZWtGo

その日は結局、雨が降りやまず
テレビでは何年だか何十年ぶりかの大雨になるだろうと言っていた



26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 17:36:40.96 ID:OIe+ZWtGo

案の定翌日は大雨で、学校へ行くのに親が送ってくれた。
ルートが違うので、あの河川敷の様子を確認することは出来なかったが、この雨を見るに何ともないとは思えない。
その事がずっと気がかりで授業など耳に入ってくるわけもなく、電車通学の学生を考慮して午前で授業を打ち切るという教師の宣言だけは聞き取れた。
皆が各々の手段で親と連絡を取る中、僕は雨の中を走り出した。
こんな雨の中を出歩くのは、バカのする事だ。
これで徒労に終われば、本当のバカだが……徒労であって欲しい。

うっ……!?

ドンッと胸に強い衝撃受け、僕は尻餅を付く。
服が派手に濡れてしまったが、今はもう気になるレベルではない。

「ご、ごめんなさ……って、あんた!」

雨音の中で聞こえた、聞きなれた声。
びしょびしょに濡れてしまったパーカーは、猫耳が萎れてまるで元気の無い猫の様だ



27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 17:44:10.47 ID:OIe+ZWtGo

「なんでこんな所に……じゃない、急がないと!」

走り出そうとする少女の腕を、僕はガッと掴み制する。
少女が行こうとする先は、分かっていた。
分かっていたからこそ、僕は止めようと腕を掴んだのだ。

「離せっ!」

ガリッと少女の爪が僕の手に食い込み、赤いラインを作る。
だが今日の僕はこれで怯むわけにはいかない。

あの子が心配なら、僕が行ってくる!キミは家に帰るんだ!

こんな大きな声、他人に向けて初めて出したかもしれない。
それほどまでに大きな声が、僕の口から発されていた。



28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 17:49:51.00 ID:OIe+ZWtGo

「……っ」

僕の剣幕に少女がわずかにたじろいだが、すぐにキッと僕を睨み付けなおも暴れようとする。
どうやら説得は無理らしい、ならば選択肢は一つだ。
掴んでいた腕を緩め少女を解放すると

危なくなったら逃げるんだよ?

そう言って、少女と一緒に走り出した。
返答は聞かなかったが、きっとこの子なら分かってくれているだろう。



29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 17:59:15.10 ID:OIe+ZWtGo

河川敷は大分河に侵攻されていたが、まだ何とか通ることは可能なレベルであり、猫がいたとしてもおかしくない。
少女が臆することなく河川敷を降りていったので、僕も少し遅れて少女を追う。

「猫ーっ!どこにいるんだ、猫ーっ!!」

そうらやあの猫、名前らしい名前を付けられていなかったらしい。
この子らしいと言えばこの子らしいのだが、こういう場合少々不便だ。
などと冷静に考えている場合でもなく

猫ー!どこだーっ!

僕も少女に習い、猫の名を呼ぶ。
雨音にかき消されないように、お腹の底から声を張り上げる。
そんな僕らをあざ笑うように雨は勢いを増し、河川敷もどんどん危険度を増していく。
そろそろ少女を無理にでも連れ帰ろうかと思案していた所で

「ニャウーン」

か細い声が、確かに聞こえた。



30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 18:19:59.09 ID:OIe+ZWtGo

流れに飲まれた大岩の上で、雨に濡れて細くなった猫が震えている。
少女はそれを見てすぐにでも飛びつこうとしたが、僕は何とかそれを押さえる。
無策に飛び込めば、まず助からない流れの速さだ。
しかし、もちろんこのまま放っておくと今度は猫が危ないわけで。
僕は鞄の中に使えそうなものが無いかぶちまけてみるが、特に何もなく
いや、そうか……使えそうなものはまさにこの鞄だ

少し待って!

「……?」

鞄を肩にかける時に使う紐の部分、その片方を外し一本の帯のようにする。
こうすれば簡易的な救命うきわのようなものになるだろう。



31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 18:24:05.96 ID:OIe+ZWtGo

これに捕まって!

言葉が通じているかなんて知ったこっちゃないが、僕はそれを猫に直接当たらないように投げる。
流れが鞄を押し流そうとするが、うまい具合に岩の窪みに引っかかってくれた。
少女が固唾を飲んで見守る中、猫がそれに爪を引っ掻けるのを確認すると、僕は鞄を手繰り寄せた。
再び流れが猫を引っ張り、水を吸った鞄の重みが僕を河へと引き込もうとする。
こういう時が、もっと運動をしておけばよかったと反省する瞬間なのか。
重みがかなり苦しくなってきたところで、ふっと僕の体が軽くなった。

「ふんぎぎ……」

少女が僕の腕を握り、力を貸してくれたのだ。
猫も必死に鞄に爪を立て、流れに逆らっている。
ここで僕が頑張らなければ、男が廃る。

ふんぬぬ……っ!

やっとの思いで流れから解放されると、すぽーんっと鞄と猫が宙を舞う。
あっ、と息をのんだ僕達だったがそこは濡れても猫、シュタッと華麗に着地を決めた。



32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 18:28:53.25 ID:OIe+ZWtGo

雨でびしょ濡れの僕らは、流れと雨の直接届かない位置まで移動して一旦座った。
本当は早く家へと帰ったほうがいいのだろうが、クタクタで動く気力が沸かない。

「……くしゅんっ」

「クシャッ」

少女と猫が、ほぼ同時にくしゃみをした。
これだけ濡れればくしゃみも出るだろう、と僕は少女の方を見てハッとした。
服がずぶ濡れで、体のラインがはっきり出ているのだ。
華奢な体だと思っていたが、その小ささに似合わず意外としっかり出るとこが出ており、寸胴に見えていたのはパーカーの丈のせいだと……

「……」

「……フニャー」

僕の視線に歯向かうような視線が二つ光ったかと思うと、僕の顔にラインが二つ刻まれる。
それによって仰け反った僕の視線の先で、赤いパトランプが光ったのが見えた。



33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 18:37:50.49 ID:OIe+ZWtGo

パトカーの中で渡されたタオルでとりあえずは髪を拭きながら、僕は少し思慮を巡らせていた。
少女のためとはいえ、両親を大分心配させてしまっただろう。
後悔はしていないが、申し訳ない気持ちは大きい。
少女の方はと言うと、胸に抱いた猫をタオルで拭きながら俯いている。
警官が来た時、一瞬たじろぐような仕草を見せたのが気がかりだった。
やがてパトカーがたどり着いたのは、街の外れにある大きな屋敷。
詳しくは知らないが、とりあえずデカくて目に付く建物なので僕も視界に入れたことぐらいはあった。
まさか、とは思うが

「お嬢様!心配しましたよ、今まで一体どこに!?」

漫画やアニメでしか見ないようなメイド服を着た女性が飛び出してきたのを見て、僕のまさかはあっさりと破られた。
呼ばれたお嬢様、もとい少女は面倒くさそうに女性の方を見返して、それから僕の方を見た。

「……」

……

僕の視線と少女の視線がぶつかる。
何か言葉を待つような、そんな視線に僕は出来る限りの笑顔を作って

また、明日

そう、少女に言った。
僕の言葉に少女は、初めて見せる無邪気な笑みで

「うん、また明日」

そう答えた



35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 20:13:25.93 ID:OIe+ZWtGo

なんとなくそんな気はしていたけれど、次の日も、その次の日も、少女は現れなかった。
誰もいない河川敷でガムを膨らませて、しばらくして帰る。
明日は、明後日は、明々後日は、と。
僕には彼女を忘れる事なんて、出来なかった。



36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 20:19:11.92 ID:OIe+ZWtGo

気付けば苦手だったフーセンガムも、かつて少女が膨らませていたよりずっと上手く膨らませられるようになり、僕の背も大分伸びた。
僕がいつものように、河川敷に仰向けになりながらフーセンガムを膨らませていると、スッと僕の視界を影が覆った。

「……」

……?

目の前に立つ女の子は、うちの学校の制服を着ていた。
見たことない顔なところを見ると、新入生だろうか?
ガムを膨らませたままでは失礼と思い、僕はガムを口に戻す。
女の子は何か言いたげにこちらを見ているが、残念ながら僕に言えることは無く。



37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 20:32:40.99 ID:OIe+ZWtGo

……誰、ですか?

僕の返答に、女の子は呆気に取られた表情で固まる。
そんなに変な事を言っただろうか?と首を傾げた僕の視線、斜め下の辺りに見たことのある猫の姿。

「……せっかく会いに来てやったっていうのに……!」

僕の大好きな猫みたいな声が、目の前の女の子から発せられて、それに合わせて猫が飛び上がった。
そんな猫を僕は胸で受け止めて、河川敷の上に転がる。
久しぶりの再会に、ゴロゴロと喉を鳴らす猫を撫でながら女の子……いや、少女を見上げる。
もう少し年下と思っていたが、まさか先輩後輩ぐらいしか歳の差が無いとは。

「……遅くなってゴメン」

少ししおらしい表情の少女もまた可愛くて、そのままにしておこうかと思ったが、流石に可愛そうなので僕は笑いながら

別に?一年ちょっとぐらいさ

とだけ返した。
少女が今まで何をしていたかとか、そういうのが気にならないわけではないが、今は会えた事がただ嬉しい。

ガム、膨らませるの上手くなったんだよ

「……そっか」

食べる?ガム

「……うん、貰う」



38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 20:35:17.11 ID:OIe+ZWtGo

猫耳を外した少女はなんだか恥ずかしそうで、正直僕的にはあのパーカーの方が恥ずかしいと思うのだが。
二人でガムをはむはむとして、ぷくーっと膨らませる。
猫がそんな僕らを、遠目に見て「ニャー」と鳴いた。

「……あ」



少女が口にしていたガムが、ぽろりと下に落ちる。
どうやら少女の方は大分ガムとご無沙汰の生活をしていたと見える、力加減を間違えたのだろう。
僕がポケットに手を入れようとしたが、少女はそれを無視して

「ガム、貰うね」

と言って、顔を近づけてきた。
フーセンガムの甘い味が、口に広がる。



39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 20:40:22.69 ID:OIe+ZWtGo

僕のものだったフーセンガムをはもはもしながら、少女がこちらを向く。
ほんのり染まった頬が、さらに愛らしさを加速させる。

「……今年からよろしく、先輩」

うむ、任せろ後輩

僕も少女もしばらく空を見つめていたが、だんだん僕も口が寂しくなってきたので、ガムを貰う事にする。
そんな僕らを見かねてか、猫は「ニャウニャウ」と呆れたような声を出して去って行った。

これが僕と少女のなんてことはない再会。
今年からは、学校が楽しくなりそうだ。



40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/18(水) 20:50:23.80 ID:OIe+ZWtGo

まったり続かない



45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/19(木) 01:23:00.67 ID:YW5toWG5o

こっからは蛇足なので、読みたい方だけどうぞ



46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/19(木) 01:27:22.78 ID:YW5toWG5o

少女と……いや、彼女と感動的とも言えない再会をした後も、僕らは河川敷へ通っていた。
あの猫は彼女の飼い猫になったようだし、別にここで会う必要はないのだけれど、彼女にとっては特別な場所らしい。

学校はどう?慣れた?

「んー……ふつー」

話を聞いた所彼女は家出少女だったらしく、家出していた理由は「おばあちゃんがめんどくさかった」と話してくれた。
そんな彼女なので、クラスに馴染めるか僕は少し不安だったのだが……この前学校で見た彼女の様子を見る限り、何の問題もなかったようだ。



47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/19(木) 01:40:29.49 ID:YW5toWG5o

あれからしばらく会えなかったのも、そのおばあちゃんから外出を禁止されていたらしく、きちんと学校へ行くことを条件に解放されたらしい。
あの時パトカーによるのを嫌がっていたのはそう言う事だったのだ。

でも、あんな学校でよかったの?

「ん」

正直言うと、お世辞にも僕の学校はレベルが高いとは言えない。
そんな厳しいおばあちゃんなら、納得してはいないのではなかろうか。

「別に勉強はどこでも出来るし」

彼女は想像以上に凄い人物だったようだ。

「勉強分からなかったらいつでも聞いてね」

二年も下の相手に聞くのはどうなのだろう、とその時は思ったが、後日のテスト勉強で彼女の凄さを知ることになるのだった。



48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/06/19(木) 01:42:09.40 ID:YW5toWG5o

説明しきれなかった部分の補足終わり
イチャラブはまあ別の作品で機会があれば
ではいつかまた会いましょう

あの日までボクは、普通だった

1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/11(水) 22:50:38.63 ID:V0oZRo4io

「……はぁっ……はぁっ……」

キミの首筋に手を当て、力を込める
汗ばんだキミの手が、僕の顔へと伸びて

「……ふっ、ぅ……」

キミが僕へ、笑みを向けた
そこでふっと力が抜け、僕はその場にへたり込んだ

「……」

キミは無言のままで、僕の方へと歩み寄ると
そっと僕を抱きしめた

……温かい

「……うん、温かいね」
 
2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/11(水) 23:13:18.92 ID:V0oZRo4io

僕は昔から、よく顔に出ると言われていた
喜びや悲しみ、嫌悪まで分かりやすいらしく
トランプゲームで勝てた試しはない

……はぁ

今日も、頼まれ事が面倒だと思ったのが顔に出ていたらしく
相手に大分不快感を与えてしまったようだ
出しているつもりはないのに、出ているだとか
そんなこと言われても、僕には分からない

……にー

ガラスに映る自分の顔を、笑わせてみる
別に常にこんな顔でいろってことじゃないのは分かってる、分かっているのだけれど




3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/11(水) 23:57:15.07 ID:V0oZRo4io

……?

視線を感じて、振り返ると
同じクラスの……名前は忘れた
とりあえず女子が、こっちを見ていた

「……」

目の下の隈が目立つその子は、僕を一瞥すると去って行った
何か言いたいことがあったのだろうか?
まさか、また話しかけづらい顔をしていたのか……と
僕は表情をむにむにしてみる
頑張って普通にならないと、と思う




4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/12(木) 00:19:29.02 ID:sTdQO3Nzo

……はぁ

僕が悪い、僕が悪いのだ
こんな顔しか出来ない、僕が
頭の上から出かかった感情を、何とか飲み込み
自分の頭をガシガシと掻くことで何とか発散する

……?

また、視線を感じた
うっすらと笑みを浮かべ、こちらを見つめる視線
僕に何か用なら、話しかけてくればいいのに
今日もそのまま、立ち去ろうとする




5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/12(木) 00:29:16.67 ID:sTdQO3Nzo

……ま、待って!

その子の背中を追って行くうちに
だんだんと人気のない校舎の裏の方へと進み
気付けば日差しも陰る位置まで来てしまっていた

……っ

暗がりで光るその子の瞳が、僕の瞳と重なる
どこまでも吸い込まれていきそうな、真っ黒い瞳

「……何か用?」

小さな声で聞き取り辛かったが、その子は確かにこちらを向いて声を発した
何か用、って……それはこちらの台詞なのだが




6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/12(木) 00:33:04.64 ID:sTdQO3Nzo

「……」

無言のまま、立ち去ろうとするその子
僕は咄嗟に出した腕で、それを阻む
自分でもびっくりするほどに俊敏で、無意識のうちの行動

……あ、あの、その……

行ってほしくない、行ってほしくない一心で

「……っう」

僕はその子の首元へと、手を伸ばした




7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/12(木) 00:34:02.52 ID:sTdQO3Nzo

続く




11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/12(木) 12:51:07.84 ID:sTdQO3Nzo

自分の腕に、自分のものとは思えぬ力が加わり
目の前の対象を逃がさないように、ギリギリと締め上げる

「がっ……ふ」

対象がもう一度、声を漏らしたところで、体が僕の意識下へと舞い戻る

……っ!!

すぐに手を離し、女の子を突き放す
元々貧弱そうな体が、どさりと地面に横たわった

はぁ……はぁ……

まるで僕の方が首を絞められていたかのように、息が荒くなる
なんてことをしてしまったのだろうか
感情的になりやすい自覚はあったが、まさかここまでの事をする人間だとは自分でも思っていなかった
じっとりとした手に、まだ生暖かい感触が残っている




12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/12(木) 13:04:35.70 ID:sTdQO3Nzo

「……」

ゆらり、と女の子が立ち上がる
僕はビクリと肩を震わせて、後ずさる
逃げようかとも思えないほどに、足が竦んで動けない

あ……ぅ

女の子と頬が触れて、唇が耳たぶに触れそうなほど近寄る
このドキドキは、さっき自分がしてしまったことへの動揺だけではない気がした

「――――」

耳をこそばゆい感触が通り抜け
そのまま女の子も、僕の隣を通り抜けて行ってしまった

……

僕は彼女が言った言葉を、繰り返す

……ま、た?




14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/12(木) 23:36:10.98 ID:sTdQO3Nzo

……

結局、昨日は一睡も出来なかった
浮かんでは消えるあの子の最後の言葉が、あなたを眠りに落ちるのを妨げるのだ
また、と彼女は言った
あんなことをされておいて、またなどと言えるなんて……一体どんな神経をしているのだろう
あんなことをした僕が言えたことではないのかもしれないが

……あれ、いない

確かあの子は同じクラスだったはずだ
なのに、教室を見回しても姿が見当たらない
誰かに聞こうにも、あの子の交友関係など知る由も無く
とりあえず確実であろう担任に所在を聞いてみる

「ん?あー……多分、保健室にいるんじゃないか?」

教師から帰ってきたのは、話半分の返答
まぁ、自分も同じ質問をされたら似たような反応をしてしまうだろうし気にはしなかったが




15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/12(木) 23:50:00.19 ID:sTdQO3Nzo

失礼、します

保健室に入ることなど滅多にない僕は、何故だかこの部屋に妙な緊張感を感じてしまう
別に健康な奴は入室禁止、などとルールがあるわけでもないのにも関わらずだ

誰も、いない……?

シーンと静まりかえった保健室は、人の気配を感じさせず
いつもニコニコと愛想を振りまいている保健室の先生すら見当たらない

……ん

ベッドにいる人を隠すベールの向こうに、人影が見えた
性別まではハッキリとしないが、こんな時間に保健室にいるのは大抵元からこの場所にいる者だけだろう

……

なぜか忍び足になり、変に緊張しながら僕はベールの向こう側へと歩を進める
見えた影から考えて、どうせこちらの動きは筒抜けだと言うのに
滑稽にも僕は隠れている『つもり』になりたかったのだろう




16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/13(金) 00:00:22.30 ID:oMXy2irYo

「……誰?」

ほんの小さな音だったが、静まりかえった保健室では十分な大きさを持ったその声は
僕の耳へと届き、僕の体をビクリと震わせた
シャーッとベールが横へ動くと、正に予想通りの姿がそこにあった

「……なんだ、キミか」

『なんだ』に込めた意味は落胆なのか、それとも安堵なのか
そんな些細なことまで気にしてしまう僕は、やっぱり普通じゃないのだろうか

「……ねぇ」

くだらない思案を巡らせていた僕の首元に、そっとその子の手が伸びてきた
そのままくるりと僕の首の後ろで交差し、またあの時のようにこそばゆい感触が耳元に広がった

「―――『また』なんでしょ?」

背中にゾクリ、と冷水を掛けられたような感覚が襲って
彼女がそっと僕の首から手を離した

「……ふふ」

ボクは普通になろうと思っていた
その気持ちに嘘は無い、と今でも思っている




18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/13(金) 20:47:52.93 ID:oMXy2irYo

指先に感じる温もりは、決して居心地のいいものでは無く
かといって気持ちが悪いわけでもない、不思議な感覚
目の前のその子も拒絶するわけではなく、かと言って享受するわけでもなく
ただ、あるがままを受け入れている

「……っ」

小さな声が彼女の口から漏れるが、今度の僕は手を離さない
と言うよりは、何かに取りつかれたように手を離せなかった




19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/13(金) 21:31:00.60 ID:oMXy2irYo

「……っけほ」

彼女の爪が僕の手に刺さったところで、僕の手が彼女から離れた
クールな彼女の額に浮かぶ汗と荒い息使いが、非常に艶めかしい

「……満足、した?」

小さく笑みを湛えて、彼女がそう口にする
僕は自分の手をぐーぱーして、残る感触を確かめて
こくり、と小さく頷きを返した

「……そっか」

彼女は満足そうにそう言ってぽふんとベットに戻ると、すやすやと寝息を立て始めた
そんな彼女の姿を見て、僕は小さく溜息を吐いた
自分の姿を昨日の自分が見たら、一体何と言うだろうか……

……何も言わないだろうな、きっと

僕はもう一度彼女の方を見て、教室へ戻った




20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/13(金) 21:51:30.18 ID:oMXy2irYo

異常な関係だという、自覚はあった
だが、彼女の首に手を回す度にそんなことはどうでもよくなって

「……ふふ」

彼女の芝居ががった笑みの魅力に取りつかれてしまったように
僕は何度も彼女に会いに行った




23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/14(土) 01:13:47.78 ID:gznmFIQ8o

はぁ……はぁ……

「……けふ」

今日もまた、彼女に会いに来た
大体会うのは保健室だったが、今日は最初に会った校舎裏
誰かに見られたら、きっと先生を呼ばれてしまうだろう
そうなったらどうしよう?と以前の僕なら考えていたはずなのに

……やり過ちゃった?

