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あきつ丸「提督殿のおタバコは甘い香りがしますな」

1 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2016/02/20(土) 05:55:09.28 ID:TAVDjEYRo [1/19]
提督「……そうか?」

あきつ丸「はい。自分はあまりタバコに通じておりません故、他と比較は出来ませんが」

提督「……吸ってみるか?」

あきつ丸「へ?」

提督「興味、ありそうな口ぶりだ」

あきつ丸「まぁ……あるなしで言えば、ありますが」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1455915309


2 自分:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2016/02/20(土) 05:59:01.01 ID:TAVDjEYRo [2/19]
提督「……ほれ」

あきつ丸「?」

提督「悪いな、最後の一本なんだ」

あきつ丸「そ、それは提督殿に悪いであります」

提督「いつも吸ってる味だ。今さら一本ぐらいで不平も言うまい」

あきつ丸「そ、そうではなく……」

提督「??」

3 自分:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2016/02/20(土) 06:10:28.08 ID:TAVDjEYRo [3/19]
提督「早くしないと、火が回る」

あきつ丸「あ……は、はいっ」

提督「ほら、ゆっくり吸ってみろ」

あきつ丸「……すぅー」

提督「あ、おい」


あきつ丸「~っ!」

提督「あちゃー」

あきつ丸「けほっ、けっほげっほ……っ」

提督「いきなり深く吸い過ぎだ」

あきつ丸「し、死ぬかと思ったであります……」

4 自分:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2016/02/20(土) 06:13:34.78 ID:TAVDjEYRo [4/19]
提督「あー、勿体ない」

あきつ丸「……あ」

提督「こんな風に、ゆっくり吸って……」

あきつ丸「……」

提督「ゆっくり、吐くんだ」


提督「なんだ、俺の顔に何か付いてるか?」

あきつ丸「あ、いえ……何でも、ないであります」

5 自分:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2016/02/20(土) 06:25:47.67 ID:TAVDjEYRo [5/19]
あきつ丸「……すぅー」

提督「あきつ丸」

あきつ丸「っ!」

あきつ丸「あわ、あわっ……わちゃちゃっ!?」

提督「……何をやってるんだ?」

あきつ丸「こ、これは……その」

提督「気に入ったのか?タバコ」

あきつ丸「まだなんとも……」

提督「……そうか」

6 自分:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2016/02/20(土) 06:30:53.76 ID:TAVDjEYRo [6/19]
提督「……ふー」

あきつ丸(……やはり自分で吸うより、吸ってるところを眺めている方が)

提督「ほれ」

あきつ丸「?」

提督「いや、じーっと見てるから」

あきつ丸「あ、あぁ……いただきます」


提督「……ふー」

あきつ丸「……ふ、ふぅー」

7 自分:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2016/02/20(土) 06:40:15.58 ID:TAVDjEYRo [7/19]
提督「あきつ丸」

あきつ丸「は、はいっ!なんでありましょうか」

提督「ムリして吸わなくてもいいんだぞ」

あきつ丸「そ、そんな事は……!」

提督「……ふぅー」

あきつ丸「……ムリしているつもりは、無かったのですありますが」

提督「気分が乗らない時は、断ってもいい」

あきつ丸「……了解、であります」

20 自分:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2016/02/20(土) 18:41:15.86 ID:TAVDjEYRo [9/19]
あきつ丸「あきつ丸、ただいま戻りました」

あきつ丸「……提督殿?」

あきつ丸(風呂、でありましょうか)

あきつ丸「……」

あきつ丸「提督殿の、上着……」

あきつ丸「くん、くん」

あきつ丸(なんだか、不思議な香り……)


提督「……」

あきつ丸「……はっ」

21 自分:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2016/02/20(土) 19:00:44.54 ID:TAVDjEYRo [10/19]
あきつ丸「こ、これは……その……」

提督殿「……やっぱり、臭うか?」

あきつ丸「へ?」

提督殿「出先で指摘されたものでな。お前も気になっていたのか?」

あきつ丸「んー……独特な香り、と言いますか。何と言いますか……」

提督殿「やっぱりそうか」

あきつ丸「じ、自分はっ」

提督殿「む」

あきつ丸「自分は嫌いじゃないであります、この香り」

22 自分:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2016/02/20(土) 19:15:29.25 ID:TAVDjEYRo [11/19]
提督「そう言ってくれるのは嬉しいが」