「……ううん、平気」

今は何故か、誰かに見られても平気な気がしていた
幸いな事に今まで見つかってないが




24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/14(土) 02:06:33.79 ID:gznmFIQ8o

「……」

……

服の乱れを直し、キミが立ち上がる
相変わらず異常な関係の僕らだが、僕はもう少し前へ進んでみたかった
だけどそれを言ったら、この関係が全て崩れてしまう気がして

「……どうしたの?」

ううん、なんでも

この関係がずっと続く保証なんて無いけれど
臆病な僕は前に進めなかった




25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/14(土) 02:17:17.13 ID:gznmFIQ8o

……あれ

教室に、彼女の姿が無い
たったそれだけのことで、ここまで焦燥感を覚えてしまう自分がいる事に気付いたのは
担任が彼女の名を呼んだ時に、めんどくさそうな顔をしたときだ

……

そわそわと落ち着かない
すぐにでも教室から出て、彼女の家へ行きたいぐらいだ
家へ行って……行って何をすると言いうのだろう
学校を休むほどの体調の相手を、さらに追い込むとでも?
本格的に異常者になりつつある自分に恐怖さえ覚える

……でも

キミがそれでいいなら、僕はそれでいい




26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/14(土) 02:29:04.91 ID:gznmFIQ8o

「お前、あいつと仲良かったよな?」

教師からプリントを渡された時に言われた一言で
意外と他人の視線と言うのは、感じていないだけであるのだと痛感させられた

……ここか

変哲もないマンションの一室、ここが彼女の部屋らしい
あれだけの事をしていて今さらなのだが
女の子の家を訪問する、というだけで変に緊張してくる

……

覚悟を決めて、チャイムを押す
少し待つが、反応が無い
二度、三度とチャイムを押してから確信する

これ……壊れてる




27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/14(土) 02:47:21.09 ID:gznmFIQ8o

鍵が開いてなければ、帰ればいい
グッと力を込めると、何の抵抗も無くノブが回る

……不用心だな

これはチャイムが壊れているせいだ、そうなんだ
そう誰にするわけでもない言い訳をして、ドアを引く
他人の家独特の匂いの様な物を感じつつ、僕は玄関へと歩を進めた
どうやらワンルームらしく、一本の通路にトイレと思しきドアと台所が見えた
台所の様子を見るに、あまり自分で料理などはしないようだ

(というか、一人暮らし?)

かさり、と物音がして
僕の背後に、人の気配がした
さっきまで全然しなかったのに、だ

「……誰?」

静まり返った部屋に、聞きなれた確かな声
普段見たことの無い、着崩した私服姿のキミがいた




29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/15(日) 01:07:45.99 ID:Vslkpuijo

ほとんど反射的に、僕は飛びかかるようにキミの方へ近づく
キミは驚きもせず、僕をそのまま受け止めて
そのままどすんと床に倒れ込む

「……痛いな」

……ごめん

キミの冷たい手の平を感じながら、僕は謝罪を口にする
もちろん気持ち半分で、だが




30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/15(日) 01:12:54.15 ID:Vslkpuijo

「突然家まで来るなんて、凄く驚いたよ」

全然驚いていないようにしか聞こえない声で、キミが言う
そうだ、プリントを渡すのが目的だったのだ
僕は鞄を開くために、手を引こうとした

……?

「……ふふ」

イタズラっぽく笑いながら、キミは僕の手をぎゅっと握り返した

「ここまでしておいて、まさかその手を離そうってわけじゃないよね?」

……

どこまでも、どこまでも奥が見えない瞳に
僕の心が、どんどん吸い込まれていく
そして、まるで誘われるように僕の手がキミの首へ伸びて……




31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/15(日) 01:21:05.69 ID:Vslkpuijo

……っ

「……?」

僕は伸ばした腕を、そのまま首の後ろへ回し
キミが最初に僕にしてくれたように、ぎゅっと抱き締めた
顔を近づけた時、一瞬見えたキミの顔は
今まで見たことの無い、少し驚いた時の顔
もしかしたらキミは、僕にこんな事望んでなどいないのかもしれない
幻滅されてしまったら、もう二度と会えない可能性だってある
それでも、僕は……僕は




32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/15(日) 01:33:14.98 ID:Vslkpuijo

「……温かいな」

しみじみと味わうように、キミが小さく呟いて
僕の背中にくるりと、さも当たり前のようにキミの腕が巻きついてきた
ひんやりとした感触が背中に伝わって、だんだんキミの手も温かくなっていく

……うん、温かい

そのまましばらく、僕らは抱き合っていた
時間だけが、ゆっくりと過ぎていく




33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/15(日) 02:28:21.76 ID:Vslkpuijo

どのぐらい時間が過ぎただろうか
いや、実際はそこまで経っていないかもしれないが
僕は名残惜しみながらキミから離れると、鞄からプリントを取り出した
少し不満げに僕の方を見ながら、渡されたプリントを眺めると
そのままくしゃりと丸めて、ポンと部屋の端へ放った

「……」

……

一旦落ち着いてしまうと、自分がやったことが頭の中でぐるぐる回りだす
他人の家に押し入って、その家にいた人を押し倒して
字面だけ見れば、完全に犯罪者だ

「……もう一度、いいかな」

……ん

水を差された事を攻める様に、今度はキミの方から腕を絡め
そのままお返しとばかりに僕の耳を噛む
ゾクリと背中が震えて、その振動がそのままキミに伝わり

「たまにはキミがやられてみるのもいいんじゃないかい……?ふふ」

そう、耳元で囁かれてまたブルリと体が震えた
さっきので不意を付いたと思ったが、まだまだキミの方が上手らしい




35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/16(月) 02:55:38.52 ID:Kcj+csRgo

あのプリントの日から、数日過ぎたが相変わらず学校での僕らに大きな変わりはなく
変わった事と言えば、キミが教室で僕の隣にいる事だろうか
何故保健室通いをしていたのか、結局分からずじまいだったが
別に知る必要もないことだと僕は気にしないことにした

「なんだか新鮮な気分だね」

キミが僕に向けて、微笑みかける
みんなが見ている前だと少し気恥ずかしい

「大丈夫、意外と他人の事なんて気にしてないものさ」

キミの顔が近づいて、僕の頬に軽く口付けた
ぱくぱくと魚のように口を動かす僕を尻目に、キミは席へと戻って行った

……性格、変わった?

いや、元からこうだったのかもしれない
こういうことが出来る相手を、探していたのだろうか




36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/16(月) 03:27:20.19 ID:Kcj+csRgo

「……っふ、う」

……ふぅ

今日も校舎裏で、僕らは行為を重ねる
大分頻度は減ったものの、未だに続けてしまっている自分が怖い
受け入れられたはずなのに、こうして握りしめていないとどこか遠くへ行ってしまう気がして


「……離さないでね」


キミが少し不安そうに僕を見て、そう言ったあの日
僕は絶対にキミを離さないと決めた
だから僕はもう、普通でなくていい




37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/16(月) 03:27:54.79 ID:Kcj+csRgo

終わり

後輩「あ、先輩。今日もお疲れ様です」

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 23:46:18.90 ID:s1PQExDg0
男「やぁ、お疲れ様」

後輩「今日も地球を救ってるんですか?」

男「うん、そう」チョロチョロ

後輩「ジョウロ片手に言っても、いまいち締まりませんね」クスクス

男「ははは、違いないね」

後輩「それにしても、最近暑いですね……暑いのは苦手です」

男「異常気象ってこういうの言うんだろうねー。よし、終わり」

2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 23:53:11.64 ID:s1PQExDg0
後輩「先輩、これから暇ですか?」

男「んー、まぁ……いつも通りかな」

後輩「それじゃ、一緒に帰りませんか?」

男「んー、そうだね。いつも通りにしようか」

後輩「駅前のゲームセンターに寄り道しましょう!」

男「……それはいつも通りじゃない気がするけど?」

後輩「気にしない気にしない……新しいのが出てるから今日行きたいんです」

男「……まぁ、眺めるのは好きだから構わないけど」

後輩「やったー!さ、行きましょ行きましょ!」


3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 23:56:55.19 ID:s1PQExDg0
ジャララララ  ジャラララララ

男「相変わらずうるさい場所だなぁ……」

後輩「えーっと……あった!ありましたよ、先輩!」

男「ありましたよ、と言われても……」

後輩「これはアーケードシューティングの最高峰で……とりあえずやりましょう!」

男「え?」

後輩「ほらほら、早く100円を出してください!」

男「眺めてるつもりだったんだけど……まぁいいか」チャリン


4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 00:01:18.52 ID:s1PQExDg0
後輩「……(ガシャン バシバシッ)」

男(凄い表情で食い入るように画面を見てるな……よほど面白いんだろう)ガチャガチャ

後輩「あ、先輩危ない!(ポチッ」ボガボガーン

後輩「もー、先輩……もうちょっとでやられてましたよ?」

男「……申し訳ない」

後輩「……くっ……はっ!」ガチャガチャガチャガチャ

男「よっと……ほっと」がちゃん  がちゃん


5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 00:08:08.23 ID:s1PQExDg0
デレレレーン  ギャギャギャギギィ

男「なんかデカイの出てきたな」

後輩「こいつがラスボスですよ、ラスボス!」ガチャガチャ

男「おー、こいつで最後かー」かちゃ がちゃ

ビビビビビビ ピキューン ピキューン

ぐりんぐりん ぐるんぐるん

後輩「やっと最終形態……絶対倒すぞー!」ガガガガガ


6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 00:14:09.58 ID:s1PQExDg0
ボボボボボ   ボガーン
テーレーテレーレー♪

後輩「やったー!クリアだー!」グッ  パチパチパチ

後輩「……て、あれ……?」キョロキョロ

モブA「まさか今日でた新台をいきなりクリアするとは……」

モブB「これはいいもん見させてもらったなぁ」
ぞろぞろ…… ぞろぞろ……

男「大人気だねー、羨ましいよ。おめでとう」

後輩「……せ、せんぱい!か、かえりましょう!」(は、恥ずかしいっ!)ダッ

男「うん、そうしようか」タタタッ

モブA「よし、今度は俺が挑戦だぁ!」チャリン  ボガーン


7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 00:21:37.57 ID:s1PQExDg0
後輩「はぁ……はぁ……」

後輩(つ、つい我を忘れてしまってた……恥ずかしい……)

男「あ、そういえば」

後輩「え?何か忘れ物ですか?」(戻りたくないよー……)

男「名前入れるの、すっかり忘れてたね」

後輩「そ、そんなことですか……ははは」(よかった……)

男「せっかくクリアしたのに、勿体無いな……」

後輩「大丈夫ですよ。またクリアすればいいんですし」

男「あー、それもそうか」


8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 00:26:37.94 ID:s1PQExDg0
後輩「それより……すいません、先輩」

後輩「誘っておきながら、私だけが楽しんでしまって……」

男「んー……ほれ」スッ

後輩「え?あひゃい!?」ひんやり

男「走って疲れたでしょ?どうぞ」

後輩「あ、あの……」

男「楽しめた?さっきのゲーム」

後輩「え?あ、はい……凄く」

男「100円でエンディング見せてくれてありがと。感謝してるよ」

後輩「……ありがとう、ございます」ゴクゴク


9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 00:34:35.91 ID:s1PQExDg0
男「さて……結構あそこにいたみたいだね」

後輩「え……って、もうこんな時間だったんだ……」

男「俺は帰るけど、送っていこうか?」

後輩「いえ、大丈夫です。ここからそんなに遠くないですし……」

男「そっか、くれぐれも気をつけてね。じゃ」


後輩「……さて、私も急いで帰ろっと」


10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 00:47:40.79 ID:s1PQExDg0
後輩「今日を思い返してみると……はぁ……」

後輩「いつも通りとは言え、また先輩を蚊帳の外に……」ボフン

後輩「ゲーム始めると止まらないんだよなー、どうも」

後輩「だからと言って、他に誘う場所も浮かばないしなぁ……」ゴロゴロ



男「……」ピコピコ ボガーン

妹「おにいちゃーん、ご飯だよー……って、あれ?」

男「ん、ご飯出来たのか。今行く」

妹「お兄ちゃんがゲームしてるなんて珍しいね……なんかあった?」

男「いや、別に」ピッ スタスタ


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 01:12:46.57 ID:s1PQExDg0
後輩「明日は、どこにも誘わないで普通に帰ってみようかな?」

後輩「……そういえば、今までゲームセンターとかに誘ってばっかだったな」

後輩「よし、そうと決まれば……おやすみ!」バサッ


男「……」ピコピコ

妹「えい、やぁ」ピコピコ ピキュンピキュン

男「……あ」ボガーン

妹「おにいちゃん……すっごく下手!」

男「も、もう一回だ……」


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 01:36:55.77 ID:s1PQExDg0
チュン  チュチュン

後輩「ん、んん……はっ!」ガバッ

後輩「ええと時間は……えっ、もうこんな時間!?」

後輩「あーもー!お母さん!」

後輩母「あら、どうしたのそんなに急いで」

後輩「なんで起こしてくれなかったの!」

後輩母「え、今日は学校お休みでしょ?」

後輩「え……あ、そうだった……よかったー、焦って損したよ……二度寝しよっと」



後輩「っていう、夢を見たの」

後輩友「なるほど、だから遅刻してきたのか」


14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 01:43:20.19 ID:s1PQExDg0
男「……うぐ」フラフラ

男友「おいおいどうしたんだよ、ふらふらじゃねーか」

男「……昨日、少々徹夜してしまって」

男友「お前が徹夜……?今日の小テストの勉強でもしてたのか?」

男「……いや、ゲームをしていた。小テストあったな、そういえば」

男友「……大丈夫なのか?それで」

男「いつも、通りさ」

男友「あー、はいはい。いつも通りな」


15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 01:56:49.54 ID:s1PQExDg0
後輩「よーし、今日こそ先輩と普通に帰るぞー!」

後輩友「あらあら、何か気合入ってるねー、今日は」

後輩「ん?」ブー ブー 「メール……あ、先輩からだ」

男『すまないが、補習を受けるハメになっってしまった。地球は君の手で守って欲しい』パタン

後輩「はーあ……今日はダメっぽそう、かな?」トボトボ

後輩友「私も手伝うから、気を落とさないで……」タタッ


16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 02:00:27.28 ID:KZxgXSiH0
久々に良いSS
設定がというか書き方が
がんばって


17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 02:13:32.29 ID:s1PQExDg0
男「大分居残りさせられた……日が落ちかけてきてるし」

男「しかし、あそこまで酷い結果になるとは思ってなかった……」

男「……あれ?」

後輩「あ、先輩。お疲れ様でした」

男「後輩……帰ってなかったのか?」

後輩「私が地球を、守らないといけませんからね」エッヘン

男「……ホース握り締めながらだと、締まらないな」ククク

後輩「……いつも先輩がそうなんですよ?」クスクス


18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 02:20:39.17 ID:s1PQExDg0
後輩「先輩、この後お時間あります?」

男「んー、いつも通りだよ」

後輩「それじゃ……今日は、普通に帰りませんか?」

男「普通に……」

後輩「いつもゲームセンターとかに誘ってばかりなので、普通に帰りましょう!」

男「後輩は、それでいいのか?」

後輩「私から言い出して、私がダメってあると思います?」

男「……それもそうだな」

後輩「じゃ、私ホース直してきますねー」タタッ


19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 02:31:13.70 ID:s1PQExDg0
男「……」スタスタ

後輩「……」トコトコ

後輩(い、いざ普通に帰ってみると……何を話していいのか分からない!)

男「……後輩」

後輩「え、ひゃい!?」

男「……今日はありがとう、助かったよ」

後輩「い、いえ……もう慣れました!」

男「……」ショボーン

後輩(こんなこと言うはずじゃ……あうぁ)


20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 02:40:55.03 ID:s1PQExDg0
後輩「あ……私の家こっちなんで」

男「ん、そうか」

後輩「では、先輩。また明日」

男「ああ、またな」



後輩(結局何にも話せなかった……)

後輩(なんでこうなのかなぁ、私……) 「はぁ……」トボトボ


男「……」

妹「おかえりー……って、おにいちゃん?どうしたのそんな顔して」

男「……いや、別に」トボトボ

妹「??」


22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 02:57:10.86 ID:s1PQExDg0
後輩友『で、ぜーんぜん話せなかったどころか、先輩の弱いとこ突いちゃったと』

後輩「うん……」

後輩友『あんたねぇ……気にしても仕方ないでしょうが』

後輩「え?」

後輩友『あんたがうーじうじしてたら、今日の言葉が取り消せるわけ?』

後輩「……」

後輩友『明日せっかく休みなんだから、遊びに誘ってみるとかしてみなよ』

後輩友『少なくとも、いじいじしてるよりはマシだと思うけど?』

後輩「……ありがと、友」

後輩友『当然のこと言ってるだけ。感謝されるほどでも無いってのー』

後輩「……そっか」

後輩友『じゃ、頑張ってねー。ひそかに応援してるから、ね』ピッ


23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 03:04:35.40 ID:s1PQExDg0
後輩「友はああ言ったけど……休日に遊び誘ったことなんて無いんだよな……」

後輩「……あーもー!悩んでも仕方ないっての!」ガバッ

後輩「ここは……行動あるのみ!」

ツー ツー ツー

後輩「あれ……?通話中……?」ピッ

ツー ツー ツー

男「ん……通話中なのか」ピッ


24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 03:19:06.50 ID:s1PQExDg0
後輩「なんか凄く出鼻を挫かれた感じが……」

後輩「いや、諦めちゃダメだ!」ピッ ピッ

プルルルル  プルルルル

男「ふぅ……落ち着くな」カポーン

男「今日のあれで後輩は楽しかったのか?女心というのはよく分からないな」

プルルルルルル

妹「あれ?おにいちゃんの携帯鳴ってる……でも、おにいちゃんお風呂だし……」ピッ

妹「はい、もしもしー?」

後輩(え、え、え?女の子の声……?)


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 03:30:25.38 ID:s1PQExDg0
妹「……?どちら様ですか?」

後輩「え、えとえと……その……」

男「おい、コラ!」ポコン

妹「あいたっ!あ」ヒョイ

男「はい、もしもし」

後輩「あ、あのそのえとあの……先輩!」

後輩「明日、私と一緒に出かけまひぇんか!?」

男「ん、あ、あぁ……構わないが」

後輩「ひゃい!ありがとうございまひゅ!」プツッ

男「あ、おい……切れた」

妹(……)ソロー ガッ

男「……」 妹「……ごめんなさい」


26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 03:57:27.16 ID:s1PQExDg0
後輩「……誰だったんだろ、あれ」

後輩「先輩の彼女……とか?いや、そんな……」ボフ

後輩「多分、妹とかそういうのだよ、うん、きっとそう、うん」

後輩「……お風呂、入ってこよう……」トボトボ


プルルルルルッル
男「んー……繋がらないな」ピッ

妹「い、いたひ……」

男「これに懲りたら二度とするんじゃないぞ」

妹「肝に命じておきます……はい」


27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 04:13:31.73 ID:s1PQExDg0
チュン  チュチュチュリン
後輩「……」

後輩「あの後、気付いたら寝ちゃってたな……」パカ

後輩「あ、先輩から電話きてた……最悪」

後輩「あーもーあー!!」ワシワシワシ

後輩「……バカやってないで、早く準備しなきゃ」とてとて


男「……朝、か」

男「結局繋がらなかったな……電話」

男「んー……」ボリボリ

男「ま、とりあえず準備かな」どたどた


35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 13:37:40.41 ID:s1PQExDg0
後輩「よし……これでOK、かな?変じゃない……よね」

後輩「あ、そういえば……待ち合わせ場所決めてなかった……」パカ

後輩「……昨日あんな感じで電話切っちゃったし、ちょっとかけにくいな……」

プルルルルルル

後輩「!!」ピッ 「は、はい!」

男「おはよう、後輩」

後輩「お、おはようございます、先輩!」

男「今日の待ち合わせ場所はどこなんだ?昨日聞くのを忘れていた」

後輩「え、えと……駅前のゲームセンターに……10時くらいで」

男「ん、了解。それだけだった、じゃ」ピッ


後輩(……電話だと緊張して話しにくいや……なんでだろ)


36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 13:58:57.44 ID:s1PQExDg0
後輩「……はっ……はっ」タタタタッ 

キキキキィィィ

後輩「せ、せんぱぁい!お、おはようございますぅ……」

男「ん、おはよう。随分と大変だったみたいだね」

後輩「は……はい……」(あーだこーだと考えてたらいつの間にか……)

男「ま、こっちもさっき来たばかりだから急がなくて大丈夫だったけどね」

後輩「そ、そう……でしたか……」はぁはぁ

男「……落ち着くまで、座ろうか」

後輩「は、はい……すいません……」


37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 14:04:56.52 ID:s1PQExDg0
後輩「先輩って、妹さんいたんですか……昨日はびっくりしちゃいました」

男「ほんと申し訳ないな。きつく言い聞かせておいたから許してやってくれ」

後輩「い、いえ……私はてっきり……」

男「てっきり?」

後輩「……な、なんでもないです!」

男「ふーん、そうか。で、そろそろ落ち着いたか?」

後輩「はい、大丈夫です……ほんとお時間取らせちゃってすいません」

男「お金取られてないから構わないさ。じゃ、行こう」

後輩「はいっ!」


39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 14:13:01.14 ID:s1PQExDg0
ジャララララ ジャララララ
男「こっちは大型だけあって音も凄いな」

後輩「やっぱり、こういうとこ苦手ですか?」

男「大きい音は苦手だけど……ゲームが嫌いなわけじゃないから心配しなくていい」

後輩(そ、そうだったんだ……ゲーム自体が嫌いなのかと思ってた)

男「今日はどんなゲームするんだ?」

後輩「えっと、そうですね……」(アーケード系は独りの世界に行っちゃうから……)

後輩「こんなんどうでしょう?」ビシッ


40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 14:19:36.70 ID:s1PQExDg0
男「なるほど、こういうのも悪くないな」バン! バン!