あきつ丸「……じー」

提督「やはり、ここは一度やめてみるべきだろうか」

あきつ丸「それが提督殿のご意思なら、自分はお手伝いします」

提督「感謝する」

あきつ丸(少し残念ではありますが……提督殿のお体の事も考えれば、正しい事でありましょう)

23 自分:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2016/02/20(土) 19:29:49.37 ID:TAVDjEYRo [12/19]
あきつ丸「提督殿、本営より入電が……」

提督「うむ、ご苦労」

あきつ丸「……あれ?」

提督「……ふぅー」

あきつ丸「提督殿、それ」

提督「む?」

あきつ丸「おやめになるのではなかったのですか」

提督「ん、ん」

あきつ丸(箱が変わっている……でありますね)

24 自分:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2016/02/20(土) 19:37:34.89 ID:TAVDjEYRo [13/19]
提督「技術は詳しくは知らないが、これは煙が少ないタバコらしい」

あきつ丸「……そうでありますか」

あきつ丸(心配して損した気分であります)

提督「それで、入電は?」

あきつ丸「あ、これであります。どうぞ」

あきつ丸(まぁ、提督殿がよいのならそれで……)

25 自分:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2016/02/20(土) 19:39:40.15 ID:TAVDjEYRo [14/19]
提督「吸ってみるか?」

あきつ丸「ん……では、一本だけ」

提督「しまった、また最後の一本だ」

あきつ丸「では、拝借」

提督「あっ」

あきつ丸「……すぅー」

提督「そうそう、上手だ」

あきつ丸(やっぱり、タバコ自体の良さはよく分からんでありますなぁ……)

26 自分:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2016/02/20(土) 19:45:13.63 ID:TAVDjEYRo [15/19]
提督「比べてみてどうだ?」

あきつ丸「うーん……」

あきつ丸(結局の所……)



あきつ丸「提督殿が吸っているタバコなら、何でもいいでありますねぇ」


提督「……」

あきつ丸「……あ」

あきつ丸(思わず口に……)

提督「……そうか」

あきつ丸「あの、提督殿。今のは何でもいいって言う投げやりな回答ではなく……」

27 自分:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2016/02/20(土) 19:50:18.97 ID:TAVDjEYRo [16/19]
あきつ丸「んむっ……」

あきつ丸「……ん、むっ……」

あきつ丸「ぷあっ……はっ」


提督「つまりは、こういう事でもいいと言う事か」

あきつ丸「……そ、それは」

提督「最後の一本が無くなって、口が寂しいな」

あきつ丸「ちょっと、ていとくど……」


あきつ丸「……んむぅっ」

28 自分:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2016/02/20(土) 19:59:03.91 ID:TAVDjEYRo [17/19]
提督「……ぷはー」

あきつ丸「結局元に戻したのでありますね」

提督「何でもいいらしいから」

あきつ丸「やめるのが一番よろしいのでは?」

提督「それが本音なら、やめるが」

あきつ丸「……意地悪でありますね、提督殿は」

提督「そうかな」


提督「……あ」

あきつ丸「?」

提督「しまった、最後の一本だ」

あきつ丸「い、いつもいつも。本当に最後の一本なのでありますか?」

提督「嘘付いてどうする」

あきつ丸「だ、だって……」

29 自分:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga] 投稿日:2016/02/20(土) 20:14:54.83 ID:TAVDjEYRo [18/19]
提督「嫌なら……」

あきつ丸「……」

提督「すまん、意地悪が過ぎた」

あきつ丸「ほんとに反省してるでありますか?」

提督「してるしてる」


あきつ丸「なら、何でありますかこの手は……」

提督「つい」

あきつ丸「ついって……もう、しょうがないでありますね」


あきつ丸(……甘い味が、しますなぁ)
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飛行甲板と恋心

1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/02(土) 20:26:42.42 ID:uqkeIGKJo
気付けば視線の先に、彼がいる
その事にボクが気付いたのは、つい最近の事
いや、本当はずっと前からそうだったのだ
気付かないフリをするのが、自分の中で限界になってきたのだろう
浴場の天井を見つめながら、ボクは小さく息を吐いた
入渠の時間はまだまだあるし、今日はほぼ貸切状態
ゆっくり気持ちを整理してから、執務室へ向かう事にしよう


2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/02(土) 20:30:15.21 ID:uqkeIGKJo
「ただいま戻りました、っと」