後輩「は、はいぃ、で、で、ですねぇ……」(ひ、ひいええええ!!)プルプル

男「こういうの、好きなのか?」バババン!

後輩「え、えと……初めてです、今日が」(あ、頭が飛んだぁぁぁぁ!!)

男「そうか……っと」ガリッ

後輩「ひっ!」(画面が血でまっかっかに……)

デレレレーン  GAME OVER

男「あ、終わっちゃったな」

後輩「や、やっぱり初めてだと、む、難しいですね……」(や、やっと終わった……)


41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 14:27:25.57 ID:s1PQExDg0
後輩「今日は少しゲームを見て回りませんか?先輩もゆっくり見たことないですよね?

男「んー、そうだな……たまにはいいかもしれない」

後輩「私、飲み物買ってきますよ!何がいいですか?」

男「後輩は、何が飲みたい?」

後輩「私ですか?私は……コーラですかね」

男「ん、了解した。ここで待っててくれ」スタスタ

後輩「……あれ?」


43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 14:47:34.05 ID:s1PQExDg0
男「クイズゲームか……最近はこんなゲームもあるんだな」

カード発行 一枚『300円』

男「ん、カードが必要なのか?」

後輩「カード無しでも出来ますけど……せっかくだし私のカード使いましょう」スッ
ピローン  レベル50

男「結構レベル高いんだな」

後輩「一時期ハマってやってたんで……あ、始まりますよ」

問題『漫画家手塚治虫の作品で無免……』ピローン

男「問題最後まで言ってないぞ?」

後輩「今のとこまで聞けば分かりますよ。『ブラック・ジャック』と」
ピロリローン 正解!

男「おー」


44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 15:02:03.48 ID:s1PQExDg0
問題『もしあなたが、それを十分に愛するなら。どんなものでも、あなたに話しかけてくれるでしょう。
という言葉を残した、アメリカの植物学者は誰でしょう?』

後輩(うぐ……名言とか苦手なんだよね……さっぱりだ……)ぴと

後輩「へっ!?せ、せんぱいっ!?」(先輩の手が私の手の上に……)

ピローン

男「『ジョージ・ワシントン・カーヴァー』」
ピロリローン  正解!

後輩「す、すごいです先輩……」ドキドキ

男「十数問の中で一問だけ出来て凄いなら、後輩は超人だな」スッ

後輩(あ、手が離れちゃった。もうちょっと……なんてね)


46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 16:03:11.27 ID:s1PQExDg0
『結果発表 一位!』 テレーン

後輩「やった、やりましたよ先輩!」

男「まぁ、ほとんど後輩が正解してたがな」

後輩(やば……また私一人で楽しんでたかな……)

男「よっと」チャリンチャリン ピーッ

後輩「あれ?先輩何してるんですか?」

男「結構面白かったから、カードを作っておこうかと」スッ

男「今度は二問ぐらい解けるように頑張っておくよ」

後輩(今度ってことは……) 「はいっ!」ニコニコ


47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 16:26:14.17 ID:s1PQExDg0
男「そういえば……お昼どうするか決めてる?」

後輩「……そういえば、考えてませんでした」

男「この辺なら飲食店も多いし、大丈夫かな」

後輩(……現在の財布の中は……あれ、300円…!?つ、使いすぎた……)

後輩「あ、の……せ、せんぱい……」

男「ん?どっかオススメがあるの?」

後輩「ごめんなさい……お店で食べれるほど、お金が無いです……」

男「いや……おごるから気にしなくても」

後輩「わ、私が気にするんですっ!そ、そうだ……私の家で食べましょう!」

男「……え」


48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 16:37:32.24 ID:s1PQExDg0
男「……意外と遠くないんだな」

後輩(い、勢いで呼んじゃったけど……どうしようどうしようどうしよう!)

男(二階建てかー、なかなかいい家だな)

後輩「あ、あの先輩!あ、あがっちゃってください!」ガチャリ

後輩母「あらあんた、帰ってきたの……って」

後輩(し、しまったー!今日お母さん家に……)

男「どうも、お邪魔します」

後輩母「あらあら……彼氏連れて来るなら言ってくれなきゃ……」

後輩「ちがーっう!!」


50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 16:55:47.65 ID:s1PQExDg0
後輩母「すいませんねぇ、突然でこんなものしか準備できなくて」

男「いえ、凄くおいしいですよ」

後輩「お母さん!静かにしてて!」

後輩母「あらあら……怖い子ねぇ」

男「……」モグモグ


後輩母『あの人、彼氏じゃないならなんなの?』

後輩『学校の先輩だよ……変に勘繰らないで、お願いだから』

後輩母『なかなかかっこいいじゃない。どっか抜けてる感じがするけど』

男「……あの」カチャカチャ

後輩「か、片付けはしますから大丈夫ですよっ!」あたふた


52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 17:17:40.45 ID:s1PQExDg0
男「……」ジャー フキフキ

後輩「えと、休んでて構わないんですよ?先輩」カチャカチャ

男「ご馳走になっておいて、それは出来ないな」

後輩「……ですか」

男「おいしかった、ありがとう」

後輩「え?」

男「後輩も作ってたんだろ?さっきいなかったし」

後輩「えと、あの、その……ありがとうございます」

男「いや、俺は食べてただけ」フキフキ


54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 17:52:47.71 ID:s1PQExDg0
男「よし、終わったな」

後輩「あ、ありがとうございました、先輩」

男「だから、ありがとうはこっちの方だって」

後輩「え、えとえと……これからどうしましょう……」

男「んー……どうする?」

後輩「駅前に戻るのは面倒だし……そうだ!」ばたばた

後輩「これで遊びましょう、先輩!」ジャーン

男「うお……随分と古いのが出てきたな」

後輩「うちではまだまだ現役ですよ、こいつは」フー フー ガシャン


55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 18:01:03.81 ID:s1PQExDg0
後輩「……はっ、とっ」
『しょーりゅーけんっ!』『どすこーい!どすこーい!』
『はどぅーけんっ!』『どすこい!どすこい!どすこい!』
『ウーワッ ウーワッ ウーワッ ドサ』

男「……格闘ゲームも出来るんだな」

後輩「子供のときこれしか無かったんで……やりこみましたよ」

『どすこい!どすこい!どすこい!』

男(横綱みたいな奴が車に向かって猛烈な張り手を繰り出している……)

後輩(よく考えたらこの光景シュールだな……ってか)

後輩(また私一人で楽しんでるっ!?)ガーン


56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 18:32:10.32 ID:s1PQExDg0
後輩「あのっ、先輩もやりましょう!」

男「んー……やったことないんだよな、格闘ゲームは」

後輩「操作方法教えますから……ダメですか?」

男「ま、何事も経験だろうな」スッ

後輩「え、えと……このボタンがパンチで……」

男「なるほど、ここがキックか……」

後輩「で、十字キーを↓\→で……」


後輩母(あらあらあの子ったら、目を輝かせちゃって……ふふふ)


57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 18:52:09.59 ID:s1PQExDg0
男「なるほど……やってみるか」

後輩「一人プレイで練習してみるといいですよ」

男「ん、そうだな」ピコピコ

後輩(先輩が選んだのは……)

『くにへかえるんだな、おまえにもかぞくがいるだろう』

後輩(適当に選んだだけ、だよね……?)

男「……お、っとと」ポチ ポチ

『ブーン!ブーン!ブーン!』

後輩(そういえば、人がゲームしてるとこ眺めるなんて初めてな気がする……なんか新鮮)


59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 19:12:59.18 ID:s1PQExDg0
男「なんか適当にやってたらクリアしてた」

後輩「先輩、凄いです!いきなりでクリアできるなんて」

男「んー、そうなのか?」

後輩「筋がいいんじゃないですかね……きっと上手くなりますよ!」

男「そうだったらいいんだが……っと、外が暗くなり始めてるな」

後輩「あれ?もうそんな時間でしたっけ……」

男「結構お邪魔しちゃってたみたいだな。そろそろ帰るとするよ」ガタン

後輩「あっ……今日は楽しかったです、凄く!」

男「今度は俺から誘わせてもらうよ。じゃあ」バタン


60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 19:19:12.78 ID:s1PQExDg0
男「ただいまー」

妹「おにいちゃんおかえりー……って、なんでそんな嬉しそうな顔してんの?」

男「そうか?別に何も無いが」

妹「……ふぅぅーん……昨日の女の人だね」

男「そうだけど、どうかしたか?」スタスタ

妹「やっぱりね……ってなんでそんな反応薄いの……」

男「腹、減ってる?」

妹「うん、凄く減ってる」

男「じゃ、すぐ飯にするか」



後輩母「にやにやにや」

後輩「……なによ」

後輩母「頑張りなよー。なんだか鈍そうな子だったし、一筋縄じゃいかなそうよ?」

後輩「う、うるさいなぁもう!」


61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 20:24:32.96 ID:s1PQExDg0
後輩「今日は楽しかったな……」プクプク

後輩「家に呼べたし、料理もおいしいって言ってもらえたし……」

後輩「先輩も、楽しめてたかな?そうだったら嬉しいな……」

後輩「こりゃ、後輩友には感謝極まりないや」ザパーン


妹「今度は格闘ゲームしてるんだ……最近ゲームよくするね、おにいちゃん」

男「別に、したくなっただけだ」

妹「ふーん、そうですかー。お風呂沸いたからねー」

男「……」ポチ  ポチポチ


62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 20:54:10.24 ID:s1PQExDg0
後輩友『ふーん、上手くいったんだ……よかったじゃん』

後輩「うん、友のおかげだよー。ありがとう」

後輩友『ふっふっふ。崇め敬いたまえ』

後輩「ははっー……今度ジャンボパフェおごるよ」

後輩友『へへへ、やっりー!忘れんなよー?』

後輩「ふふふ、ちゃんと覚えておくって……うん、じゃぁね」ピッ


後輩「次からも、今日みたいに楽しめるといいなー……寝よう」バサッ


64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 21:32:19.03 ID:s1PQExDg0
妹「すー……すー……」

男「……少し、付き合わせ過ぎてしまったな」

男「コントローラーを握りながら寝るとは、器用な奴め」バサッ

男「ん、意外と軽いんだな」

妹「んー、んー」ゲシゲシ

男「……さっさと運んで俺も寝るか」ふわぁー

男(後輩はこれを何時間って練習するんだろうな……尊敬するわ)ノロノロ


68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 23:28:52.25 ID:s1PQExDg0
チュチュン  チュリン

後輩「あ、朝……今日は、学校だよね、うん」

後輩「……あれ、なんだろ……頭がフラフラする」

後輩「あうあー……下降りて熱計ろっと……」ヨロヨロ

後輩母「あんたどうしたの!顔真っ赤じゃない!」

後輩「あ、やっぱり?なんか調子悪くてさ……」

後輩母「すぐに熱を測りなさいな」

後輩「そのつもりで降りて来たんだってば……」スッ
ピピピッ

後輩母「39度……凄い熱だわ。今日は学校を休みなさい」

後輩「ふぁい……」


71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/30(金) 23:55:42.80 ID:s1PQExDg0
男「……」シャワワー

男「これでよし、と」


後輩友『後輩なら今日は学校休んでますよ』

男『ん、そうか……ありがとう』

後輩友『あなたが……先輩さん、ですか?』

男『そうだが……なにか?』

後輩友『後輩がいつもお世話になってます』

男『世話をしなくてもしっかりしてるから特に世話はしてないが』


73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 00:13:57.18 ID:s1PQExDg0
後輩友『しっかりしてるように見えますけど、意外と抜けてるですよ?あの子』

男『あー、確かに。言われてみればどっか抜けてる気はする』

後輩友『ふふっ……面白い人ですね、先輩』

男『そうか?』

後輩友『後輩のこと、よろしくお願いします』

男『んー……面白い人に任せて大丈夫?』

後輩友『面白い人だから、ですよ』クスクス


男「なんか知らんが頼まれてしまったからな。行くとするか」


74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 00:40:31.51 ID:s1PQExDg0
後輩「うー……すっごい暇だー……」

後輩「こうダルいとゲームなんてする気も起きないし……」ゴロゴロ

ピーンポーン

後輩「あれ?誰か来た……友かな?はーい、今出ますー」

後輩「友ー?暇すぎて死にそうだったよー」ガチャ

男「む、死にそうだったのか……そりゃ大変だ」

後輩「せん……ぱい!?」


75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 01:31:12.61 ID:s1PQExDg0
男「風邪だったらしいね、大丈夫?」

後輩「あ、は、はい!」(私……パジャマ姿で髪の毛ぼさぼさ……)

男「まだ顔が赤いぞ……無理してるんじゃないか?」

後輩「い、いえその……大丈夫です!」

男「本当か?」ピトッ

後輩「あ……え……?」(先輩の顔が近くに……私はパジャマで……先輩の目、綺麗だな……)

後輩「ふぇあ……」プシュー  バタン

男「だ、大丈夫か!?後輩!後輩!?」


77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 01:40:15.84 ID:s1PQExDg0
後輩母「すいませんねー、うちの子が……」

男「いえ、なんか自分が無理させちゃったみたいで申し訳ないです」

後輩母「そんなことないと思うわよ?」

男「後輩がこれ以上無理してもいけないんで、自分帰ります」

後輩母「あら、もう少しゆっくりしていったら……」

男「いえ……」ギュ 「?」

後輩「せん……ぱい」ギュゥゥ

男「……」ポフ

後輩母「それじゃ、私は飲み物でも持ってきましょうかね」タタタ


80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 01:51:27.68 ID:s1PQExDg0
後輩「迷惑なんかじゃ、無かったですよ……?」

男「なんだ、聞いてたのか」

後輩「変なとこ気にするんですもん、先輩は」

男「最近よく変だと言われるぞ」

後輩「あはは、前からですよ。少なくとも私の知ってる先輩はずっと変です」

男「んー……失礼極まりないな」

後輩「私も変ですから、気にしないでください」

男「それもそうだな」

後輩「そこは否定してくださいよー、もー」ケホッ ケホッ


81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 02:00:00.23 ID:s1PQExDg0
男「本当に、大丈夫なのか?」

後輩「大丈夫ですよ……少なくとも、先輩のせいじゃないから気にしないでください」

男「……そうか」

後輩「熱が上がってくると、何でか気分が高ぶりますよね不思議と」

男「確かに、風邪の時とかむしょうに遊びたくなったりするな」

後輩「ゲーム、します?」

男「気にしすぎな先輩のためにも、早く治して欲しいところだな」

後輩「はぁい、分かりまし、た……」フラ

男「っ!」

後輩「すぅー……すぅー……」

男「……なんだ。寝ただけ、か……」ポン


82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 02:09:30.10 ID:s1PQExDg0
後輩母「入っても大丈夫かしら?」ガチャ

男「あ、寝ちゃったみたいです」

後輩母「落ち着いたみたいで、良かったわ……先輩くん、時間大丈夫なの?」

男「……もうこんな時間でしたか」

後輩母「心配してくれるのはありがたいけど、あなたの親御さんを心配させるわけにもいかないわ」

男「そう、ですね……今日はお邪魔しました」

後輩母「お邪魔だなんて、そんなことないわ。またいつでもいらっしゃい」

男「はい、そうさせてもらいます。では、後輩によろしく伝えておいてください」トテテ

後輩「すー……くー……」


83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 02:25:22.75 ID:s1PQExDg0
男「……♪」シャワワワー

後輩(あの人……放課後にたまに見るけど、なんでいつも水やりしてるんだろ?)

後輩(うちの学校に、そういう部活なかったはずだけど)

後輩「あのー」

男「……ん?」

後輩「何でいつ、も水やりしてるんですか?」

男「地球を救うため、かなー」

後輩「地球を……?」

男「そう、地球を」しゅわー


84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 02:29:48.83 ID:s1PQExDg0
男「……ふーんふーん」チョロチョロ

後輩「今日も地球を救ってるんですか?」

男「おや、また君か」

後輩「どうも、また私です」

男「君も地球を救いたいのかな?はい」ポン

後輩「え……あの」

男「……♪」シャワワー

後輩(変な人だなぁ……)チョロチョロ


85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 02:39:33.53 ID:s1PQExDg0
後輩(なんでうちの補習はあんなに長いかなー……ってあれ)

後輩「お疲れ様です、先輩」

男「やぁ、お疲れ様」

後輩「なんで今日はこんな時間に水やりを?」

男「理由は聞く必要ない気がするけど……状況考えたら」

後輩「先輩も補習受けてたんですか?」

男「そういうこと」シャワワー

後輩「手伝いますよ、先輩」

男「ん、感謝するよ」


後輩「大分日が落ちちゃいましたね」

男「んー、そうだね。送っていくよ」

後輩「……え?」

男「女の子が暗い道を一人で歩いちゃ危ないからね、さぁ行こうか」スタスタ

後輩「あ、は、はい」タタタッ


109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 21:16:41.79 ID:s1PQExDg0
後輩「せん……ぱい」

後輩母「あら、起きたの?愛しの先輩ならもう帰っちゃったわよ」

後輩「お、かぁ……さん」

後輩母「熱は大分下がったみたいだけど、まだキツそうね……」

後輩「……」ケホッ ケホッ

後輩母「それじゃ、薬ここに置いておくから。ちゃんと飲むのよ?」バタン

後輩「……明日には、絶対治すぞ……」んぐんぐ


妹「おにいちゃん、絶対何かあったでしょ」

男「ん、別に」

妹「野菜炒めの味、大変なことになってたけど?」

男「そうか?」

妹(……ダメだこりゃ)


111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 21:28:22.58 ID:s1PQExDg0
後輩「……ん、あふぁ」のびー

後輩「少し体は痛いけど……このぐらいなら全然平気!」

後輩「よーし、学校いくぞー!」

ガチャリ

後輩母「あら、心配して来てみたら……元気みたいね」

後輩「うん、心配かけて申し訳ありませんでした」ペコッ

後輩母「私より、あの先輩くんに言ってあげてね。あなたが引き止めて大変だったんだから」

後輩「え……そんな事が?」

後輩母「あら、あなた……覚えてないの?」

後輩「……」(昨日の夜に何が……)


113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 21:42:04.13 ID:s1PQExDg0
男友「どうしたんだ、そわそわして」

男「ん、そわそわしてるか?」

男友「うん、十分そわそわしてるぞ」

男「……ちょっとな」

バタンッ

後輩「せんぱーい!いますか!?」

男友「あれがちょっとさん?」

男「そ、ちょっとさん」スタスタ


114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 21:52:45.40 ID:s1PQExDg0
男「どうしたんだ?教室まで来るなんて」

後輩「あ、あのっ!お話よろしいですか?」

男「そうだね……構わないけど」

後輩「えと……あっちで話しましょう」

男「ん、分かった」



男子生徒「あんなみょうちくりんに彼女か……?しかも年下……」

男友「それはないんじゃないか?だって、あいつだぜ?」ケラケラ

女子生徒「いやー、それが意外とあるかもよー?」

男友「なんだよ、その目は」ムッ

女子生徒「んーん、なんでもー?」


117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 22:23:49.49 ID:s1PQExDg0
後輩「あ、あのー……昨日はご迷惑をかけてしまったみたいで……」

男「んー、迷惑かけたっけ?」

後輩「帰ろうとする先輩を引き止めてしまった……んですよね?」

男「あー、詳しく覚えてないの?」

後輩「えと……はい」

男「失礼極まりないこと言ってたな、うん」

後輩「え、えぇ!?ご、ごめんなさい!」

男「あと、野菜炒めの味付けが大変なことになってたらしい」

後輩「え、え?」

男「今はもう大丈夫なの?」

後輩「あ、はい……もう大丈夫です」

男「そっか、じゃあ……水やり行こうか」スタスタ

後輩「……はい、行きましょう!」スタスタ


118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 22:34:06.70 ID:s1PQExDg0
後輩「ここら辺の植物も、結構育ってきましたねー」シャワワー

男「日差しが強いからねー。人間にはちょいと辛いよ」チョロチョロ

後輩「最近は異常気象も落ち着いてきたみたいですけど……」

男「暑いのは昔から苦手なんだなー、これが」

後輩「苦手なんですか!?なら先輩は休んでてください!」

男「病み上がりで後輩が頑張ってるのに、元気な自分が休むわけにはいかないよ」

後輩「なら、私も休みます!」ちょこん

男「うん、しっかり休むんだよー」シャワワー

後輩「……あらら?」


119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 22:44:01.26 ID:s1PQExDg0
男友「……驚いた」