「まだお仕事?ボクにお手伝い出来る事はないかな」

「そっか、残念」

「へ?部屋に戻らないのかって……」

「その、なんだか眠たくなくって」

「うぅん、不眠症とかそんなんじゃないんだ。うん、そんなんじゃなくて……」

『……いや、そんなんなの、かな?』

「だ、大丈夫だって!提督はお仕事続けて」

「……じー」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/02(土) 20:46:37.33 ID:uqkeIGKJo
初めて会った時は、少し怖い人だと思った
帽子の端から見える切れ長の目が、なんだか常に睨んでるように見えたからだ
後にその事を本人も気にしていている事や、実は見た目の割に結構繊細な人だったりする事とか、色々知ることになってわけだが
そんな風に知っていくうちに、こんな感情が芽生えてしまったのだろう
提督と秘書艦、近すぎて逆に遠い距離感がボクに色々邪推をさせる
気持ちを素直に聞ければ、きっとそれが一番近道なのだろうけれど
そんなこと、ボクにはとてもできない

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/02(土) 20:56:03.39 ID:uqkeIGKJo
「それじゃ……おやすみなさい、提督」

「……ふぅ」

(明らかに変だよね……仕事もないのに執務室で提督を眺めてるだけ、なんて)

(提督はどう思ってるんだろう?)

(何か思って貰えてると思うのは、希望的観測なのかな?)

(んー、むむむ……)

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/02(土) 21:11:10.89 ID:uqkeIGKJo
翌日の演習は散々で、何度も小さな衝突を繰り返しては皆に迷惑をかけてしまった
それだけならいいのだが、「提督にこき使われて疲れているのではないかしら?」なんて風評まで出回ってしまいかけたのはいただけないので、演習後の浴場で皆と話して誤解は解いておいた
本当は皆を誰よりも心配しているのは提督なのだが、立場や強面の外見からイマイチそれが伝わっていないのだ
提督のあんな面やそんな面を知っているのはボクだけなのだから、ボクがもっと気を付けなければ
風呂上りのコーヒー牛乳をごくりと飲み干して、ボクは顔をぱんぱんと叩いた

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/03(日) 15:36:53.69 ID:Opfj5KnQo
「おはよう、提督」

「……あれ、提督?」

(もう、ちゃんと布団で寝た方がいいっていつも言ってるのに)

(髪がボサボサ……お風呂、入らずに寝ちゃったのかな)

「……」

「てーとく……」

「あいてっ!?」

「いちち……お、おはよう提督」

「起こそうとしたら突然起き上がってくるんだもん、衝突注意だよ」

(まだ、ドキドキしてる……見られてなかったかな、さっきの顔)

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/03(日) 16:04:50.78 ID:Opfj5KnQo
今日が休日で助かった
もし演習にこんな状態で行ったら、また余計な心配をかけてしまう事になる
鏡を見なくても分かるほどに真っ赤な顔の火照りを鎮めるため、ボクは洗面所へ向かった
休暇はそれなりに自由行動が認められているので、鎮守府に残っている艦娘は多くない
とはいえ、緊急出撃等に備えるためもぬけの殻にもなっていないので、人の気配に注意しながら歩を進める
顔が赤い理由を根掘り葉掘り聞かれてしまうのは困るし、恥ずかしい
そんなボクの心配もどうやら杞憂だったようで、誰ともすれ違わないまま洗面所へと辿り着いた

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/03(日) 16:47:36.32 ID:Opfj5KnQo
(提督の一挙一動でこんな事になってちゃ、ダメだなぁ)

(ほんと、初めて会った時はこんな事になるなんて思ってなかったや)

(でも今さら、忘れるなんて出来ないよなぁ……)

「?」

「て、提督も顔を洗いに来たんですか」

(平常心、平常心……)

「それじゃ、ボクはもう行くね」

「……ふぇ?」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/03(日) 17:23:21.53 ID:Opfj5KnQo

部屋へ戻ろうと思ってたボクは、提督に呼び止められて執務室へと戻ってきた
少し時間あるか?なんて真面目な顔で聞かれたら、断れるわけなんてない
執務室で二人きりなんて、いつもの事なはずなのに
昨日の今日で色々な事があったせいか、提督の事を真っ直ぐ見る事が出来ない
元々提督はおしゃべりな方ではなく、ボクが今はこの調子なので、会話が全くないまま時間だけがゆっくり過ぎていく
鎮守府全体が静かなせいで、まるで世界がボクら二人だけのものになってしまったような錯覚すら覚えるほどだ
ドキドキという心臓の音すら相手に聞こえてしまいそうな沈黙の中、提督は未だに口を開いてくれない
何か言いたくない事なのだろうか、それってもしかして、あれやこれや……?
ボクの中で邪推だけがどんどん膨らんで、不安が声になって漏れだそうとした寸前
提督がゆっくりと立ち上がり、ボクの方へ歩み寄った