男「こっちの方が、驚くぞー。いきなり来られたら」

男友「あんた、ここで何してんのさ?」

男「見てのとおりでございますね」シャワワー

男友「相当な暇人だね、あんた」

男「相当な暇人に会いに来るお前はきっと特別な存在なんだろう」

男友「……ふふ、そうかもな」



後輩「……あの人、先輩と一緒にいた人……」

後輩「何を話してるんだろ?気になるけど……なんか出て行きにくい雰囲気……」


120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 22:53:33.85 ID:s1PQExDg0
男友「ところで……ちょっとさんとは、何なわけ?」

男「何なわけ、と申されますと?」

男友「茶化すなよ、真面目に言ってんだよ」

男「んー……上手く言えんわ」

男友「どうせそう言うと思ってたよ。問い詰めるといつもそうだ」

男「なら聞くなよ」

男友「たまには答えが変わるかもしれないだろ?」

男「その見込みがあったか?」

男友「……んーん、全然」



後輩「あれ、今度はこっちを向いて何か話してる……」

後輩「うー、気になる気になる……あううあー……」ソワソワ


123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 23:07:09.15 ID:s1PQExDg0
男友「暗くなってきたな……もう帰るよ」

男「そうだな、送ってく」

男友「あっはっは、誰に言ってんのさあんた」

男「目の前のあなたに対してですよ」

男友「んー……ちょっとさんに悪いんで無いかい?」

男「それなら大丈夫だ、おーい後輩!」


後輩「あ、先輩が呼んでる……話が終わったのかな?」

後輩「はーい、せんぱーい!」タタタッ


124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 23:18:10.25 ID:s1PQExDg0
後輩「……」

男「……」スタスタ

男友「……どういうことだ、これは!」

男「三人で帰ることが、何かおかしいか?」

男友「そういうわけじゃないが……ああもう!」

男「騒がしい奴だな」

男友「誰がそうさせてんだよ、こらぁ!」

男「……?」

男友「きょとんとすんな!お前に決まってるだろうが!」


後輩(気まずいよう……なんか凄く仲いいみたいだし……)

後輩(どういう関係なのかな?二人とも……まさか……いや、そんな)


132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 00:04:58.81 ID:s1PQExDg0
男友「じゃ、ここで別れるぞ。家こっちだからな」タタタッ

男「そうか。じゃぁな、我が友よ」

後輩「……また、明日」


後輩「……あ、あの」

男「ん?」

後輩「え、えと……なんでもないです」

男「そっか」

後輩「……」

男「……」

後輩「え、えと」

男「ん?」

後輩「あ、あの方とは……どういうご関係で?」

男「……関係、ねぇ。聞くの流行ってるの?最近」

後輩「い、いえ……」

男「そっか」


134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 00:15:37.04 ID:s1PQExDg0
男「んー、あいつはねー……友達だ」

後輩「友達……」

男「そ、友達。それ以上でもそれ以下でもなく、親友でもなく」

男「ただの『友達』そんだけ」

後輩(こんな真面目な先輩の表情、初めて……)

男「納得いかない?」

後輩「い、いえ!そんなことはないです」

男「ならよかった。ここでお別れだね」

後輩「あ、いつの間に……」

男「じゃ、また明日」スタスタ

後輩(友達、か……なんか色々ありそうだけど、触れないほうがよさそうだな……)トコトコ


143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 02:13:49.71 ID:s1PQExDg0
妹「おにいちゃーん、お帰りー」

男「ん、あぁ……ただいま」

妹「……どうせ答え一緒だろうけど、何かあったでしょ?」

男「……少し、な」ポン

妹「……ほぇ?」


後輩「うべへぇー……」ボフン

後輩(あの人……長くて綺麗な黒髪してたなー……それに胸も……)ペタペタ

後輩(……ぐぅ)ガックリ

後輩(どうもただの友達とは、思えないんだよなー……)


144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 02:16:15.23 ID:69uZ8BcZ0
んっふ、これは一本取られました


146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 02:26:31.11 ID:s1PQExDg0
男友「男ー!早く来いよほらー」

男「ここは……?」

男友「学校の花壇だ。まぁ、整備されてなくて花壇に見えないがな……」

男「で、これがどうしたんだ?」

男友「こういうことだ!んしょ……んしょ……」グイグイ

男「……よいしょ」グイグイ

男友「さすが話が分かるね」

男「話は分からんが手伝ってるだけだ」


148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 02:38:21.74 ID:s1PQExDg0
男友「……あー」

男友「なんで思い出すかね、こういうこと」ワシワシ

男友「……あいつ、まだ水やり続けてたんだな」

男友「……」

男友「……いまさら、どうしろって言うのさ……はぁ」


149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:01:25.83 ID:s1PQExDg0
男友「……おっす」

男「よう、おはよう」

男友「……調子は、どうだ?」

男「いつも通り、かね」

男友「そうか、いつも通り……か」

男「そっちはどうだい?」

男友「……ふふ、いつも通りだよ、こっちも」

男「ん、そうか」


後輩「お、おはよう……」

後輩友「おはよう……って、あんた何その顔!?」

後輩(昨日は気になりすぎていまいち寝れなかった……)


150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:18:29.31 ID:s1PQExDg0
後輩友「なるほどねー……ライバル出現!てわけ?」

『えいっ』『ふぁいやー』

後輩「ライバルかどうかは分からないけど……友達って言ってたし」

『えーい』『やーあ』『とーう』『シアン!』

後輩友「本人がそう言ったの?」

『ばよえ~ん!』

後輩「え?あわわわ」

『なにをするー』

後輩友「先輩はそう思ってたとしても、その人はそうじゃないかもよ?」

後輩「……」

『うへー』

後輩友「ま、最後にどうするかはあんた次第だからねー」

『やったぁ!』


165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 15:21:59.87 ID:s1PQExDg0
後輩友「でもさ、みょーに気にしてるけど……先輩が好きなの?あんた」

後輩「……何、い、いきなり」

後輩友「いや、今の話聞く限りどう考えてもそうでしょ」

後輩「……どうなの、かな?」

後輩友「私に聞かれても困るっての……」

後輩友「ま、もし好きなんだったら、今のままじゃダメだと思うよ」

後輩「……え?」

後輩友「放課後だけじゃなくて、先輩に会いに行ってみれば?ってこと。じゃね」

後輩「あ、ちょっと……放課後だけじゃなくて、か……」


167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 15:33:20.71 ID:s1PQExDg0
男「……♪」シャワワー

男友「……なんでなんだよ」

男「何がなんでなのかが分からんな」

男友「なんでまだ水やり、やってんだよ」

男「……理由が必要か?」

男友「普通は理由がなきゃしねーよ、こういうことは」

男「じゃぁ、普通じゃなくていいから理由なんて無い」

男友「……」

男「……♪」シャワアー


168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 15:55:08.61 ID:s1PQExDg0
後輩(また二人で話してる……って、なんで隠れてるの?私)

後輩(この距離じゃ会話も聞こえないし……ちょっと近づいてみよう)ソロソロ


男友「話を逸らすな!」ガシッ

男「……逸らした気は、無いんだがな」

男友「じゃあ、ちゃんと答えろよ」

男「普通じゃない相手にちゃんとを求めるのか?」

男友「……なんなんだよ、もう」

男「……頭、冷やせ」ペシ

男友「……うるさいうるさい!」パシーン  タタタッ

後輩(……しゅ、修羅場!?出て行っていい雰囲気じゃ、ないよね……)


169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 16:29:08.17 ID:s1PQExDg0
男「……むぅ」

男「……出てきて大丈夫だよ」

後輩「っ!!」ガササッ

男「多分友には見えて無かったから、心配しなくていいと思う」

後輩「その、えと……ごめんなさい」

男「謝るほどのことじゃないさ。少なくとも俺にとってはね」

後輩「……」

男「さて、暗くなる前に帰ろうか」

後輩「……はい」


173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 18:32:39.07 ID:s1PQExDg0
後輩「……」トコトコ

男「……」スタスタ

後輩(先輩……いつもより歩が早い……?)

後輩(あの人との事が、関係してるのかな……凄く気になる)

男「……やっぱりさっきの気になる?難しい顔してるよ」ピタ

後輩「あ……」ペタペタ

男「すまないが、俺に言えることは何も無い。俺は気にしてないからだ」

男「どうしても気になったら、気にしてる奴に聞いてくれ」

後輩「それって……」

男「ん、もうこんな場所か。じゃ、また明日」ダダダッ


182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 21:49:33.77 ID:s1PQExDg0
後輩「気にしてる奴に聞いてくれ……か」

後輩「……それが出来たら苦労しませんよ……先輩」ボフン

後輩「……私に会う前に、色々あったんだろうか?」

後輩「そういえば、私先輩のことなーんにも知らないんだなー……」

後輩「いつも放課後に花壇の水やりをしてる人、ってだけしか」

後輩友『ま、もし好きなんだったら、今のままじゃダメだと思うよ』

後輩「それは分かってるんだけどさ……はぁーあ」ゴロゴロ



男「ただいま」

妹「おかえりー……おにい、ちゃん?」

男「……どうした?」

妹「う、ううん……なんでも、無いの……」

男「そうか」スタスタ


184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 22:01:52.79 ID:s1PQExDg0
男友「……もう、いいんだ」

男「いいって、何が」

男友「私には初めから向いてなかったんだよ……」

男「いきなりどうしたんだ、お前らしくない」

男友「……っ!」

男友「らしくないって……じゃぁ、私らしいってどういう事なんだよ!」

男「……やめろ」

男友「うっさい!こんな……こんな!!」グシャ グシャ

男「……っ」ガシッ  パンッ

男友「……あ、う……くっ!」ダダダダッ

男「……く」


185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 22:11:32.34 ID:s1PQExDg0
男友「……っ!」ガバッ

男友「また……か」

男友「こんなんなるなら、あの花壇にもう一回行くんじゃなかったよ、まったく……」

女子生徒『意外とあるかもよー?』

男友「……ほんと見苦しいな、私は……」

男友「……昨日、思いっきりひっぱたいちゃったよなぁ……」

男友「どんな顔して、会えばいいんだろ」ガクリ


198:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 00:14:01.67 ID:s1PQExDg0
後輩友「ふーん、そんなことがあったんだー」

後輩「ふーんって……そっけないね」

後輩友「前に言ったでしょ?あんた次第だってば

後輩「そうは言っても……」

後輩友「なら、このままでいいんじゃないの?」

後輩「……」

後輩友「『先輩』と『後輩』と『先輩の知り合い』それでいいじゃない」

後輩友「それなら何も気にせずに、過ごしてられるでしょ?」


199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 00:18:35.49 ID:s1PQExDg0
後輩「……それは」

後輩友「嫌なんでしょ?なら行動しなきゃ。あんたから」

後輩「行動……」

後輩友「私から言えんのは、そんぐらいかなー」

後輩「……なんか、達観してる?」

後輩友「横からならいくらでも言えるだけだと思うけど」

後輩「そんなもんなのかな?」

後輩友「うん、そんなもーん。ぶっちゃけ知ったこっちゃないってわけ」ニカッ

後輩「なにそれ、ひどーい……でも、ありがと」

後輩友「あっはっは!今度は何をおごっていただこうかね?」

後輩「……うぐぐ」


201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 00:27:39.69 ID:s1PQExDg0
男友「……」

男「じゃ、帰るわ」

男友「……何で私に」

ガラッ

後輩「すいません!」

男「……後輩」

男友「それじゃ、お邪魔虫は退散しようかね」ポン

男友「……ん?」

後輩「お話が、あります」

男友「……分かった、行こうか」タッ タッ


男子生徒「お、おいっ!?いいのか、男!」

男「……構わんさ」

女子生徒「なかなか積極的な子がいたもんだねー」

男子生徒「お前ら落ち着いてんなぁ、おい……」


203:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 00:47:43.60 ID:s1PQExDg0
男友(とりあえず分かったとは言ったけど……見当はつかないな)

男友「……話って何?」

後輩「……最初に、謝らないといけないことがあります」

男友「……?」

後輩「昨日先輩とお話してるとこ、隠れて聞いてました」

男友「……そっか、聞いてたのか……話ってそのこと?」

後輩「……え、は、はい」

男友「あれはねー……なんてーかなー……少し昔の話を、しなきゃいけないね」


205:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 01:02:28.96 ID:s1PQExDg0
男友「あの花壇は、私が最初に見つけたんだ」

男友「先生に聞いたら、隅にあるせいで誰も見ないから整備されなくなったって話で」

男友「男と一緒に復活させてやろう、ってことで今の状態なわけ」

男友「ま、そんなもんはただの口実だったんだけどね」

後輩「口実……」

男友「一緒になんか出来りゃなんでもよかったのさ」

後輩「……」

男友「私は男のことが好きだったんだよ。いや、今も……かな?」


222:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 14:43:03.58 ID:s1PQExDg0
後輩「なら……」

男友「でも、ダメなんだ」

後輩「……?」

男友「本来なら一緒にいる資格すらも、私には無い」

男友「あいつの優しさに甘えてるだけなんだ……」

後輩「……どういうことですか」

男友「……男に聞いてくれ。あいつが話すならそれで構わない」

男友「まだもう少し……逃げさせてくれ(ボソッ」ダダダッ

後輩「え?……って、行っちゃった」


225:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 14:47:21.33 ID:s1PQExDg0
男友「……っ」ダダダダッ

男「あ」

男子生徒「通り過ぎて行ったな……追わなくていいのか?」

男「今追う必要は無い」

男子生徒「だからなんでそんな落ち着いてんだ……」

女子生徒「先生に止められなきゃいいけど……」

男子生徒「いや、そこじゃねぇだろ!」

ガララッ

後輩「せんぱいっ!」

男「……場所を、移そうか」スタスタ



男子生徒「もう、何がなにやら……」

女子生徒「いや、あんたが理解する必要は無いでしょ」

男子生徒「そうだけどさ……気になるじゃん?野次馬根性的に」

女子生徒「サイテー」


226:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 14:53:42.50 ID:s1PQExDg0
男「……さて、と……さ、座って」

後輩「あ、ありがとうございます……」(いつもの花壇……やっぱりここなんだ)

男「大方あいつが俺に聞けーとか言ったんでしょ?」

後輩「……はい」

男「まだ気にしてんのかー……バカだな、ほんと」

男「こんな引きずるなら、最初からやるなって話だ、ほんと」

後輩「あの人は……」

男「友で大丈夫だ。他人行儀が嫌いなんだ、あいつ」

後輩「友さんは……何をしたんですか?」


247:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 22:29:43.84 ID:s1PQExDg0
男「……花壇を、壊したんだ。あいつが自分で」

後輩「え……なんでそんなことを……」

男「んー、らしくないんだそうだ」

後輩「らしくない、ですか?」

男「あいつは、自分が男勝りでがさつな女だと思い込んでる」

男「だから、ああいう花壇みたいなのが似合わないって感じてたらしい」

男「本人も……周りも」

後輩「……周り、も」


251:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 22:54:06.45 ID:s1PQExDg0
『ねぇ、花壇の話知ってる?』

『あー、あいつがなんか整備し直したらしいな』

『うっは、似合わねー……あの男女がか?』


後輩「……」

男「俺は……知ってたんだ」

男「あいつがどう思われてたかも、あいつがそれによってどうなるかも」

男「でも……何も出来なかった。いや、しようとしなかった」

後輩「それは、先輩のせいじゃ……」

男「本当に、そう思う?」

後輩「……」

男「俺は、いい人なんかじゃない。自分からは動くことも出来ない、臆病者さ……」


252:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 23:02:17.74 ID:s1PQExDg0
男「この花壇は……俺の身勝手な罪滅ぼしに利用されてるだけなんだ」

男「でも……それが帰ってあいつを傷付けてしまった……のかな」

後輩「そ……」


男友「……そんなことないっつの」

男「!」パシン

男友「昨日のお返しだ、あほすけ」

男「……聞いてたのか」

男友「昨日聞かれてたからね、仕返しし返し」ククク


255:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/02(月) 23:23:04.19 ID:s1PQExDg0
男友「……そんな理由で、花壇を手入れしてたんだな」

男「まぁな」

男友「……」

男「……」

男友「噂、知ってたんだな」

男「……あぁ」

男友「絶対、許さない」

男「……そうか」

男友「でも、ありがとう」

男「ん」


260:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/03(火) 00:11:18.08 ID:s1PQExDg0
男友「あんたも、この花壇を直してくれてたんだね、感謝するよ」

後輩「いえ……そんな」

男友「私が逃げてた間……あいつを支えてくれてたんだろ?」

後輩「支えるなんて、大したことはしてないですよ」

後輩「それに……友さんの居場所を、奪ってしまったようで……なんだか」ピシン

後輩「あいてっ」

男友「言ったろ?あいつの隣はもう私の場所じゃないんだ」

男友「親友でも無く……ましてや恋人でも無い。私はただの『友達』さ」ケラケラ

後輩「友さん……」



男「……」シャワワー


262:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/03(火) 00:30:02.41 ID:s1PQExDg0
男友「変な奴だよな、あいつ」

後輩「……はい、最初はそう思いました」

男友「正直だね、あんた。嫌いじゃないよ」

後輩「でも……今はそう思いません」

男友「いい奴なんだけど、いい奴過ぎて変なんだよな……」フフ

後輩「ほんとですよね。大事なとこが見えてるようで、本当に肝心なとこは抜けてる人です」フフッ


男「そろそろ暗くなってきてるぞ」

男友「それじゃ……帰ろうか」

後輩「そうしましょうか」


278:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/03(火) 12:32:01.85 ID:s1PQExDg0
男「そういえば、後輩。謝らないといけないな」

後輩「え、何をですか?」

男「気にしてないと言ったが、あれは大嘘だった」

後輩「……ほんとです!嘘はダメです!」ムー

男「面目ない」

後輩「でも、そのおかげで大事な話を聞けました。感謝もしてます」

男「……」

後輩「もう絶対、嘘ついちゃダメですよ?」ニコ

男「分かった。肝に命じておこう」


279:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/03(火) 12:38:38.34 ID:s1PQExDg0
男友「んじゃ、私はこの辺でおさらばしようかね」

男「おや、もうこんな所だったか」

男友「後輩との会話で頭がいっぱいだったか?」ククッ

男「どうだろうか?」

男友「私が知るか、あほ」

男「そうか」

男友「……後輩」クルッ

後輩「はい、なんでしょうか?」


283:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/03(火) 12:47:37.10 ID:s1PQExDg0
男友「あんたのおかげで、色々吹っ切れたよ。ありがとう」

後輩「そんな……私は何もしてないです」

男友「何もしてないって思うなら、それでも構わないよ」

男友「勝手に私が感謝してるとでも思ってくれ」ポフッ

後輩「……あう」

男友「これからも、あいつのことをよろしくな」

後輩「……はい、頑張ります」

男友「それじゃ……また明日な」タタタッ


男「あいつと何を話してたんだ?」

後輩「先輩のことです」

男「そうか」

後輩「はい、そうです」

男「じゃ、帰ろう」

後輩「はい!」


285:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/03(火) 13:26:11.07 ID:s1PQExDg0
後輩友『ふーん、そんなことがねー』

後輩「大変だったよ、ほんと……」

後輩友『でもいい方に進めたんでしょ?よかったじゃん』

後輩「……友のおかげだよ、ほんと」

後輩友『あんたが頑張ったからじゃない?それに……まだ終わりじゃないでしょ』

後輩「……そう、だね」

後輩友『ま、最後まで応援してるから頑張りなー』

後輩「ありがと、友」


288:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/03(火) 15:01:09.70 ID:s1PQExDg0
男「ただいまー」

妹「おっかえりー!」ニコニコ

男「……なんかあったのか?」

妹「それはこっちの台詞だよ、もー!」

妹「……久しぶりに、いつもの顔だね」

男「ん、心配かけたな」

妹「べっつにー。ただ、料理の味付け変なのが嫌だっただけー」

男「……今日の野菜炒めは甘味かなー」

妹「ごめん嘘、嘘だって!心配してたってば!」


290:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/03(火) 15:18:59.15 ID:s1PQExDg0
男「電話なんて久しぶりだな」

男友『……そう言えば、そうだな』

男「何か話したいことでもあるのか?」

男友『話たいことが無いと電話しちゃいけないか?」

男「いんや、別に」

男友『まぁ、話したいことはあるが』

男「そうか」


291:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/03(火) 15:37:20.44 ID:s1PQExDg0
男友『後輩のこと、どう思ってるんだ?』

男「どうって……どう?」

男友『好きかどうか』

男「これまたストレートだな」

男友『ほかに聞き方ないだろ』

男「好きか嫌いかと言われればそりゃ好きだな」

男友『そういう意味で聞いてんじゃなことぐらい分かるよな?』

男「……教えなきゃいかんのか?」

男友『答えてるようなもんだよな、それ』

男「まぁ自分でも言っててそう思う」


294:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/03(火) 16:31:35.04 ID:s1PQExDg0
男友『卒業まで時間がないんだから。伝えておいたほうがいいと思うぞ』