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/03(日) 22:23:07.04 ID:Opfj5KnQo
「今日が何の日か覚えてるかって?」

「んー……?」

(ただの日曜日だったような気がするんだけど、何かあったかなぁ)

「……お手上げ。答えを教えて欲しいな」

「それは……指輪?」

(そういえば、前にピアスを貰ったことあったっけ。ハート型の……あれはいつ頃の話だったかな?)

(今回のはどういう趣向あってのものなんだろうか)

「え、ちょっと……ていと……っ」

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/03(日) 22:45:32.79 ID:Opfj5KnQo
指輪に気を取られていたボクは、気付いていなかった
提督の顔が、自分の眼前まで迫っていることに
その事に気付いたボクが声を上げる間もなく、提督の唇がボクの唇に重なった

あまりにも突然の事に頭の処理が追いついてないボクは、提督にされるがままに身を任せる
絡み合う舌にも、ほとんど不快感を感じない
むしろこうなる事を望んでいたのだから、当然と言えば当然なわけだけれど

繋がり合った口元から、全身へ熱が広がっていった
どのぐらいそうしていたのか、数秒、はたまた数時間か
ゆっくりと離れた提督の口元から、細い線がボクへと伸びる

提督が離れた後も、余韻に呆けたままのボクの手がそっと握られたかと思うと、指に冷たい感触
その感触でボクの意識が、一気に天上から現実へと引き戻された

18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/03(日) 22:52:59.99 ID:Opfj5KnQo
「あ、えと……その」

(い、言いたいことは色々あるはずなのに、声が……)

「あぅ……と」

「秘書艦にしたときからずっとこうしたかったって……」

「……」

「……ぼ、ボクも……同じ気持ち、だよ」

「両想い、だったんだね。あは、は」

「……あれ、なんでだろ。……涙が……?」

「おっかしぃなぁ……っ」

「……提督の胸、あったかい」

「……ぎゅぅ」

19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/03(日) 23:04:23.34 ID:Opfj5KnQo
お互いの気持ちを確認し合ったことで、大きく進展したかのように思えたボクらの関係だったが、相変わらず皆の前では少し怖い提督と秘書艦の体を装ったままだったりする
皆の混乱を防ぐため、なんてもっともらしいことを言っていたが、こんなに分かりやすくピアスと指輪なんてしてるせいでバレバレだったりするのだが、本人が隠してるつもりの間は黙っておく事にした
やきもきする提督とボクの様を楽しむために、きっと皆から言ってくることも無いだろう

変わった事と言えば、執務室が逢瀬の場になったこととか
実は結構、提督は寂しがり屋で触れ合いを求めるタイプだったこととか
色々あったりしたわけだけど、変わらない事は一つ

ボクが提督を、大好きだって事

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/03(日) 23:05:45.05 ID:Opfj5KnQo
「……んっ、ダメだって提督……」

「もう夕飯が近いんだから……誰か来たら……」

「……もう。あんまりしつこいと、ボクちょっと怒っちゃうぞ」

「……」

「……むむむ」

「ちょ、ちょっとだけだよ?」


「ちょっとだけだってばぁっ」

21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/03(日) 23:06:55.32 ID:Opfj5KnQo
終わり

地の文読み辛くてすいません
改善してみましたがどうでしょうか、読みやすくなってたら嬉しいです
では

うちの提督はタバコがお好き

1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/28(火) 19:27:27.29 ID:e02qdVS1o

うちの提督は、タバコが好きだ
演習の合間にちらりと執務室の窓を見た時も、食堂へ向かう廊下ですれ違う時も、必ずと言っていいほどタバコを咥えている
流石に寝る時までタバコを咥えている、という事は無いようだが、いつも寝ているソファーの傍にまで灰皿が備え付けてあることを考えると、寝る寸前まで手放したくない事が見て取れる
個人的にはそれほどタバコの煙が苦ではなく、というかそれが理由で秘書艦に選ばれた気もするのだが、健康によくないと聞くタバコはやはり謹んでもらいたいわけだ



2:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/28(火) 19:29:14.85 ID:e02qdVS1o

「あ、提督。お帰りなさい」

「あーあ。せっかく掃除したのに、またやり直さなきゃ」

「……それ、そんなにおいしい?」

「吸ってみれば分かるって……ボクは吸わないよ、ふりょー提督」

「……じー」

「へ?うぅん、顔にはなんにもついてないよ」

「うん、なんにも」



4:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/28(火) 19:35:20.18 ID:e02qdVS1o

実は喫煙を謹んでもらいたいというのは建前だったりして、タバコを吸う提督を傍で眺める時間が大好きだったりする
普段は規律の為にシャキッと決めている提督が、髪を崩し机に踵を乗せている姿も、ボクだけのものだ
ボクに気を許してくれているのか、それともただ単に人目を気にしない性質なだけなのか
前者であると嬉しいけれど、きっと後者な気がする



6:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/28(火) 19:39:17.91 ID:e02qdVS1o

「夜食?軽いのなら、用意できるかも」

「朝から何も食べてないって、そんな状態でタバコ吸って平気なの?」

「これは別腹って……」

「……バカ」

「リクエストはある?答えられるかは分からないけど」

「食べれるなら何でも?」

「……」

「……すぐ持ってくる」

「べーっ」



7:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/28(火) 19:47:06.24 ID:e02qdVS1o

即席麺から上がる湯気を、指先でくるりと回してから、ボクはふぅと溜息を吐いた
無駄に恰好はいいもんだから、他の艦娘達からも人気のある提督
「羨ましいっぽい」だの「羨ましいのです」なんてことをよく言われるのだけれど、秘書艦と提督という近いようで近くない微妙な距離は、心地よくもあり辛くもある
せっかく練習して覚えた料理も、まともに振る舞えたためしがない
そんな提督の態度が、敢えて距離を置こうとしているようにも感じられて、ボクもそれ以上踏み込まない、踏み込めない
しまった、結構時間が経ってしまっている
ボクは間延びを始めた即席麺を持って、急いで執務室へと戻った



8:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/28(火) 19:54:00.62 ID:e02qdVS1o

「お待たせ、提督」

「即席麺しかなかったけど、いいかな……提督?」

「自分から夜食頼んどいて寝るって、どういう神経してるのさ」

「……起こしちゃ悪い、かな」

『提督、ていとく』

「完全に、寝てる」

「……」

「ていとく……」

「……っ」

「お、起きてたの?」

「食べ物の匂いで起きた……ふーん」

「はい、夜食。麺が伸びてる?提督が寝てるのが悪いのさ」

「それじゃ、ボクは明日の朝も早いから」

「おやすみ、提督」



14:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/29(水) 19:27:14.59 ID:pWcGkmR8o

翌日の早朝演習は散々なもので、相手との戦いより眠気との戦いに必死だった
そんなボクの様子を見て「秘書艦としての役目が辛いなら、無理せず言ってくれ」などと言ってくれるのは嬉しいのだが、寝不足の本当の理由を知られたくないので適当に返す
間近に迫った提督の顔がまどろむ度に浮かんでくるせいで寝れない、なんて知られたら恥ずかしすぎる
そんなこんなで、結局演習を途中で切り上げさせてもらったボクは、一人執務室のソファーで横になっていた
本来なら自室で休むべきなのだろうが、いない提督の残滓を求めてしまったのかこんな所へ来てしまっている
掃除をしても、しても、ほのかに香るタバコの香り
名前も分からないその香りに包まれながら、ボクの瞼がゆっくりと降りていく



15:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/29(水) 19:33:50.61 ID:pWcGkmR8o

「……ていとくぅ……」

「……ん、むにゃ」

「……てー、とく?」

「いま、なんじ?」

「……」

「……ボク、そんなに寝てたんだ」

「仕事は済ませてあるから心配するなって……そういう問題じゃないような」

「他の艦娘に話を聞いた?どんな?」

「……そんな、疲れてなんかいないよボクは」

「少し調子が悪かっただけ、ほんとだってば」

「だから……謝らないで欲しいな。提督はいつものままで、ね?」



16:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/29(水) 19:47:18.63 ID:pWcGkmR8o