男友『……まぁ、私が心配することでも無いとは思うがな』

男「お前はいいのか?」

男友『いいのか?って、なにがさ』

男「伝えたいことは、伝えたほうがいいと思うぞ」

男友『……あの時は、本当にごめんなさい』

男友『後輩の前ではああ言ったけど……悪いのは私だった』

男友『周りからの目なんて気にしなければよかった……』

男「……」

男友『好きだったんだよ、お前のことが』

男友『花壇を始めたのも……そのためだ』


299:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/03(火) 17:14:12.27 ID:s1PQExDg0
男「そうだったのか」

男友『反応薄いな……知ってたのか?』

男「いんや」

男友『女の子の告白だぞ?もっと……驚けよ』

男「……すまん」

男友『分かってんだよ、こんな告白はお前を困らせるだけだってのは』

男友『だから……精一杯困れ、バカ野郎』

男友『困って、悩んで……相談しろ。私は……お前の友達だからな』

男「……」

男友『……じゃあ、切るね』ピッ


313:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/03(火) 23:09:13.70 ID:s1PQExDg0
男「……ん」

妹「よっ!ほっ!」

男(こんな遅くまでゲームを……少し言ってやらんとな)

妹「よっし、ラスボス倒した!」

後輩『やったー!クリアだー!』

男「……」

妹「あ、おにーちゃーん!一緒にしない?」

後輩『あのっ、先輩もやりましょう!』

男「……ちょっとだけ、だからな?」

妹「やっりぃ!」


314:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/03(火) 23:18:49.18 ID:s1PQExDg0
男友「おはよう、男」

男「おう」

男友「覚悟はしっかり決まったか?」

男「覚悟するようなことじゃねーさ」

男友「私はかなり覚悟したぞ?バカにしてんのか」

男「後輩の気持ちもまだ分からん」

男友「まぁほざいてろ。その時になってテンパんなよ?」

男「気をつけておく」

男友「じゃ、頑張ってこい!」バシン



女子生徒「友ちゃん……よかったの?」

男友「……どうだろ?まだよくわかんない」グス

男友「でも……いつか笑い話で語れる日がくるのかも」ニコ


317:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/03(火) 23:36:35.92 ID:s1PQExDg0
後輩「~♪」シャワワー

男「……」

後輩「あ、先輩!遅いですよー」

男「ん、すまん」

後輩「先輩が遅れるなんて珍しいですね……また補習ですか?」

男「いんや」

後輩「なら……男友さんと?」

男「心配するほどでもない。少し話をしてただけだ」チョロチョロ

後輩「そうだったんですかー」シャワワー


318:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/03(火) 23:48:37.84 ID:HqQBUklRP
連れションしてるみたいだな


319:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/03(火) 23:51:16.25 ID:s1PQExDg0
前レスの後輩の台詞  男が余計でした
いつか出ると思ってた発言がやっと出て安心

後輩「よし、これで終わりっと……」

男「ん、そうだな」

後輩「……先輩?なんか変ですよ?」

男「……そうか?」

後輩「なんだか、表情硬いですよ?」

男(……癪だが、あいつの言ったとおりになってしまっているらしい)

後輩(んー……やっぱり、友さんとなにかあったんじゃ)


345:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/04(水) 14:31:23.93 ID:s1PQExDg0
後輩「先輩、やっぱり何か隠してませんか……?」

男「いや、そんなことは」

後輩「……私には話せないことでしたら、仕方ないですけど」

男「ちょっと、座ろうか」

後輩「え?……はい」

男「……ふー」

後輩(なんか、今日はいつにも増して変な感じ……)


346:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/04(水) 14:41:10.21 ID:s1PQExDg0
男「後輩は、なんで花壇の手入れを手伝ってくれたんだ?」

男「変な奴と思っただろ。誰も見ないような場所で水やりしてるなんて」

後輩「……え、えと……」

男「正直に言っていい。俺も後輩を変だと思ってた」

後輩「え、そうなんですか!?」

男「うん」

後輩「あうう……」


348:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/04(水) 15:18:59.21 ID:s1PQExDg0
男「だから、手伝いをしてくれてるのが不思議でしかたなかった」

男「どうしてなんだ?」

後輩「あの……それは……そのぅ……」

後輩「いつも水やりしてる、変な人がいるなー……って」

男「やっぱり」

後輩「で、でも!そりゃ最初のうちは先輩に流される感じでしたけど……」

後輩「だんだん花壇に水やったり、先輩と一緒にいるのが楽しくなってきて!」

後輩「あの、その、上手く言えないんですけど……」

男「ん、俺も後輩といるの楽しいよ」

後輩「その、えと、……っえ!?」

男「好きってこと」

後輩「えっ……えぇぇっ!?」


350:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/04(水) 15:31:09.02 ID:s1PQExDg0
男「あれ、なんでそんな驚いてんの」

後輩「いや、そりゃ、なんっ……え」

後輩「むしろなんでそんな冷静なんですか!!」

男「いや、そこまで冷静でもない」

後輩「十分冷静ですってば……」

男「ダメだった?」

後輩「いえ……私も、言おうとしてましたし」ボソッ

男「あ、そうだったのかー……先に言えてよかった」

後輩「だからもっと驚いてくださいってば!」ポカポカ


351:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/04(水) 15:42:22.86 ID:s1PQExDg0
男「これでも驚いてるほうだが……」

後輩「全然そう見えないです!」

男「そう?」ダキッ

後輩「ひゃう!?」ビクッ

男「心臓の音、やばいと思うんだけどなー」

後輩(凄い早く鳴ってる……本当に緊張してたんだ)

後輩「せん……ぱい……」ギュッ

?「おーい、もう下校の時間だぞーっ!」

後輩「!!!!!!」バッ

男「……もうそんな時間か」

男友「へへ、流石にお前は騙せないか」

後輩「友……さん……」


355:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/04(水) 16:07:37.96 ID:s1PQExDg0
男「……最初から見てたのか?」

男友「おやおや、流石の男さんも照れちゃってますか?」

男「……」

男友「そう睨むな……まだいるか見にきただけ、覗いちゃいないよ」

後輩「その……友さん……むぐ」

男友「そういうのいい。惨めになる、だけだから」

後輩「……はい」

男「……帰るか」

男友「そうだな、本当に見回りきたらシャレにならんし」


364:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/04(水) 20:29:27.37 ID:s1PQExDg0
男友「そういや、そろそろ卒業式だなー」

後輩「そういえば……そんな時期だったですね」

男「あれ?そうだったけ」

男友「……後輩ならともかく、お前は当事者だろうが」ペシ

男「卒業ねぇ、実感わかねぇな」

男友「まぁ……な。っと、ここまでだな」

男「おう、また明日」

男友「……男、絶対幸せにしてやれよ?」

男「言われるまでも無い」

男友「そうか……安心だな、後輩」

後輩「……はい」

男友「じゃ……お幸せに」タタタッ


365:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/04(水) 20:47:41.53 ID:s1PQExDg0
後輩「先輩は、卒業したらどうするんですか?」

男「んー……まだはっきりと決まってないな」

後輩「そうなんですか?」

男「ま、大学に行こうかかなーとは思ってるけど」

後輩「先輩が大学……想像出来ないです」クスッ

男「自分でも想像できんから、後輩が想像出来ないのは仕方ない」

後輩「……凄く、寂しくなります」

男「すまんな」

後輩「先輩が謝ることじゃないですよ……それに」

後輩「毎日メールしますから、覚悟してくださいよ?」

男「ん、覚悟しておこう」


366:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/04(水) 21:06:39.03 ID:s1PQExDg0
後輩友『へー、やっと上手くいったんだー。よかったじゃん』

後輩「そうなんだけどさー……」

後輩友『こんな卒業間近に告白とは、あの先輩もなかなかなセンスしてるね』

後輩「……先輩バカにすんのは許さないよ」ムー

後輩友『はは、ごめんごめん』

後輩「まぁ……心配ではあるけどさ」

後輩友『先輩が誰かに取られないか心配ーってか?』

後輩「……うん」

後輩友『まぁ、初めて付き合うならそういうの仕方ないんじゃない?せいぜい悩め悩め』

後輩「あんたは、付き合ったことあるわけ?」

後輩友『……ノーコメもありかな』


368:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/04(水) 21:13:28.83 ID:s1PQExDg0
男友『随分と遅い告白になっちまったな、おい』

男「まぁ……な」

男友『多分あの子凄い寂しがると思うよ』

男「分かってる」

男友『ぜーったいに、泣かせたらダメだぞ?』

男「……自身はあまり無い」

男友『また女の子泣かせるわけ?』

男「……また?」

男友『お前……ぶっ飛ばすぞ』


369:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/04(水) 21:35:33.57 ID:s1PQExDg0
前レスの男 自身→自信ですね

男「……」

妹(何を仏頂面で携帯握ってるんだろ?)

男「……」ピッピッ

妹(あ、メール打ち始めた)

男「……ふー」コト

妹(なんか凄い時間かかってた……あ、トイレ行くんだ)

妹「……」ソロー ソロー

妹「何を必死に打ってたのかな……?」パカッ

男『元気か?』

妹「……え、これだけ?」ガタン  「はっ!?」

男「……覚悟は、出来てるな……?」

妹「ひ、ひぃっ!?お、おにいちゃん、ご、ごめっ……」メコッ


379:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 00:55:45.45 ID:s1PQExDg0
後輩「……ふわぁぁぁ」

後輩「昨日は結構遅くまで話し込んじゃったなぁ」ポリポリ

後輩「さっさと準備しなきゃ……」

後輩「おかあさーん、ご飯出来てるー?」

後輩母「もう、いつまで寝てるのよ!早く支度しなさい!」

男「そうだな、急いだほうがいい」

後輩「分かってますよーだ……って、えぇっ!?」

男「おはよう、後輩」

後輩「あ、あの……おはよう、ございます」


380:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 00:59:53.54 ID:s1PQExDg0
後輩「家に来るなら、昨日のうちに連絡くださいよ!」

男「……連絡、したはずだが?」

後輩「え」ピッ ピッ 「……中まで入ってくるなんて、聞いてないです!」

男「いや、俺も聞いてなかったよ」

後輩「お母さんめ……絶対許さん……」

男「迷惑、だったか?」

後輩「いえ……その……寝起きなんでヒドかったですよね?顔とか、髪とか……」

男「別に。普通に可愛いかったけど」

後輩「え、えと……ありがとうございます」

男「そろそろ急ごうか」タタタッ

後輩「あ、待ってくださいっ」スタタッ


383:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 02:06:46.59 ID:s1PQExDg0
男友「よう、お惚気さん」

男「なんだいきなっ」ガシッ 「うぐっ」

男子生徒「お前……年下の彼女か!ちくしょう!!」グリグリ

男「なんだ、うざったい奴め」バシン

男子生徒「あぁんっ!?」ドサ

男友「まぁ、ラブラブなのはいいことだ」

男「別に大したことじゃねぇさ」

男友「あいつがそう思ってるかって話だな」

男「?」



後輩友「お暑いねぇ、まったく」

後輩「……見てた?」

後輩友「まぁ、少なくとも私は」

後輩「……あう」ボッ


385:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 02:10:01.66 ID:s1PQExDg0
後輩(散々茶化された……はぁ)

男「~♪」シャワワー

後輩「先輩今日は先越されちゃいましたね」

男「ん、後輩か」


387:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 02:20:23.46 ID:s1PQExDg0
なんか途中で書き込まれちゃった


男「……この花壇も、もう見納めになるわけか」

後輩「やっぱり、愛着ありますか?」

男「まぁ、なんだかんだで長く世話してたからな」

男「残っていってくれるなら、それに越したことはないが……」

後輩「……私が、世話をしますよ」

男「おっと、今度は先を越されたか」

後輩「この花壇がなければ、先輩とも会えて無かったですし……大切にしたいです」

男「なんか恥ずかしい台詞だな」

後輩「ちゃ、茶化さないでくださいっ!……言ってて恥ずかしいって分かってるんですから」

男「……だけど、俺もそう思う」

後輩「え、せ、せんぱ……ん、んぅ……」


388:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 02:32:34.73 ID:s1PQExDg0
後輩「……」

男「……」

後輩「……いきなり、ですか」

男「……すまん」

後輩「いえ、先輩が悪いとかじゃないんです!全然そんなんじゃなくて、その」

後輩「突然でビックリしただけで……はう」ポッ

男「……ダメだ、我慢できん」ギュゥッ

後輩「え?ひゃわわっ!?」


男友「……さて、帰るか」

女子生徒「今日は一緒に帰ってあげようか?」

男友「……感謝するよ」

男子生徒「あれ?もしかしてこれ、俺フラグ?」

女子生徒「黙れ」

男子生徒「……すんません」


389:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 02:38:27.36 ID:s1PQExDg0
後輩「……」

男「……」

後輩「わ、わたしっ!今日はもう帰りますっ!」ダダダダダダッ

男「あ」

男「……俺も、帰るか」



後輩(あわわわわわわわ……)

後輩(先輩と先輩と……あわわわわわ)バタン

後輩母「あら、おかえ」  ダダダダッ

後輩母「……あら?」



後輩「あわわわわわわわわ」

後輩友『よし、とりあえず日本語喋れ』


391:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 03:18:47.94 ID:s1PQExDg0
後輩友『なるほど、ね……こりゃまた随分と大胆な』

後輩「あわわわわわ」

後輩友『……切るよ?』

後輩「その……まだ、ドキドキしてるの……」

後輩友『そりゃ、ドキドキしないほうがおかしいでしょ』

後輩「もう……先輩の顔まともに見れないよー」

後輩友『……よかった、いい人で。私も一安心」

後輩「友……」

後輩友『私への感謝の数々、忘れんなよ?』

後輩「……うん!ありがと!」


392:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 03:24:10.73 ID:s1PQExDg0
男「……」

妹「おかえりー……って、おにいちゃん!顔真っ赤だよ?」

男「そうか?」

妹「そうかって……熱があるんじゃないの?」

男「いや、んなことはない」

妹「おにいちゃんはいっつもそうやって風邪だったりするじゃない!ほらこっちこっち」

男「……」

妹「熱は……無いみたいね。声も枯れてないし……」

男「だから大丈夫って言ったろ」

妹「じゃぁ、なんであんな真っ赤だったの?」ニヤニヤ

男「……あんまり調子に乗るなよ?」

妹「ハイ、ゴメンナサイ」


393:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 03:34:56.68 ID:s1PQExDg0
後輩「はふー……まだ夢見てるみたい……」ブー ブー

後輩「あれ?メールが来てる……え、先輩!?」

男『元気か?』

後輩「……ふふ、先輩らしいや」

後輩『元気ですよ。先輩はどうです?」

男『ん、もちろん元気だ』

後輩『私は今もドキドキが続いてます……』

男『そうだろうと思って、メールにした。電話じゃ話しづらいだろうし』

後輩『……ありがとうございます』

男『じゃ、俺は風呂に行くから。また明日』

後輩『はい、ではまた明日』

後輩「また明日……か。あと何回また明日できるんだろ……?」


394:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 03:51:14.77 ID:s1PQExDg0
「また明日」   「また明日」


後輩「先輩方、おはようございます」

男「ん、おはよう」

男友「おはよう、後輩」

後輩「もう明日、なんですね……」

男「そうだなー」

男友「相変わらず実感なさそうだな、お前……」

男「まぁ実際あまり実感はない」

男友「……本音言えば、実は私もだ」

後輩「先輩達と会えなくなるんですね……」ポン  「……!」

男「会いに来る、絶対」

後輩「先輩……」

男友「はいはい、メロドラマするには一日早いですよっと」

男友「最後の思い出が遅刻で怒られたこと、なんて勘弁だぞ?」

男「ん、同感だな」タタッ タタタ


406:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 12:02:43.39 ID:s1PQExDg0
後輩友「もうすっかり開き直ったね、あんた」

後輩「まぁ……ね、もう慣れたよ」

後輩友「仲睦まじいのは良きことかな」

後輩「まだ少し恥ずかしさはあるけどね……」

後輩友「それも明日まででしょ?」

後輩「……」

後輩友「……ん、今のはごめん」

後輩「んーん、だいじょぶ。ほんとの……こと、だから」

後輩友「半泣きで言われたらだいじょぶには見えないよ」


408:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 12:14:38.36 ID:s1PQExDg0
男「……」ボー

男友「おい、授業終わってるぞ」

男「……ん、ああ」

男友「何を間抜けな声出してんだ、ばか」

男「いつもこんなだぞ」

男友「そういやそうだな」

ガラッ

後輩「先輩いますかー?」

男「おう、後輩」

後輩「はいどうぞ、お弁当です」

男「ん、いつもすまんな」


男子生徒「……ぬぐぐぐ、ぬぐぐぐ」

女子生徒「念じても爆発なんてしないわよ?恥ずかしいから止めなさいクズ」

男子生徒「……クズて……クズ、て……」


410:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 12:30:32.45 ID:s1PQExDg0
男「後輩、料理上手くなったな」モグモグ

後輩「そう、ですか?ありがとうございます」

男友「そりゃ毎日作ってりゃ上手くもなるだろうな、うん」ハムハム

後輩「友さんは最後までパンなんですね」

男友「ん?まぁな。あんまりたくさんは食べれないから」

後輩(じゃぁどうしてこんなに差が出るんだろ……)

男友「なんだなんだ、人のことをじーっと見て」

後輩「い、いえ……なんでもないです」

男「お、この卵焼き美味い」


412:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 13:37:54.12 ID:s1PQExDg0
後輩「こうやって一緒に帰るのも、明日で終わりなんですね」

男「ん」

後輩「そういえば、久しぶりですね。二人で帰るのって」

男「そういや、友が一緒のことが多くなってたな」

後輩(今日は気を使ってくれたのかな?)

男「久しぶりついでに、ゲームセンターでも行くか?」

後輩「え……いいんですか?」

男「この後別に用事も無いしな。さぁ、行こう」

後輩「はい!」


418:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 17:05:16.38 ID:s1PQExDg0
ジャララアララ  ジャララララン

男「この音も、慣れたら平気なもんだな」

後輩「おぉ!」タタタタ

後輩「先輩!先輩!」チョイチョイ

男「ん、どうした後輩」

後輩「これ、新作ですよ新作!」

後輩「最近情報チェックしてなかったけど、出てたんだ……」

男「やってく?」

後輩「事前情報なしですけど……やってみたいです」

男「うし、やってみようか」チャリン チャリン


420:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 17:12:06.70 ID:s1PQExDg0
後輩「流石に事前情報無しだと、難しいですね……」ビビビビ ビビビビ

男「その割には随分進めるな」

後輩「先輩のサポートもあるからですよ……凄く上手くなりましたよね」

男「まぁ、何回も一緒にやってればな」

後輩「……迷惑でしたか?」

男「迷惑だったらこんな上手くならん。おっと危ない」ポチ バリバリバリ

後輩「あ、ありがとうございました」

男「ん、構わん」ビキューン ビキューン


421:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 17:17:31.76 ID:s1PQExDg0
デレレレーン  ボバババババ

男「お、こいつ随分かっこよくなったな」

後輩「でも、基本的な部分は引き継いでるみたいです」

男「そうだな。パターンが似てる」

ビビビビ ボゴーン ボゴーン

男「ん、形態が変わったな」ガチャガチャ

後輩「このままいけば余裕ですね」

ボボボボボ  ピカーン

男「んー、あっけないから嫌な予感はしてたが……」

後輩「どうやら、二段変形になったみたいですね」

男「こっからはパターンが謎だな」

後輩「大丈夫です!先輩と一緒なら!」

男「根拠は無いが頑張ってみよう」


423:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 17:55:56.39 ID:s1PQExDg0
ピピピピピピ  ボゴーン ボガーン
テーレーテレーレー♪

男「ここの曲は変わってないんだな……うお」ガタン

後輩「やりました、やりましたよ先輩!」ガバッ

男「おう、やったな」

後輩「情報無しでクリアしたのはこれが初めてですっ!」テカテカ

男「そうだったのか」ポンポン

後輩「あー、まだドキドキしてます……」

男「うむ、俺も緊張している」

モブA「またあの人達か……」

モブB「リア充のうえにゲームまで……クソッ!クソッ!」

男「相変わらずの人気だなー。羨ましい限りだ」

後輩(先輩に対してのほうが多い気がしますけど……)


428:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 18:22:15.93 ID:s1PQExDg0
男「結構遅くなっちゃったなー」

後輩「すいません、あの後もヒートアップしちゃって……」

男「楽しかったか?」

後輩「はい!ゲームセンターは久しぶりでしたから……先輩は、どうでしたか?」

男「ん、もちろん楽しかったぞ」

後輩「……先輩が卒業する前に、また一緒に遊べてよかったです」

後輩「友さんには、感謝ですね」

男「……」


男友(え?今日は一緒に帰れないって……)

男(すまん、今日は後輩と一緒に遊んでやりたいんだ)

男友(あー、なるほどね……気が利かなかったわ、すまん。了解したよ)

男(ありがとよ)

男友(あたり前だろ。頑張れ、我が友よ)