その日から、提督の様子が少し変わった
ボクの前では、タバコを吸わなくなってしまったのだ
どうやら禁煙を始めたわけではないらしく、ふと見かけた時にタバコを咥えているは変わらないのだが、執務室の灰皿だけはあの日から空のままだ
そんな役目を忘れた灰皿の縁をなぞりながら、頬杖を突く
自分の健康のために控えだしたのか、それとも誰かさんに気を遣っての事なのか
前者ならそれはそれでいい事だと思うのだが、後者だとなんだか無理にガマンさせてしまっているようで忍びない
だからと言って、ボクから何か言うのもおかしい気がして、香りの消えかけたソファーにぼふんとダイブしてみた



17:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/29(水) 20:09:46.30 ID:pWcGkmR8o

「……あ」

「お疲れ様、提督」

「うぅん、平気だよ。心配しないで」

「……提督」

「無理、してない?」

「だって、急に吸わなくなったじゃないか。あの日から」

「気のせいだって?なら、ボクの目を見てもう一回言って」

「……じー」

「ほら、目を逸らした。うそつき」



21:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 22:27:52.26 ID:bn6jGOfbo

ボクがじとーっと目を向けると、提督は困ったように頭を掻く
なおもボクが視線を向け続けると、観念したように提督が懐から何かを取り出した
いつものタバコかと思ったが、片手で握り込めるサイズの物らしいそれが何なのかまでは確認できなかった
そんな正体不明の何かを握り込んだまま、提督がボクの方へと近付いてくる
どう反応してよいか分からず固まっているボクの指先に、提督の硬い指先が重なり、何かの正体が判明した
キラキラと鮮やかに光るその指輪は、冗談にしてはあまりにも上等な代物で、不味くて吸わないと言っていた支給品のタバコを吸ってまで照れ隠しをする提督を見ていると冗談とは思えなくて
手をひらひらと裏表させて指輪を眺めながら、ボクは視線をゆっくりと提督に戻した



22:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 22:45:09.99 ID:bn6jGOfbo

「もしかしなくても、これの為にタバコを?」

「……なんで急に?今まで、そんな事なかったのに」

「ボクを秘書艦にしたときから考えてたんだ。そーなんだ……」

「タバコが平気だから秘書艦にしたわけじゃなかったんだね」

「それもある、と」

「……」

「……な、なんだか何言っていいのか分からないや」

「か、顔真っ赤になってないかな。もしそうだったら、恥ずかしい……」

「こんな物貰っちゃったら、何かお返ししないとね」

「そんなつもりじゃなかった?でも、ボクの気が済まないよ」

「でも、ボクに出来る事……何かあるかな?提督」



25:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 23:09:56.33 ID:bn6jGOfbo

ボクが言い終わるよりも先に提督の顔が目前まで迫り、そのままボクの顔に影が覆いかぶさる
タバコを吸ったばかりの提督からは不思議な味がしたが、思ったよりも不快ではなくて自分でも驚いた
提督が風に当たりに行くと言って部屋を出て行った後も、ボクはそのまま立ち尽くしていた
顔が真っ赤になっているであろうことが、鏡を見なくても分かるほどに熱い
また演習に支障が出てしまいそうだ、とボクは小さく息を吐く
全く、提督には困ったものだ
そんな提督が大好きで仕方ない自分に、もっと困ったものなわけだが



26:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 23:25:03.84 ID:bn6jGOfbo

「……おかえり、提督」

「うん、大丈夫。頭の整理は出来てないけど、平気」

「へ?ボクの気持ちが聞きたいって……もしかして分かってて言ってる?」

「……分かってないか、そうだよね」

「タバコを吸ってようが、吸っていなかろうが……」

「……提督の全部が、大好きだよ」

「……ん、ぅ」

「……」

「……これ以上提督の顔見続けたら、倒れちゃいそうだ」

「今日は自分の部屋で寝るよ、おやすみ」

「……っ」

「……自分の部屋で、寝たいんだけど」

「……」

「…………」



27:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 23:32:15.04 ID:bn6jGOfbo

うちの提督はタバコが好きだ
ボクはそんな提督が、大好きだ



28:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/04/30(木) 23:34:36.84 ID:bn6jGOfbo

終わり

書いてる>>1はタバコ吸わない人だったりします
でもタバコを吸ってる人を眺めるのは嫌いじゃない
そんな感じ
プロフィール

Author:花見月
主に2ch系掲示板で自分が書いたSSを纏めてます
思い出したものからかたっぱしに記事にするので順不同で

twitterでも更新報告したりしてます
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