男「……ほんとに、な」


431:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 18:47:14.61 ID:s1PQExDg0
男(すまん、今日は後輩と一緒に遊んでやりたいんだ)

男友「……あの鈍い奴が、言うようになったもんだ」

男友「ずるずると意地悪く引きずってれば、今と違う結果になってたのかな?」

男友「……そんな訳、ないか」

男友「あー、なんか引き際よすぎて泣けてきた」グスン

?「お前に涙は似合わないぜ」

男友「……誰だ」

男子生徒「俺だ」ボゴォ 「ごふぇ!?」

女子生徒「あんたのことだから一人で泣いてると思ってね……元気だしなよ」

男子生徒「俺もいるしな!」メゴッ 「いでぇっ!?」

女子生徒「あんたは黙ってろっての!」

男友「……」クス

男友「悩んでんのがバカらしくなってきたよ、ありがと」クスクス

女子生徒「うん、やっぱあんたにしおらしい役は似合わないよ」

男友「……ありがとう、女」
男子生徒「あれ?俺「黙れ」……はい」


433:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 19:10:49.29 ID:mGXkvZ0K0
男子生徒と女子生徒
この二人大好きだwww

そして、この後どうなるのか激しく気になる。


440:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 21:44:18.21 ID:s1PQExDg0
男「ただいまー」

妹「あ、おにいちゃんお帰りー。今日は遅かったね」

男「ん、ちょっとな」

妹「何、彼女ー?彼女なのー?」

男「おう、そうだ」

妹「……」パチクリ

妹「……彼女?」

男「おう」

妹「……彼女」

妹「……おかあさぁーん!」

男「なんなんだ、騒がしい」


442:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/05(木) 22:03:52.94 ID:s1PQExDg0
後輩「……ただいま」

後輩母「あら、おかえりなさい」

後輩「……」トッ トッ トッ

後輩父「……どうしたんだ、あいつは」

後輩母「色々あるのよ、この時期の女の子は」

後輩父「こんな遅くに帰ってきて……少し話を」ガッ

後輩母「色々、あるのよ……?」

後輩父「そ、そうだな……色々、だな……ハッハッハ」クピ


後輩「……もう二度と会えないわけじゃ、無いけど……けど……」

後輩「やっぱり少し、寂しいな……」

後輩「でも、明日は出来るだけ笑うようにしよう……泣いてたら先輩に悪いし」

後輩「……もう、寝よう」


447:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/06(金) 00:15:44.90 ID:s1PQExDg0
しろいひかりのなーかにー♪ やまなみはもえてー♪


男「……卒業、か」

男友「中学の時とはなんか雰囲気違うなー」

男「そうか?大して変わらんかったぞ」

男友「ま、お前に言うのは間違いだったか」

男「かもな」

男子生徒「ぐすっ……ぐ、ひぐっ……みんな……」

女子生徒「ほーら、何泣いてんの」バシン


男友「……お前もあんぐらい何か感じないのか?」

男「いや、いくらなんでもあれはオーバーだろ」

男友「そうか?あのぐらい泣いてもいいと思うがな」


後輩「……ひぐ、うぐ」グス グス

後輩友「ほらほら泣かないの」ポンポン

452:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/06(金) 00:34:55.99 ID:s1PQExDg0
男「あおーげばー、とおーとしー……ってか」シャワワー

後輩「……せん、ぱい」グスン

男「おう、後輩」

後輩「やっぱりここに、いたんですね」

男「ま、最後だからな」ギュッ 「……む」

後輩「やっぱり……寂しいです」

後輩「昨日は泣かないって思ってたのに……いざ、式が始まったら……」

後輩「こう……なんか……その……うく」ポン

男「泣くことを、我慢する必要なんてない」

男「笑顔でお別れなんて、簡単に出来るもんじゃないからな」

後輩「……せん……ぱぁい」ギュウウ


後輩友「あーあー、あんな泣いちゃってもう……」

男友「男、そこはギュッと抱き返せよ……」

後輩友「……どうも」ジー

男友「……おう」ジー


453:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/06(金) 00:40:08.50 ID:WrqIfmSW0
旅立ちの日に と 仰げば尊し
まさに俺の中学で卒業式に歌った曲だわ
泣いた


454:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/06(金) 00:47:02.63 ID:s1PQExDg0
後輩「……」

男「おう、少しは落ち着いたか?」

後輩「はい……恥ずかしいとこ、お見せしてしまって申し訳ありません……」

男「泣くことは別に恥ずかしいことじゃないぞ」

男「泣ける時に泣いて、その分笑えるときに泣かないようにしとかないとな」

後輩「……先輩は、私を笑わせてくれますか?」

男「もちろん」

後輩「……ありがとうございます」

男「ま、そのためには今涙を止めてやらないとな」スッ

後輩(先輩の心配そうな顔が……近づいてきて……)フワッ

後輩「……んっ」

男「……っ!」

後輩「……今度は、私からさせてもらいましたよ?」ニコッ

男「……不意を、つかれた」


455:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/06(金) 01:01:30.21 ID:s1PQExDg0
後輩「……いっぱい泣いて、なんかスッキリしちゃいました」

男「そりゃ一安心だ」

後輩「心配おかけしたみたいで、すいません」ペコッ

男「年下が年上に心配かけるのは、当たり前のことだ」

男「むしろ、心配かけない奴ほど心配だ」

後輩「……なんか、手がかかるって言われてるみたいです」

男「違うか?」

後輩「むー、私だってしっかりしてますよ!」

男「ふむ、そんだけしっかりしてれば安心だな」

男「この花壇、よろしく頼んだぞ」

後輩「はい!任せてください!」


456:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/06(金) 01:11:00.61 ID:s1PQExDg0
女友「あんた、何ぼーっとしてんの?」

女「ん、ちょっと先輩のこと思い出してた」

女友「そういえば、もう半年経ったんだねー……で、調子は?」

女「んー、いつも通り?」

女友「いつも通り、ですか」

女「そ、いつも通り」

女友「……ならいいや」

女「この前遊びに行ったときなんてね……」

女友「ハイハイ、ワカリマシタ」(聞いてないって……)


462:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/06(金) 01:24:25.09 ID:s1PQExDg0
女「ブーン ブンシャカ ブブンブーン~♪」シャワワー

後輩「先輩、今日もお疲れ様です!」

女「ん、やっほー」

後輩「地球を救うのは、大変ですか?」

女「一筋縄にはいかないねー、やっぱ」

後輩「では、ボクも手伝います!」チョロチョロ

女「ん、ありがと」



女「よし、終わり」

後輩「けっこう暗くなっちゃいましたね……送りますよ、先輩!」

女「ありがと、でも大丈夫」ニコ

後輩「え、そういうわけには……行っちゃった」

後輩「……次こそは!」


465:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/06(金) 01:45:39.62 ID:s1PQExDg0
男『へー、花壇の世話に手伝いがねー』

女『変な子がいるもんですよね』

男『そうやって継いでいくのも、面白いかもしれんな』

女『そうですね。あの花壇には不思議な力があるのかもしれません』

男『んなわきゃない。そんなもんあったら放置なんてされとらんだろうし』

女『……むぅ、酷いです……』

男『ま、後輩が楽しいならそれでいいさ』

女『……これからも、笑えるとき笑って、泣くとき泣いて……楽しめなくなるまで楽しみましょう』

男『ん、当然だ』

女『それじゃ……先輩。今日もお疲れ様でした!』



~こんなんで終わり~

女「病んでしまいました」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 00:08:27.70 ID:mzKrkPef0
女友「……は?」

女「どうも、病んでしまったみたいです」

女友「風邪でも引いたの?だったら保健室に……」

女「違うんです」

女友「え?」

女「心が、病んでしまったんです」

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 00:11:01.08 ID:mzKrkPef0
女友「……えーと、つまりどゆこと?」

女「私は、男さんが好きです」

女友「いや、まぁ。知ってるけど」

女「今、男さんと女の子が話してますよね」

女友「うん、そうだね」

女「あの女の子を消してでも、あの位置にいきたいんです」

女友「……そりゃまた物騒だね」

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 00:15:33.21 ID:mzKrkPef0
女「変ですよね、こんなの」

女友「まぁね……てか、何でそんな話を私に?」

女「誰かに話さないと、溢れてしまいそうだったので」

女友「うぉー、こりゃ危ないとこだった」

女「幻滅、しちゃいましたか?」

女友「んー……褒められた感情じゃ、ないだろうね」

女「……すいません」

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 00:18:06.31 ID:mzKrkPef0
女友「で……私は、何が出来るのかね?」

女「え?」

女友「親友から恋愛相談受けたんだから、出来る限りは力になるよ」

女「……」

女友「なにポカーンとしてんのさ」

女「……ありがとう、ございます」

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 00:26:23.59 ID:mzKrkPef0
女友「しっかし……男のどこがそんなに好きなの?」

女「……秘密、です」

女友「あーあー、頬染めちゃって。まさに恋する女の子ですな」

女「……聞こえる(ピクッ」チキチキ

女友「ちょ、ちょっ!?」ガシッ

女「女友、さん?」グググ……

女友「いや、なんで止めるのみたいな顔で見られても……」グググ……

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 00:30:54.98 ID:mzKrkPef0
女「……申し訳、ありませんでした」

女友「いやー、あんたあんなに力あったんだね……」

女「どうも、男さんと楽しそうに話してる女を見ると」チキチキ

女友「あーもー、物騒だからしまいなさいな」

女友「しかしまぁ、今までよく事件にならなかったもんだ……」

女「我慢してましたから」

女友「……?」

女「これで」スッ

女友「!!」

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 00:38:03.14 ID:mzKrkPef0
女「誰も傷つける勇気なんて、私には無かったんです」スッ

女友「うわー……いたそ」

女「……流石に、引いちゃいましたよね?」

女友「引く引かない以前に、もう痛くないの?それ」

女「え?あ、はい」

女友「一生残る傷作っちゃって……バカだね、あんた」

女「……」

女友「……私がその傷の代わりになれるか、分かんないけどさ」

女友「もう二度としないって、約束して」

女「……はい」

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 00:42:39.51 ID:mzKrkPef0
女友「しっかし……こんな思いに気付かないなんて、罪な男だねぇ」

女「……いえ、男さんは悪くないです」

女友「ん?」

女「私が、自分の気持ちを伝えられないから……」

女「ただ、遠くから見つめながら、自分を傷つけるだけ」

女「迷惑な女ですよね、ほんと。私なんて……」

女友「はい、ストップ」ポンッ

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 00:48:58.85 ID:mzKrkPef0
女友「何?私に愚痴言うために相談したわけ?」

女「い、いえ……そんなつもりは」

女友「じゃぁ、女々しい台詞禁止ね」

女「え、えと……」ムグ

女友「はい、言い訳も禁止ー」

女友「とにかく、自分の気持ちに自信を持ちなよ。好きなんだろ?」

女「は、はい」

女友「じゃぁ、そんなくらーい顔じゃダメだよ」

女友「ほら、笑いな。にこーって」

女「……(ニコッ」

女友(……んーこの笑顔、男には実に勿体無いな)

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 00:56:20.93 ID:mzKrkPef0
女友「あ、男帰るみたいだね。私たちも帰ろうか」

女「あ、はい」ガサガサ

女友「おーい、男ー」

女「!!!」ガタンッ

男「ん?なんだよ、女友か」

女友「なんだよって……わざわざ美少女が二人でお出迎えしてんのにその態度かい?」

男「誰が美少女だよ、まったく」

男「女ならともかく、お前は美少女では断じてない」

女「……(ハワハワ」プシュー

女友(ありゃりゃ、ちょいとやりすぎたかな?)

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 01:00:27.64 ID:mzKrkPef0
男「で、用はなんなんだよ」

女友「今から帰りでしょ?」

男「あぁ、そうだけど?」

女友「一緒に帰ろうかなー、なんてね」

男「……お前とか?お断りだ」

女友「女も一緒に、と言ってもダメかな?」

女「えっ……」

男「む……ま、まぁ、それなら構わないぞ」

女友「おんやー?照れてるのかな?素直じゃないねぇ」

男「ば、ばか言うな!さっさと帰るぞ」

女「……」

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 01:09:46.81 ID:mzKrkPef0
男「そういや、今日あった数学の抜き打ちどうだったよ?」

女友「あー、私?」

男「んなわきゃねーだろ。どうせお前はダメダメだろ」

女友「バレてましたか」

男「当たり前だろ。お前の学力ぐらい把握しきってるわ」

男「で、女はどうだったんだ?」

女「え、えと、えと……」アタフタ

男「……?」

女「……普通、でした」

男「ん、そ、そうか」

女友(うーん、こりゃ思ったより大変だな)

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 01:14:31.16 ID:mzKrkPef0
男「じゃー、また明日な」

女友「ん?また明日も一緒に帰りたいのかい?」

男「ばっか、ちげーよ!女も、じゃあな」

女「は、はい……」

バタン

女友「さて、と」

女友「その握り締めすぎの手を解いてから、少し話しようか?」

女「あ……」ジワ

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 01:25:58.27 ID:mzKrkPef0
女友「さて、言いたいことをどうぞ」

女「……」ギュッ

女友「唇噛んでても、誰も同情しないよ?」

女友「あんたの気持ちはあんたにしか分からないんだから」

女「……ああぁっ!」ヒュッ

女友「う、うわぁっ!?」ダダッ

女「フー……フー……」チキチキ

女友「あちゃー、予想よりちょっと斜め上だったかな」

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 01:32:31.74 ID:mzKrkPef0
女「幼馴染だからって……見せ付けてっ!」ヒュッ

女友「あわわわ」ヒョイッ ザクッ

女友「うわー、容赦ないなー……」

女「協力するとか言って、横取りする気だろっ!」ビュゴッ

女友「おっとぉ!?」ヒュパッ

女友「前髪とおでこがちょびっと切れた……」ツゥ

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 01:38:41.81 ID:mzKrkPef0
女「はぁ……はぁ……」フラフラ

女友「女!体力ないのに無茶するなって!」

女「う、うるさぁ……い」パタリ

女友「だから言わんこっちゃない……」

女「……」

女友「酸欠で気絶してる……ここまで思われてるなんて、幸せものだな男」

女友「さて、と。とりあえず、運びますかね」ヒョイ

女友「うわ、軽っ!女の私でも軽々だよ……」

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 01:49:20.71 ID:mzKrkPef0
女友「さて、と。とりあえず女の家に連れてきたわけだが」

女友「酸欠の娘を背負ってきた、デコを怪我した友人」

女友「うん、意味不明だな……」

女友「なんて言い訳したもんかな……」

女友「……あれ?」ガチャリ

女友「開いてる……」

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 01:52:36.38 ID:mzKrkPef0
女友(そういや、女の家に来るなんて初めてだな)

女友(両親の顔を見たことも無かったし、もしかして……)

ガバッ

女「……」

女友「あ、女……だいじょぶ?」

女「あ……えと、その」

女「ごめんなさいっ!」ズタッ

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 01:58:41.66 ID:mzKrkPef0
女友「あ、いや」

女「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」ガンガン

女友「いや!おかしいから!とりあえず落ち着いてってば!」

女「初めて、他人を攻撃してしまいました……」

女「今までは、自分で我慢できてたのに」

女「楽しそうな男さんと、女友さんに溢れて溢れて……」

女「おさえきれなくて……」ダキッ「!」

女友「んー……流石に、いきなりでビックリしたけどさ」

女友「私もかなーり悪いことしたし……お互い様でよくない、かな?」

女友「というわけで、私もごめんなさい」

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 02:03:20.80 ID:mzKrkPef0
女友「……さて、少しは落ち着いた?」

女「……はい、すいません」

女友「んー、いいっていいって」

女友「じゃぁ、私はそろそろ帰ろうかなー。親を心配させちゃ悪いし」

女「……そう、ですね」

女友「……女?」

女「また明日、学校で」ニコ

バタン

女友(……さっきの笑顔、学校で見たのとだいぶ違った)

女友(本当に大丈夫、かね……?心配だけど)

女友(私に出来ることも無いしなぁ、今はとりあえず帰ろう)

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 02:12:46.33 ID:mzKrkPef0
女「おかあさん、きょうわたしはともだちにてをだしました」スッ

女「わたしはわるいこですね、ごめんなさい」ザク

女「あ、やくそくしてたんだった。やぶっちゃった」ザクザク

女「やっぱりわるいこだ。わるいこ、わるいこ」ザクザクザク

女「わたしのこと、げんめつしちゃうかな?」ザクザクザクザク

女「おとこくん……わるいこでも、すきになってくれるかな?」ザクザクザクザクザクザクザクザク

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 02:19:09.42 ID:mzKrkPef0
女友「かー、結局ほとんど眠れ無かったな……」

女友(女が心配で仕方が無い……今までこんなこと思いもしなかった)

女友(思わせもしないような平然とした顔で、昨日みたいな気持ちを我慢してたのかな?)

女「……おはよ」

女友「う、うわぉぉ!?」

女「ど、どしたの?」

女友「い、いや!なんでも!お、おはよ!」

女友(あれ?意外に普通……?)

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 02:22:47.68 ID:mzKrkPef0
男「ういーっす、女、女友!」

女友「よ、よう、男」

女「……おはよ、男くん」

男「ん?どうしたんだよ、女友。調子でも悪いのか?」

女友「い、いんや、別に」

男「まぁ、お前が調子悪いなんてあるわけないか」ククッ

男「じゃぁ、先行くぜ。日直の仕事があるんでな」タタタッ

女友(……今、女が普通に挨拶してた。いい兆候、と見るべき、だよね)

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 02:29:36.84 ID:mzKrkPef0
キーンコーンカーンコーン
男「さーて、昼飯だ昼飯っ!」

男友「ずいぶんと腹減ってるな、おい」

男「何もしなくても人間は腹が減るんだよ!意味も無い頭を使えばなおさらな」クイ

男「ん?」

女「……男、くん」

男「なんだ、女か。どうしたんだ?」

女「……これ」

男「これは……弁当?」

女「……食べて」タタタッ

男「……」ポカーン

男友「……」ポカーン

女友(うん、いい兆候……なわきゃないでしょ!ここまできたら)

女友(なんでいきなりアクティブになってるの……?)

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 02:38:43.57 ID:mzKrkPef0
女友「ね、ねぇ……女?」

女「なに?女友さん」

女友「どうしたの?今日」

女「どうしたのって……何が?」

女友「いや、昨日はあんな……に」

女「?」

女友「……腕を、見せて」

女「え?」

女友「……っ!」ガシッ

女「いっ……」

女友「あんた……また……」

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 02:42:15.41 ID:mzKrkPef0
女「やくそく、やぶりました」

女「きらいに、なりましたか?」

女友(す、凄く冷たい目……)ゾクッ

女友(……でも、どこか端っこで救いを求めてる)

女友(……そんな、気がする)

女友「嫌いとか、嫌いじゃないとか……そういうのじゃなくて……」

女友「なんでこういうことするの……」

女「わるいこ、だからです」

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 02:50:32.33 ID:mzKrkPef0
女「わるいこをかくすために、いいこになりました」

女「でも、それもわるいこのすることです」チキチキ

女友「ちょっと!」ガシッ

女「……」チキチキチキチキ

女友「もうこれ以上は……だめだってば!」

バンッ

男「おい、どうしたん……だ」

女「……あう、あ(ガクガク」  カラン

女「……あああああ!!」ダッ

女友「ちょっと、女!」ダッ

男「行っちまった……」

男「……なんだってんだよ、さっきのは」

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 03:10:41.47 ID:mzKrkPef0
女「あ……あああ……」ガクガク

女「おとこ……みてた……わるいこ、わたし……」チキチキ

女「は……は……は」

女「くびは、たくさんでる……」スッ

バタンッ!!

女「!!」 カランッ

女友「おっと、あぶな、かった、かな……?」ハァハァ

65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 03:17:03.62 ID:mzKrkPef0
女「……ハッ!」ガシッ

女「……こ、こないで……(ガタガタ」スッ

女友「おっと、今度はこっちに向けちゃう?」

女友(ヤバイね…・・・流石に、トイレは目立ちすぎる)

女友「と、とりあえず落ち着いて、ね?」

女「……(ガタガタ」

女友(あちゃー……男、マジで恨むぞこりゃ)

女友「……」スタスタ

女「く、く、くるなっ」プルプル

女友「……ぐ、っぅ」サクッ

女「!!!!」

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 03:23:08.21 ID:mzKrkPef0
女友「さ、さすがに洒落にならんねこりゃ……」ポタポタ

女「あ、あ、あ」

女友「さて、と。これで多少はまともに……」

女「……ごめん、なさい」

女友「え?」

女「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

女友(あ、あれ?逆に酷くなった?無駄だった?)

68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 03:28:11.32 ID:mzKrkPef0
女友「え、えと。あの……」ダクダク

女友「あ、ありゃれりゃ……?」フラフラ

女友(走った後に、血を流すのはまずか、た、かな……)ガクン
 カラン
女「あ……」

女「また、しんじゃった。わたしをのこしてしんじゃった」

女「わたしがわるいこだからなの?おかあさん」


69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 03:36:37.00 ID:oBRRykzhO
男ー、早く来てくれー!


70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 03:40:36.93 ID:mzKrkPef0
女友「あ、ちょうどよかった!そこのあなた!」

女「……え」ガタン

女友「見ず知らずで悪いけど、教科書貸してくれない?」

女「……あの、えと」

女友「お願い!このとーり!」

女「あう、い、いいですよ」

女友「ありがとうございます!神様!仏様!」


71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 03:45:46.74 ID:TaQchpaH0
ん?回想か?


72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 03:49:16.37 ID:mzKrkPef0
男「よう、女友!今日の小テストどうだったよ?」

男「まぁ、教科書忘れたっていってたし散々……」

女友「ふっふっふ……はーっはっは!」

女友「これを見よぉ!」バッ

男「な、なにぃ!?満点だとぉ!」

男「教科書もなしにどうやって……」

女「……」ソワソワ

男「あれ?その子……」

女友「ん?教科書貸してくれた見知らぬ子」

男「……いや、うちのクラスの女だろ?」

女「っ!!!」

女友「……ありゃりゃ?そうだっけ?」

女友「ほんとーにごめんっ!女さんっ!」ペコッ

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 03:55:26.55 ID:mzKrkPef0
女「……」ポーッ

男「でさー、そいつが」

男友「ふーむ、それは興味深いな」

女「……」ホカホカ

女友「……ねぇ、あんた」

女「……」ポーッ

女友「ありゃりゃぁ、こりゃ重症だわ」

77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 04:05:06.02 ID:mzKrkPef0
女「……ねぇ」

女友「ん?どした?」

女「男くんと仲いいよね、女友さん」

女友「そんな、仲いいなんてことは……」ザクリ

女友「……え?」ザクザク

女「死んで」ザク グリュッ

女友「え?え?」ポタ ポタ  ビシャッ

女「しんでしんでしんでしんでしねしねしねしねしね」グリュグリュ ザシュザシュ

女友「あは、は……すっごい痛い」パシャパシャ  ビチョリ

女友「私、死ぬ、の、か、な……?」

78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 04:11:29.36 ID:mzKrkPef0
男「……い!……丈……か!」

女友(あれ……生きてる?いや、天国?)

男「……おい!大丈夫か!」

女友「あれ、男じゃん……ここ、保健室……」

男「男じゃん、じゃねぇよ!心配して探しに行ってみれば……」

男「血ぃ流しながら倒れてるなんてどういうことだよ!」

女友「……えっと、ごめん。少し整理させて」

79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 04:13:58.97 ID:mzKrkPef0
女友「私、どこに倒れてた?」

男「女子トイレの前だよ。まったく、女にやられたのか?」

女友「……そうだ!女!女はどこ!?」

男「さぁな……俺が行ったときにはもういなかったな」

女友「探しに、行かなきゃ……!」フラフラ

男「おい!まだ寝てろって!倒れたばかりだろ!」ガシッ

女友「そんな場合じゃないんだって!あの子は……あの子は!」

男「……分かった」

男「俺が、探してくる。だから、お前は休んでろ」ダッ

94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 11:41:50.68 ID:mzKrkPef0
男「しかし……勢いで飛び出したものの」

男「女が行きそうな場所なんてまったく分からないな……」

男「とりあえず、聞いて回るしか……」

男友「おい、男。何があったんだ?」

男「ん、男友か……すまないが今急いで……」

男友「女さんが、凄い勢いで……」

男「どっち行った!?」

男友「屋上の方に……って、行っちまった」

95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 11:48:02.61 ID:mzKrkPef0
ヒュウー ヒュウー
女「……」バサバサ

バンッ!

女「……!!」

男「女っ!」ハァハァ

女「……おとこ」

男「うぉっ……そんな危ない所、すぐ降りろ!」

女「……」スタスタ

男「お、おいっ!?」

女「……」スッ

男「だから危ねぇって!そんな所に座んないでこっちに……」

女「……ねぇ」

96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 11:51:03.34 ID:mzKrkPef0
女「おとこは、すきなこいる?」

男「……?」

女「わたしは、いるよ。そのひとのことだいすき」

女「でも、そのひとはなかなかふりむいてくれないの」

女「そういうこと、おとこにもある?あるのよね?」

男「……」

97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 12:08:59.95 ID:mzKrkPef0
女「でもね、つらいのもきょうでおわり」

女「ぜーんぶ、おわっちゃったから」スクッ

男「おい!やめろって!」タッ

女「……くるの?」クルッ

男「……(ビクッ」

女「……ほんとうに、くるの?あれをみても、そうおもうの?」

女「ほんとうに、わたしのためにおもってくれてる?」

98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 12:12:20.73 ID:mzKrkPef0
女「……おもってくれるわけ、ないよね」

女「わたしはわるいこだから。みんなわたしをだいきらい」

女「わたしもみんなだいきらい。あ、おかあさんはすき。とももすき」

女「でも、おかあさんはわたしをきらい。とももきらい、なのかな?」

女「もういいや、どうせかんけいないし」

男「……くっ」

100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 12:18:45.43 ID:mzKrkPef0
女友「はぁ……はぁ……」ズリズリ

女友「おんな……大丈夫かな……」

男友「あれは……女友さん?」ダッ

女友「男友……どう、したの?」

男友「いや、どうしたのって……だいぶこっちの台詞な気がするけど」

女友「なにか、用……?」ズリズリ

男友「いや、フラフラの人を放って置くのは……ってのもあるけど」

男友「男が」

女友「どうしたのっ!?」

101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 12:24:29.59 ID:mzKrkPef0
女友「……女は、屋上なのねっ……」ズリズリ

男友「そんな体で無理すんなよ。休んどけっって……」ガシッ

女友「触らないで!」バシッ

男友「……」

女友「あの子は、不安定なの……私がついてなきゃ……」ズリズリ

男友「……」スッ

女友「……なに?」

男友「肩ぐらい、貸すさ。心配すんな、屋上は行かずに帰る」

102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 12:28:20.96 ID:mzKrkPef0
女「じゃ、さよなら」スッ

男「……待てっ!」ガシッ

女「……」ジーッ

男「……」ダラダラ

女「……なに?」

男「いや、目の前で人を見殺しに出来る奴の方が珍しいだろ!バカか!」

103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 12:32:05.79 ID:mzKrkPef0
女「ばかって、わるいこ?」

男「うぐ……いや、まぁ。好きな奴は好きだぞ」

女「おとこは、ばかすき?」

男「んー、まぁ……小難しいよりは好きかな」

女「じゃぁわたし、ばかでいいや」

女「ばかなら、おとこはすきになってくれる?きらいにならない?」

男「……え」

107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 12:55:37.23 ID:mzKrkPef0
女「おとこは、すきなこいるよね」

女「それは、わたしじゃない。しってたよ」

女「でも、わたしはそれでもいいの」

女「それでも、おとこのこと、だいすきだよ」

108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 13:03:20.97 ID:mzKrkPef0
男「えー、と……」

女「……おとこは、きらい?こんなわるいこ、きらい?」

男「……いや、好きか嫌いかで言えば……好きなほう?」

女「……わたしは、ともをきずつけたよ?それでも?」

男(……やっぱり)

女「きっと、ともはわたしをだいきらいになったよね」

女「ぶきむけるようなやつ、ともだちなんじゃないよね」

女「やっぱり、わたしなんて……」

バンッ

女友「女ぁっ!」

女「!!!」

109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 13:08:46.14 ID:mzKrkPef0
女友「……よかった、生きてた」フラフラ

女「……いや……いやぁっ!」ズザッ

男「おい、女!?お、落ち着け落ち着け!」

女「ああ……あ」ザッ

女友「とりあえず、女。女々しい言葉、禁止だってば」

女友「それと、あんぐらいで嫌いにはならないよ」

女友「だって親友じゃないか」

女「……しん、ゆう」


110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 13:14:49.17 ID:tWrIJyuX0
なんか怖いこの子


111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 13:17:14.98 ID:mzKrkPef0
女「……わたしは、きたないよ?」

女「とものきもちしってて、あんなこといったよ?」

女「それでもしんゆう?ほんとにほんと?」

女友「……まぁ、確かに酷い言葉ではあったけど」

女友「私は、あんたほど好きにはなれなさそうだからね」

女友「あんたの気持ちの強さ見てたら、どうでもよくなっちゃったよ」

女「……」

女友「勘違いしないで、あんたのせいだとか言ってないからね?」

女友「もともと、その程度だったってだけ。それだけよ」

112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 13:22:43.27 ID:mzKrkPef0
男「……女友」

女友「さーてと、女の無事も確認できたし、お邪魔物は退散しますかねぇ」フラフラ

男「お、おい!」

女「……」

女友「……選べるよ、男。今ならまだ、ね」

女友「一生を決める、決断だよ。だけど、そういう決断ほど、時間はない」フラフラ

女友「どうするの?男」

115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 13:40:47.34 ID:mzKrkPef0
男「お、おれは……そんな……」

男「いきなり、選べるわけないだろっ!」

女「……」

女友「ま、普通ならそれが正論なんだけどね」

女友「そうは言ってられないんだよね、これが」

女友「私もあんたのこと大好きだからね、いわゆる三角関係ってわけだ」

女友「まぁ、強要は出来ないけどさ。出来れば選んで欲しいかな、私としては」

117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 14:11:16.78 ID:mzKrkPef0
男「俺は……俺は……」

男「……女、かな」

女「!!」

女友「……そ、っか。まぁそうなるよね、普通」

女友「さーてと、邪魔者は退散しますかねー」ガチャリ


女友「……これでよかった、のかな?少し涙が出るねちくしょー」

119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 14:24:37.57 ID:mzKrkPef0
女友「はぁ……まぁ、最初に相談受けたときから分かってたけどさ」

女友「こういう結果になるかー、やっぱ」フラフラ

女友「でも、ああでも言わないとあいつ一生決めれないだろうしな」

女友「逆に私選んでたら、うらんでたぞー……なんてな」

男友「……女友」

女友「おや、男友じゃないか」

女友「……傷心の女の子狙いに来たのかい?」

女友「残念だけど、そーは行かないよぅ……」ヨロッ

男友「おっと」ガシッ

男友「馬鹿言うな、フラフラのくせに。保健室行くまで手伝ってやるだけだ」

121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 14:47:46.52 ID:mzKrkPef0
女「……男くん、本当によかったの?」

女「男くんが好きだったのは、女友さん……だったんでしょ」

男「……」

女「私を拒めば、私が女友さんに手を出すって思ったから?」

女「やっぱり、私は悪い子ですね……自分で悪いと思ってても止められない」

女「一番タチが悪いですよね、そんなの……」

男「ちげーよ」

女「え?」ポン「あう」

125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 15:01:14.51 ID:mzKrkPef0
男「女友はな……そういうんじゃねぇんだ」

男「確かに、あの状況だ。女友を守ろうとしたってのも否定はしねぇよ」

男「だけどな……なんて言うか、えらべねえんだ」

男「恋愛とか、そういうのの対象にはな」

男「まぁ、女のことあまり知らないから、理由とかはうまく言えないけど」

男「女は……その、可愛いし?」

女「……」ポケー




126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 15:13:41.06 ID:mzKrkPef0
男「だから、まぁ。選べといわれたから、選んだ、それだけだ」

男「義務感とか、惰性とか、そういうもんじゃ断じてないことだけははっきり言っとく」

男「確かに……女にはちょっと怖いとことかあるけど」

男「これから知り合っていけばなくなってくれるだろうし」

男「……って、女?聞いて……」

女「……」ダキッ

男「う、うわっと!?」

女「やっと、やっと、やっと!ここまでこれた」スリスリ

男「ちょ、ちょちょ……」

女「ありがとう、男くん……大好き」

男「いや、あぶねえって!ああ!聞いちゃいねぇ!」

128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 15:25:38.74 ID:mzKrkPef0
女友「……上手くいってるかな、女」

女友「男の奴、気の利かないこと言って泣かせてたらただじゃおかないぞ」

女友「……そーいや、そろそろ昼休み終わりだなー」

女友「授業、休もっと」ゴロン

 ガラリ

担任「おーい、女友ー。いるかー」

女友「……先生?」

129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 15:30:20.21 ID:mzKrkPef0
担任「大丈夫か?倒れたんだってな」

女友「別に、ただの貧血ですよ」

担任「……本当に、そうなのか?」

女友「どういうことですか?」

担任「いや、それがな……ちょっと見たって奴がいてな」

担任「女がお前を、刺してた……ってとこを」

女友(……あちゃー)

130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 15:39:47.84 ID:mzKrkPef0
担任「で、どうなんだ?」

女友「どうなんだ、と言われましても……」

女友「そんなこと、あり得ると思います?」

担任「まぁ、私も学校でそういう事はないと思うのだが……」

担任「いかんせん、目撃者がいるとなるとな」

女友(もうちょっと周辺警戒しとくべきだったなー、むう)

担任「女にも話を聞きたいのだが、行方を知らないか?」

女友「んー、流石にそこまでは知りませんねー」

担任「そうか……不調なのに悪かったな、失礼するよ」

ガララー パタン

女友「むー、一難去ってまた一難……てところ?」

131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 15:58:30.77 ID:mzKrkPef0
男「……っと、そろそろ午後の授業が始まるな」

女「……」ギュー

男「……女?授業が……」

女「……授業なんて、いい。男くんがいればそれでいい」

男(……こりゃ、思った以上に大変だな)

男「俺が行きたい、って言ってもダメか?」

女「……」ギュー

女「……まぁ、男くんが望むことなら、私は否定しません」スッ

男「さて、行くか」

女「はい!」タタッ

133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 16:04:23.62 ID:mzKrkPef0
男(……なんだろうか、心なしか視線が痛いな)

男(微笑ましい、とかじゃなくて……なんか、罪人を咎めるような視線だ)

男(俺に対してじゃない……とすると)

女「……♪」ニコニコ

男(女はまったく気にしてないようだが……何なんだ?)

男友「おう、男。……女も一緒か」

男『おい、なんなんだよ、この空気は』ボソッ

男友『ん、あぁ……それがな……』ボソッ

134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 16:08:23.69 ID:mzKrkPef0
男「……マジか」

男友「さぁ……女友はんなこと無いって言ったみたいだが……」

男「……むぅ」

男友「本人に……聞いてみる、か?」

男「……もっとも確実で、もっとも避けたい方法だな」

女「男くん?どうしたんですか?」

キーンコーンカーンコーン

女「あ、授業始まっちゃいますね」トテトテ

男(……やっぱ、女友に聞くしかねーか)

135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 16:15:31.03 ID:mzKrkPef0
ガヤガヤガヤ

男(……結局、本人には聞けずじまいで放課後か)

男(周りからの視線は相変わらず痛いし……)

女「男くん!」ダキッ

男「お、おう。女か」

女「一緒に帰りましょう!」

担任「おい、女。ちょっといいか」

女「……なんですか?」キッ

担任「あ、あぁ。少し話を聞きたいのだが、いいだろうか?」

女「…………」ガタン

女「はい、いいですよ」

女「男くん、本当にすいません」

男「い、いや……かまわないが」

男(担任を凄い目でにらんでたな……大丈夫、なのか?)

136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 16:21:14.21 ID:mzKrkPef0
ガラリ
女友「やっぱ来たね……男」

男「……ぐ」

女友「んな気まずい顔すんなってー。こっちまで気分悪くなるだろ?」

男「……すまん」

女友「あーもー、謝られたらさらに惨めだっての!それよりも」

女友「女のことでしょ?」ガタン

男「おい……大丈夫かよ」

女友「親友のピンチにぬくぬく寝てたんだよ?さっきまで」フラフラ

女友「動きだしたくて仕方がないよ」

137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 16:23:45.42 ID:mzKrkPef0
男「なぁ、やっぱり……本当なのか?」

女友「ん?刺されたかどうか?」

男「ああ、そうだ」

女友「本当だよ、もちろん。先生には嘘ついたけどさ」

男「……やっぱり、なのか」

女友「あの子のこと、嫌いになったとか言わないよね?」

女友「あれはあの子なりの感情表現なのよ。あんたが許さんでどうすんのさ」

男「……そうだな。お前に言われないとダメなんて俺も最低な男だな」

女友「やっと気付いたの?ほんとバカだね」


138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 16:28:29.55 ID:UcMLDgZC0
実際こんなメンヘラな人がいてもこんなに守られることはないんだろうな・・・


139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 16:29:36.29 ID:mzKrkPef0
女子1「ほら、先生に連れてかれたわよ……」
女子2「あの子、絶対刺したわよね。女友さんは脅されてるのよ」
女子3「うわー……あの子、前から暗いと思ってたけど……こわー」

男友(……ずいぶん、ヒソヒソ話がダークだな)

男友(ま、噂話が好きなのは人間しかたねーわな)

男友(しっかし、ずいぶんなのに惚れられたもんだな、あいつも)

男友(なーんてこと言ったら、あいつらに怒られちまうかな)

140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 16:40:05.84 ID:mzKrkPef0
ガララ
女「……」スタスタ

男友(お、帰ってきた)

女「……あ」

男友「男ならいねーぜ?さっき出て行ったからな」

女「……そう」

女子1「ちょっとあんた!」ガシッ

女「……?」

女子2「とぼけた顔してんじゃないわよ!」
女子3「この人殺し!」
女子1「そうよ!あんたみたいなのがいると危ないのよ!」

女「……?」

女子2「あー、もう!日本語も通じないわけ!?」ピシッ

女「……あう」

女子3「そうよ!とぼけた顔してっ!」ヒュッ
  ガシッ
女子3「あ……?」

男友「流石に、3対1はフェアじゃねぇな」

142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 16:51:41.09 ID:mzKrkPef0
女子3「な、なによあんた……」

男友「いやあね、実に見苦しいと思ってな。顔も行動も」

女子2「な、なんだって!?もう一度……」

男友「さっさと帰りなって。くだらんことしてないでさ」ギロッ

女子1「……くっ、二人とも!帰るわよ!」
女子3「覚えてなさいよ!あんた!」
女子2「ふん、なによすかしちゃって!」
ドタドタドタ

男友「……で、女。そのポケットで握ってるものは何だ?」

女「……」スッ

男友「カッターナイフ、か。ずいぶん物騒なもん携帯してんな」

143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 16:57:27.91 ID:mzKrkPef0
男友「てことは、やっぱ女友を刺したってのは……」

女「……!」スッ

男友「あーあー、すまんすまん。ポケットに手をいれんでくれ」

男友「また変なとこで見られでもしてたら、あいつらにも迷惑だろ?」

女「……」パッ

男友「……で、あいつらんとこ行くんだろ?はよ行ってやれよ」

男友「特に男は、かなり心配してるだろうしな」

女「……」トコトコ

男友「とは言ったが……さっきの女ども、少し気になるな」

男友「おい、女!俺も着いてくぞ」

女「……」トコトコ

男友「完全無視か……まぁ、その方がいいがね」

144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 17:03:16.99 ID:mzKrkPef0
女友「しかし、先生と話か……大丈夫かな、あの子」

男「んー……流石に正直に話すってこた無いとは思うんだが」

女友「そうは言っても心配だよねー……あの調子だし」

男「まぁ、その目撃者ってのが誰なのかがわからん限りはどうしようもないな」

女友「そういや、あの時のカッターナイフどうしたんだろ?」

女友「私を刺したなら、血が付いちゃってるような……」

男「……もしそのまま持ってるようなことがあったら」

女友「……かなり、マズイね」

145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 17:10:31.50 ID:mzKrkPef0
女「……」スタスタ

男友(特に現れる気配は無い……いらん心配だったか?)

女子1『ねえ、やっちゃってよ、あんな奴』
男子1『あいつか?随分根暗そうな奴だな。男持ちかよ、しかも』
女子1『……めちゃくちゃにしてやって』
男子2『ま、俺はやれれば相手は誰でもいいがな』
男子1『さて、行くか』

149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 17:19:18.56 ID:mzKrkPef0
男友(さて、この角曲がれば保健室だな)ゴッ

男友「がぁっ!?」グラッ

男子2「さーて、彼氏君には眠っててもらおうか」

男友「ぐっ……」

男友(しまった……油断してたな、マジで)ヒュッ

男子2「ぐへっ!?」バシッ「まだ動けたかクソがっ!」ゴッ

男友「ぐは、かっ……」ドサッ

男子1、2「さて、次はあの女だな……」

151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 17:26:56.62 ID:mzKrkPef0
女「……」

男子1「さて、と……あんまり手荒にすると後で楽しめないからな」

男子2「さっさと終わらせますかね」
タタタタッ  ゴッ

女「……うっ」フラリ ドサッ

男子1「おっと、少しやり過ぎたか?」

男子2「うわー、お前容赦ねぇなー。血が出まくってるじゃねぇか」

男子1「は?手加減したのに血が出るわけ……」ドバドバドバドバ

男子1「……え?」

女「……ふー、ふー」チキチキチキチキ

152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 17:29:43.81 ID:mzKrkPef0
男子1「い、いてええええ!!!??」

男子2「お、おい!大丈夫かよ!?」

女「……」ユラユラ

男子1「く、くんなぁ!こっちにくんな!!」

男子2「ひ、ひいいいいいい!」ダダダダッ

男子1「お、おい!お前、逃げんなって!」

女「……」チキチキチキチチキ

男子1「ば、ばけもの……」ブクブク

男「お、おい!女っ!?」

女「!!」


153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 17:30:25.77 ID:TaQchpaH0
いよいよ大詰めか


155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 17:35:58.20 ID:mzKrkPef0
女「おとこ……あああ、ああ」カラン

男「おい、女?大丈夫か、女!?」

男子1「お、おい!お前!この女を止めろ!殺される!」バコッ

男子1「……(ピクピク」

男友「てめーは、黙って、な。カッターは血が出やすいだけで大して切れてねーさ」

男友「幸い、目の前は保健室だしな」ズルズル バタン

157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 17:42:54.22 ID:mzKrkPef0
女友「うわぁっ!?あんたどしたの!」

男友「しー、今は静かにしてくれ。外が大事だ」

男子1「ピクピクピク」

女友「私たちがいない間に、何かあったの……?って聞くまでもなくあるよね」

男友「まーな。特別手当が出てもたりねーぐらいの大事が起きてたぜ」ゲシッ

男子1「ぐえふっ」

女友「……大体、分かる気がするけどさ。あんたも難儀だねぇ」ゲシッ

男子1「ひでぼぇっ」

158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 17:49:41.01 ID:mzKrkPef0
女「おとこ……わたし、あの……これは……」オロオロ

男「……とりあえず、場所を変えよう。ここは目立ちすぎる」グイッ

女「あ……あ……」
ガラッ  バタン

男友「いや、何で入ってくんだよ……」

男「え?いや、廊下じゃ人目につくし」

女友「……階段したの倉庫が、空いてるじゃん」

男「……あ」

女友「まぁいいか、全員で話したほうがよさそうだね」

男友「確かに、そうだな。さて、こいつは……おい」

男子1「はっ!」

男友「お前、このこと他言したら……分かってるな?」チキチキチキ

男子1「は、はひいいい!ごめんなさいいいい!」バタン

男友「まぁ、こんぐらいでいいだろ。あいつの肝が据わってたら知らんが」

男「意外と怖いな、お前」

159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 17:56:14.56 ID:mzKrkPef0
男「さて……とりあえず、どうしてこうなったのかを説明頼む」

男友「あー、だな。そこから話さんと始まらんわな」
―――
――

男「……俺が離れたばっかりに、そんなことが……」

女友「うー……やっぱり、教室に戻っとくべきだったなぁ」

男友「いやまぁ、それ言っちまったらそこにいた俺が一番不甲斐ないって言うかな」

女「……違う」

女「……わたしが、わるいこだから……すぐこうげきしちゃうから……」

171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 19:03:51.60 ID:mzKrkPef0
女「やっぱり、わたしなんておとことあわないんだ」

女「みんなわかってて、だまってるんだね。やさしいね、あまえちゃう」

女「わたしのせいでみんなめいわく、ごめんなさい、ごめんなさい」チキチキ

男「……女っ!」ガシ ザクリ

女「あぇ……う?」カタカタカタ

男「……いっ、てぇ……」ポタポタ

男「俺は、こんなちんけな刃物より、頼りないか?」

男「お前が俺に向けてる気持ちなんて、そんなもんなのか?」

男「頼ってくれよ、俺を。こんな人をきずつけるだけの道具じゃなくてさ」

男「俺は、お前を守るって……決めたんだから」

女「…あ、あ」パッ

男「……うぐ」ズキズキ

女友「お前バカだろ!?指が大変なことなってるぞ!」アセアセ
男友「包帯!包帯はどこだぁ!?」

男「……バカみたいに心配してくれるやつらも、いるしさ」ニコッ

女「……」ジワァ

173 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 19:07:55.19 ID:mzKrkPef0
男「しかし、やっぱカッター舐めてた。鋭利過ぎ……」

女「……ごめん、なさい」しゅん

男「あ、いやいや!女が悪いとかじゃなくてさ!」アタフタ

女友「あー、なんかこう、ね?」
男友「うん、たしかに、な」

友達「お邪魔虫は去るかね」

男友「あ、カッターは預かっとくか」

女友「どうすんの?それ。いろんな血付きまくりだけど」

男友「んー……焼く?」

女友「……あんた、アホ?」

175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 19:13:33.19 ID:mzKrkPef0
男友「さーてと、色々しないといけないことあるな」

女友「例えば?」 ダダダダダダ

担任「おいっ!?女はいるか!?」

女友「うおっっと、どうしました?先生」(この人いたね、そういえば)

担任「いや、さっき話を聞いたとき、少し気がかりでな」

担任「……って、男友!なんだそのポケットは!」ガシッ

男友「……これすか?」

担任「血の付いたカッター……お前、だったのか?」

176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 19:15:46.07 ID:mzKrkPef0
男友「まぁ、そういうわけですね」

女友「……バカか、あんた」バシッ

女友「庇わなくていいよ、もう。目撃証言は女だったでしょ?」

担任「……」

女友「先生、私です。私が自分で自分を刺しました」

女友「お騒がせして、申し訳ありませんでした」

177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 19:20:35.23 ID:mzKrkPef0
担任「お、お前ら……」

担任「嘘付くの下手だな、ほんと」

友達「……へ?」

担任「あの時な、女は正直に言ったんだよ『私がやりました』ってな」

女友「え……」

担任「まぁ、お前から先に話聞いてたからな」

担任「本人が認めて、被害者が隠そうとしてた」

担任「理由は知らんが、私が踏み込めるのはそこまでだろうと思ってな」

178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 19:24:54.18 ID:mzKrkPef0
担任「まぁ、しかしな……女子1からすさまじい剣幕でどやされてな」

担任「話を聞くと、『男子1くんが、女さんに襲われたんです!』ときたもんだ」

担任「男子1は、腹を軽く切られて出血してたもんだから、もう大変でな」

担任「前回のこともあるしな、お前らがこっちに行くのを見たって聞いてきてみれば」

担任「お前達の三文芝居に出会ったわけだ」

友達「……」

担任「……で、女はその中か?」

179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 19:27:48.76 ID:mzKrkPef0
男友「……」

女友「……」

担任「んー、まぁ。この場合どう受けてもそん中だろうが……」

担任「黙られると、先生困ってしまうぞ……」

女友「先生は、女をどうするつもりですか?」

担任「んー……事情を聞かんとどうするも何も……」

男友「……なら、俺達も一緒でいいですか?」

担任「別に、構わないが……出来るだけ、邪魔はしないでくれよ?」
ガラリ

184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 20:02:57.14 ID:mzKrkPef0
女「……」ホワホワ

男「……落ち着いたか?」ナデナデ

女「……うん、ありがとう」

男「もっと甘えても、いいんだぜ?」

男(と、強がってみたり……実際限界なんだがな)アセアセ

女「……ん」ギュッ

男「……む」ギュッ

男友「……」

女友「……」

担任「……」

担任「っておい」

186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 20:14:57.77 ID:mzKrkPef0
女「……!」ビクッ

男「ん、女?どう、した……」

男友「んー、ごっそさん」

女友「いやー、男も手が早いもんだわ」

担任「うん、いいもの見せてもらったよ。青春だな」

女「……」カァーッ

男「えーと……先生、何の用ですか?」

担任「おっと、忘れるところだったな」

担任「女に話を聞きに、な」

188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 20:22:19.65 ID:mzKrkPef0
女「……」

男「話って……なんのですか」

担任「男、そう睨むなって……お前も、知っているんだろ?」

担任「女が人を刺した、ってことを」

男「……っ!」

女「……」グイグイ

男「女……?」

女「……大丈夫」コクコク

191 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 20:32:06.18 ID:mzKrkPef0
担任「……で、やっぱりお前がやったのか?」

女「……はい」

担任「えーと……今回はまたどうしてだ?」

女「……」

担任「どうした?女、話せない理由があるのか……?」

男友「先生、ちょっと俺に話させてくれませんか」

担任「男友か……いいだろう、話してみろ」

193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 20:40:21.68 ID:mzKrkPef0
担任「ふーむ……そんなことが、なぁ」

男友「……なので、女の行動は正当防衛、かと」

男「女っ!」

女「……?」

男「頭を見せてくれ」サラ

女「……っ」ズキ

男「コブが出来てる……女友、冷やすもの持ってきてくれ」

女友「あいよ」

女「……」ジワ

男「あー、痛かったな。ごめんごめん」

担任「……ダメだ、我慢できん。外で話すぞ、男友」

男友「はい、わかりました」


194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 20:59:42.46 ID:mzKrkPef0
担任「まぁ、理由は分かった。だが、前例があるのも確かだ」

男友「そう、ですよね……」

担任「なんらかの処分は免れない、と思っていてくれ」

男友「……」

担任「私も、出来る限りはしようと思っているよ」

担任「どんなことをしようと、私の大事な生徒だからね……」

男友「先生……」

担任「クラスのものには、私が上手く言っておこう」

男友「ありがとう、ございます」

担任「さて、私はもう行くよ。かっこつけることも出来たしね、ははは」

担任「じゃ、男友。男によろしく」

201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 21:16:24.95 ID:mzKrkPef0
男友(……結局、血糊カッターはスルーかい、先生)

男友「考えたこと無かったが、意外といい人かもな」

ガラッ

女友「おい、男友。どういう話したの?」

男友「んー……まぁ、処分は免れないだろう、だってよ」

女友「……仕方ない、よね。やっぱ」

男「……くっ」

女「……仕方ないよね、私が悪いんだから」

女「大丈夫だよ、私。もう一人じゃないから」

203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 21:21:54.66 ID:mzKrkPef0
女「……やっぱり、カッターは私が持っていくよ」スッ

男「……女」

女「私がやったことは、私が持っておかないと、ね」ニコ

男「……そうか」

男友「さて、いつまでも保健室にこもっててもしかたねぇな」

女友「そうだね……帰ろっか」

男「よし、今日はみんなで帰ろうぜ」

女「……うん、そうだね」

―――
――


208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 21:57:49.52 ID:mzKrkPef0
女「男……あの子は、誰だったの?」

男「いやー……あのな、あの子は後輩だ、そう部活の」

女「随分、仲よさそうだったよね……?」チキチキ

男「え、えーとだな……お、男友!証明してくれ!」

女友「だ、そうだが?」

男友「んー?ありゃ100%デレデレしてたわな」

女「……ゆるさないっ!」チキチキチキチキ
 ブスッ

男「ぎゃーっ!」

男「シャーペン式消しゴムで耳はやめてーっ!くすぐってー!」

213 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 22:07:19.70 ID:mzKrkPef0
男(あの後、女が受けた処分は『謹慎1週間』だけだった)

男(女の家庭環境や精神状況、そして男子1の自白で退学は無くなったらしい)

男(余談だが、担任は『首覚悟だったわ、あはは』と笑っていた。かなり頑張ってくれたらしい)

男(女には、両親がいなかった。ずっと親戚からの仕送りで一人で耐えてきたらしい)

男(それを知ったとき、俺は自分が情けなかった。身近にいるから、気付けないこともあるのだ)

男(それからというもの、俺は……)

女「男、どうしたの?ボーッてして」

男「ん、あぁ。なんでもないんだ」

214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 22:12:03.68 ID:mzKrkPef0
女「何も無い場所で、本当にごめんね」

男「んー?別にそうも思わないけどな」

男「女は、欲しいものとかないのか?ぬいぐるみとかさ」

女「んー……私は男がいてくれればそれでいい、かな?」

男「そっかー……なぁ、おん バンッ『やっほー!女っー!いるかーい?』

女「あ、女友……」

男友「俺もいるぞー」

男「ヨウ、オマエラ……」

216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 22:17:00.45 ID:mzKrkPef0
女友『で、聞き出せたか?』

男『いや、それが全然なんだ……』

女友『バカか?あんたは!早くしないと……』

女「男?そんなにくっついてどうしたの?」ヒョコッ

男「うわぁっ!?女!?」

女「……なんか、怪しい」ジトー

男「い、いや……んなことねーぞ?なぁ、女友?」

女友(わ、私に振るなし……)「あ、あぁ。そうだな!」

男友(お前もバカだよ、女友……)

217 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 22:25:21.20 ID:mzKrkPef0
女「ふーん……まぁ、いいけどさ」プイッ

男『誤魔化せたか?』女友『ああ、誤魔化せたみたいだ』

女「ところで、今日は夜ご飯食べてくの?」

女友「あー、私はパスかなー。今日は見たいテレビがあるんよ」

男友「俺も同じくパスだな。今日は妹に勉強を教えなきゃならんからな」

男「このシスコーン」女友「不潔やろー」

男友「なんでそうなるんだお前らは……」

219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 22:29:27.89 ID:mzKrkPef0
女「……てことは、二人きり?」

男「……ま、そういうことかね?」

男女「……」アセアセ

ーーーーーーーーー

女友「よし、今日こそ手を出せ!今日こそだ!」

男友「なーにしてんだ、お前は……」

女友「あれ?男友も同じ理由じゃなかったの?」

男友「人の恋路をどうこうする趣味はないんでな」ガシッ

女友「あ、あれ?あーーれーー……」ズルズル

220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 22:33:22.33 ID:mzKrkPef0
女「え、ええと……ご飯作るね」

男「あぁ、そうだな。よろしく頼むわ」

女「今日は二人分だから、そんな時間はかかんないと思うけど」バタン

男「んー、少し暇だなー……」キョロキョロ

男「……ん?なんだありゃ?」パシッ

男「これは……手帳?」ペラリ

221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 22:38:59.67 ID:mzKrkPef0
○月×日
今日、女友さんという人に、教科書を貸した
そのとき知り合った男さんは、私を知っていました。
うれしい……久しぶりな感情。

○月△日
女友さんは、男さんの幼馴染らしい。
うらやましいなぁ、私もそうだったら、もっと親しくなれたのに。

男「……こういうの読むのは、あまりよくないって分かってるけど……」

男「どうしても気になってしまうな……」ペラリ

□月×日
男さんにまとわり付く女達がにくい。
でも、殺してやることなんで出来ない。
だから、久しぶりに腕を切ってみた。
少し落ち着いた、悪くない。

□月○日
思いが胸のうちで積もっていく。
苦しいな、辛いな。
腕の痛みより、心の痛みのほうがずっと辛いや。

男「……」


224 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 22:43:53.51 ID:mzKrkPef0
月日
きょうはともさんにてをだしてしまったわたしはさいていだ
ともだちなのにきずつけたくないのになんてことをしたんだ
なんだかむねのいたみがおさまらない
おさまれおさまれおさまれおさまれおさまれおさまれおさまれ

男「……ところどころ、血が滲んでいる」ペラリ

しんでもいいっておもってたけど
おとこをおもうとしぬなんてできなかった
きもちをつたえずにしぬなんていやだよ
やんでいくこころのなかでおとこだけがおおきくかがやいてる
おとこにとってはちいさなことだったかもしれないけど
わたしはおとこがだいすきです


225 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 22:51:07.51 ID:mzKrkPef0
男「……ふぅ」パタン

男(他にも色々なページに色々書いてあった)

男(が、自分に対しての卑下のみで、誰かを貶す言葉は少なかった)

女「……えーと」

男「……(ビクッ!」

女「見ちゃった?それ」シュン

男「あー……うん、見た」ダラダラ

女「……わたしを、きらいになった?」

男「え」

女「わたしの、こころのやんでるところ。ぜんぶかくしてた」

女「それでも……すき?」

226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 22:58:38.83 ID:mzKrkPef0
男「……だーっ!もう」ダンッ

女「……(ビクッ」

男「まず、先に謝る。本当に、すまなかった」

男「勝手に、お前の心の中を覗いた。許されることじゃない」

女「……そんなこと、ない」

男「そして」ギュッ

女「……」ホワー

男「あんなんで嫌いになるなら、最初から好きなんて言わねーさ」ギュウゥ

男「俺のせいでもあるんだからな……お前のせいだけじゃない」

女「……ありがとう……大好き」


ーーーーーーーー
女友「おお!?さすが男だぜ!」

男友「……うむ、これで安心だな」

子供「ママー、怪しい人たちがー」

ママ「見ちゃダメよ!」タタッ


232 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 23:12:25.01 ID:mzKrkPef0
女「……」スッ

男「……安心しろ、これからは何があっても、俺が支えてやるさ」

女「……うん」タッ

男「……女?どしたんだ?」

女「……」ガラッ

男「それは……」

女「……」チキチキチキチキ

女「……もう、必要ないから」ビリビリビリッ

女「私には男がいる……さよなら」バッ

男(女が細切れにした手帳の紙が、ふわりと夕焼け空に流れていった)

男(血のこびり付いたカッターナイフが仕事をするのは、これで最後のようだ)


234 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 23:15:14.53 ID:mzKrkPef0
男「……さて、と。一段落したし飯でも食うか」

女「……だね」

男「まぁ、その前に……おいこら」

女友(あ、あれ……?こっち向いた?)

男友(い、いや……バレてないは)

男「悪趣味だな、ごらぁ!帰らんなら帰らんとさっき言わんか!」

友達「!!!」

235 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 23:17:08.14 ID:mzKrkPef0
女友「いやー……ハハハ」

男友「だから俺は止めようって……」

女友「あ、きったねーぞ!男友!」

男「あのなー……」

女「……いいよ、男。大勢のほうが楽しいし」

男「んー……まぁ、女がそういうならな」

女友「やった!女はやっぱり優しいなぁ!」

男友「だっしゃ!」

236 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 23:19:21.50 ID:mzKrkPef0
女友「じゃーね、女!今日も楽しかったよ!」

男友「いつも騒がしてすまんな、ほんと」

女「いいよ……親友なんだから」

男「……じゃな、女。また明日」

女「……ん、また明日」チュッ

男「っ!?」ボッ

女「……」カーッ パタン

女友「ナニモミテマセンネ、ワタシハ」ダッ

男友「サーテ、サッサトカエリマショウカ」ダダダッ

238 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 23:25:11.92 ID:mzKrkPef0
女「……お母さん」

女「今まで、頼ってきました。恨みもしました」

女「でも、今日で本当にお別れですね」

女「悲しくはないです。あの人がいるから」

女「……」チキチキ スッ カタン

女「……よし、寝よう」

240 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 23:30:10.55 ID:mzKrkPef0
男「ふー……さてと」

男「喜んでもらえる、かね?」

女友「んなこと、私が知るか。私はあの子じゃない」

男友「まぁ、テンプレ通りなら『あなたのくれたものなら~』ってなるんじゃね?」

男「なんかそれはやなんだよなー」

男友「はっきり聞きださなかったお前が悪いだろ」

男「むぐ……」

242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /29(火) 23:32:09.48 ID:mzKrkPef0
女「あれ?みんなどしたの?」

女友「ほら、さっさとしなってば!女々しいなぁ」ドンッ

男「う、うおっ!?」トテテ

男「あ、あのな……女」

女「……?」キョトン

男「ええと……その……」

男「誕生日おめでとう」スッ

女「!!!」ハッ


246 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /30(水) 00:00:04.07 ID:mzKrkPef0

女「……」

男「……」ジーッ

女「……あり、がとう」ジワァ

男「……お、女?」

女「……はじ、めてで……たんじょうび、なんて」グズグズ

女「うれしい……凄く、うれしい」ポロポロ

男友「……」スッ

女友「……」ジーッ ガッ「あぐっ!?」ズルズル


248 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /30(水) 00:01:56.35 ID:mzKrkPef0
男「……開けて、くれるか?」

女「……今?」

男「気に入らんものだったら、言ってくれ」

女「……うん」 ピリピリ

女「……手帳?」

男「ん、手帳だ」

男「お前と俺の、『楽しいこと』を書き込んでいくための、な」


250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /30(水) 00:08:05.20 ID:mzKrkPef0
女「……ありがと、大事にする」ニコ

男「ごめんな、本当はもっといいもん買おうと……」

女「これが、いいんだよ……」ギュッ

男「……そっか」


男友「おー、泣いてる泣いてる」

女友「結局あんたも見てんじゃん……」

担任「おー、実に青春してんなー、四人とも」

担任「独り身の先生は実に悲しいぞー……ははは」

251 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /30(水) 00:10:51.31 ID:mzKrkPef0
女友「四人ともって……こいつとですか?先生」

担任「おう、実に仲いいぞ、はためから見れば」

男友「そうですかねー……んなこたないんですが」

担任「んー、いいんじゃないの?ベタ甘もいいがそのぐらいの距離でも」

担任「ま、君達は若いからねー。いっぱい楽しみな……トホホ」スタスタ

254 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06 /30(水) 00:19:57.61 ID:mzKrkPef0
×月○日
今日は、生まれて初めて『日記』を書く日です。
男が、この手帳をくれました。
凄く嬉しいです、一生大切にします。

こんな毎日が、いつまでもいつまでも続きますように。

追記 先生の背中が大分小さく感じたのは気のせいでしょうか?

女「よし……と」ポフン

女「女友、私まだ病んでるみたい」

女「ずっとずっと、これからも……」

女「この恋の病は、男でも治せそうにない、かな」ニコ


~おわる~
プロフィール

Author:花見月
主に2ch系掲示板で自分が書いたSSを纏めてます
思い出したものからかたっぱしに記事にするので順不同で

twitterでも更新報告したりしてます
@hanami2ki

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